2022年11月12日土曜日

苦節13年目にして、「ゴールド免許」を手に入れる。

この10月、長きに渡って失い続けていたゴールドの運転免許証を取得した。僕が美瑛に移住したのが2007年、ほどなく速度違反で捕まってしまう(2007年8月ころ)。その後も数度、一旦停止無視なんかで半年おきくらいにつかまり続け、2009年の更新時には、愛知県で手に入れていたゴールド免許を失い、青い免許証となった。違反回数も影響したのか、当時の免許証の更新期間がそうだったのか、3年後に更新時期を迎えるも、直前に見通しの良い交差点で、一旦停止無視で検挙されてしまい、2012年の更新時にまたもや青免許に・・・。

 

言い訳以外の何物でもないことは理解しているが、とにかく北海道の僕の住む道北や、少しオホーツク海寄りの道東地方は、速度超過運転になりやすい。広々とした大地、見通しのいい1本道、対向車も先行車もなし。制限速度上限の60km/hで走るのは、正直難しい。ましてや少々急いでいる場合などは、自制するのは不可能とさえ言いたいくらいだ。

あまり違反による罰金を払い続けたくもないし、ゴールド免許のわずかな恩恵も気になるしで、次回こそゴールド免許を!と祈りつつ、次の更新時期(今度は同じ青色免許でも、5年後でしたね)の2017年を待った。更新時期を半年後にしたとある5月下旬の昼下がり、旭川から美瑛に戻る僕は、不意に白バイに追走されてしまう。あっと思った時には白バイがサイレンを鳴らしていた。わずかに14kmオーバーで、また4年半おとなしくしてきた努力もむなしく、この年の更新も青色免許と相成った。あー、もう半年だったのに・・・と歯ぎしりしても、白バイの警察官は非情と言えば非情だ。もっとも、それなら今回だけは・・・なんて展開になるはずもなく(このSNS盛んなネット時代に)、また青免許と5年間お付き合いすることになった。


 
時は流れ、そして迎えた2022年秋のこと。意識していなかったわけじゃないけど、10月早々に免許更新の案内が届いた時には小躍りして喜んでしまった。紛れもなく、更新の免許の種類に「金」の文字があり、講習時間も1時間で終わる旨記載されていた。今は、誕生日の前後1か月(延べ2か月間)で取得できるので、早いタイミングで近文の運転免許試験場に出向いた。5年前と比較したら、ずいぶん人の流れの動線が整理されて、係の方の配備も適正になり、わかりやすく進化していてびっくりした。講習内容は

・あおり運転の禁止。

・高齢者の免許返納のすすめ。

などについて説明があり、時代の流れを感じる。あおり運転については、あおられる前に道を譲ろう、あおられてトラブルになるなんてバカバカしいといった説明もあり、大いに納得する。もともとあおる側の非を声高に非難するケースがほとんどだけれども、場合によっては(いや、けっこうな確率で)あおられる側にも問題はあると感じていたので得心した。もうひとつの免許返納については、僕も他人事ではいられなくなるんだなぁとぼんやり考えた。次回更新時には69歳。元気はつらつとはいかないまでも、問題なく普通に車の運転ができることを願わずにはいられない。


 
ところでこの5年間、安全運転に徹してスピード違反などに十分留意してきたかと問えば、そうでもないというのが本音ではある。小学校時代からの知人に言わせれば、ただ単に幸運だったのであり、奇跡に近いらしいけれども、もうひとつ、捕まらない経験値を身に着けた点が大きい。僕の住む美瑛・旭川・富良野界隈で、どこで違反の検挙の密度が高いかは、少なくない違反金を納めるとともに、再発しないように情報収集に心がけた。加えて、先頭を走るときには、いつにも増して用心した。まぁその結果、晴れて金免許が手に入ったから、結果オーライなわけだけれども、ネズミ捕りをする現場で、多くのレンタカーや他府県ナンバーの車がお縄になっているのを見るにつけ、疑問を禁じ得ない。本当は事故が起きないように注意喚起することが目的のはずだが、いつしか違反金のノルマ(まことしやかにノルマがあるような指摘がされるよね?)達成が短絡的な目的にすり変わっていないことを祈りたい。何しろ楽しみにしてやってきた北の大地で、おまわりさんの「いらっしゃいませ」は勘弁願いたいものだよね。

 


最後になるけれども、運転免許証も数年後(遅くとも4~5年後)には、マイナンバー・カードに統合される可能性があるようだ。当面は保険証との統合からスタートするようだが、早晩運転免許証も加わるということらしい。

このことには、いろいろな(反対の)意見も出ているように認識しているが、個人的には大賛成だ。まずもって、1枚のカードを管理すればいいってところが大きい。ほかにもたくさんのカードを持ち歩かざるを得ない宿命にある私たちにとって(特に、昭和生まれのいいおじさん、おばさん)、地域電子通貨含めてマイナンバー・カード一括管理は、これ以上ないほどの親切なサービスになると思う。個人情報が漏れるとか、知られたくないとか、そんな意見が散見されるが、たぶん、おのおのの個人情報にはあまり価値はないと思われる。ビッグデータとしての総合的な情報はとても必要とされるものに違いないが、そこで気にしているおじいさん、あなたの情報は見えるけど使いませんって!

そんなことより、あれやこれやの脱税をとっ捕まえるためにも、官庁のお仕事のOA化による合理化推進のためにも、ぜひマイナンバー・カードの普及が進んだらいいのになぁと思う。ホンネでいえば、義務化だって異議なしです。

2022年5月29日日曜日

トップ・ガン マーヴェリックを見る。

 

トム・クルーズが主演するこのタイトル映画を、ロードショー初日の5月27日に見た。この映画は昨年(2021年)に公開予定だったが、件のコロナウィルス感染症防止の影響を受けて、1年先延ばしになっての公開となった。

 


諸紙に、あるいは数多のネット上の情報で十分知られている通り、この映画は1986年公開のトップ・ガンの続編になる。36年(当初の映画公開予定からすれば35年)のスパンで撮られた第二作としては、僕の知る限りもっともスパンの空いた続編映画ではないだろうか?

この長スパンの要因は、二つの時代背景的な要因が指摘されている。ひとつは映画の撮影スタイルのCG化が進み、本作のような最新の米軍戦闘機を扱うような映画の場合は、コストの面からも実写がされにくい傾向にあること。さらにもうひとつは、最新の戦闘機のパイロットという役柄を、かなりの部分を実際に演じることのできる俳優が、現実問題いないということのようだ。

けれども1986年に1作目のトップ・ガンでスターに這い上がったトム・クルーズはじめ、撮影スタッフも実写にこだわり、迫力や臨場感を追求した結果、この映画はCGなしのオール実写で撮られることになった。

映画の撮影経費を考えると、空恐ろしくなってしまうけれども、1作目のトップ・ガン公開後には米海軍の戦闘機乗りに大勢の応募があったようなので、広い視点で見れば、社会的には費用対効果はクリアできているのかもしれない。

 


映画の内容に話を移す前に、もう少し予備的なことにお付き合いいただきたい。まず1作目のトップ・ガンでは、戦闘機にF14(トムキャット)が使われた。今回はFA18(スーパーホーネット)が担っている。スペック的な詳細はネット上の情報にお任せするが、最新のアビオニクス(電子航空操縦装置、レーダー含む)に包まれたホーネットと、まだアナログのスイッチ類満載のトムキャットを比べると、外観こそどちらも双発の美しくさえ見える戦闘機ながら、そのポテンシャルの差はけた違いだろうと思われる(実際そうなのだが)。しかも、大変ありがたいことに、今や全機が退役した中で、映画のシーンにはF14がしっかり登場する。両機の飛行シーンを存分に満喫できる点も、間違いなくこの映画の魅力の一つだと思う。これらの複雑な操縦手腕が求められるタイプの違う戦闘機を曲がりなりにも扱いながら撮影をこなしたわけだから、トム・クルーズはじめ出演した俳優陣は、想像を絶する訓練を積んだに違いない。

操作もさることながら、スーパーホーネットは、8~9Gというものすごい重力場をものともせずに飛行する。その時の表情(顔のゆがみや、重力場に苦痛を訴えるさま)を実写することで、先に記した臨場感を最大限引き出した映画に仕上がっている。

映画の1シーンで俳優陣がビーチでフットボールに興じるシーンがあるのだが、みな鍛え上げられたボディで、実写が噂だけではないことが伝わってきた。

 

さて、あれやこれやと書きたいことがいっぱいで(これでも控えめにしたつもり!)なかなか映画の内容にたどり着けなかったが、いよいよそちらのことにも触れておこうと思う。

まず、いわゆる「いい映画だったかどうか」という点で、星5つ(満点)を迷うことなく差し上げたい。ストーリーは36年前の前作からつながる、少し複雑なものだ。ただ、前作で戦死した主人公の同僚の息子が、今度は現役のパイロットとしてトム・クルーズ(マーヴェリック役)の相棒を務めることになる点だけ押さえておけば、あとはすんなり展開についていくことができるはずだ。

前作で出演した時のトム・クルーズは、売り出し中の23歳。そしてロマンスのパートナーだったケリー・マクギルスは28歳だった。ケリー(チャーリー役)は、アメリカ人女優らしいゴージャスな雰囲気で、トム・クルーズとのキャストにはほれぼれしたものだ。36年後の今、ジェニファー・コネリーが新たな相手役を務めている。そして今回のこの二人が、またいい感じなのだ。50歳代という設定で、まだ枯れてはいないけれども、もちろん燃え盛るような恋人同士でもないふたりが、ゆっくりと心を許しあって行く。激しく愛し合うシーンは無い。慈しみあいながら昔話を語りながら寄り添う二人が素敵としか言いようがない。

もちろん一番の見どころの戦闘機の激しい攻防シーンなしにはこの映画は語れない。実写にこだわったトム・クルーズの意地が、全編にみなぎっている。まるで戦闘機のコックピットに閉じ込められたかのような臨場感がひしひしと伝わってくる。CGでも、もしかしたら近い映像は撮れたのかもしれないなぁと思わないでもないが、この映画は「実写です」という事前情報とともに見ているので、どうしても凄い!と感じてしまう・・・。

 

最後に、この映画は広義では戦争映画の範疇に入るかもしれない。少なくとも、戦闘シーンはけっこうある。戦争して勝利するということは、敗戦して命を失う相手がいる、ということでもある。だから、戦争映画のヒーローを、安易に崇める態度には疑問を抱いてしまう(特に近年の設定だと、一層)。トップ・ガンにおいても、生身の敵が大量の血を流しながら果てるようなシーンはないが、明らかに絶命するシーンはある。奇しくも2022年は、ロシアのウクライナ侵攻が始まった年。現実では性懲りもなく私たち人類は、殺戮を繰り返している。アメリカは、ベトナム戦争の昔から、いや、第一次大戦のはるか昔から、ずっと殺戮に手を染め続けてきた国だ。今やその恩恵にどっぷりつかりきった日本で、何が言えるとも思えないが、やり方はさておき、自由と民主主義を守り続けたアメリカの歴史は、真っ赤に血で染まっている。そしてそれは、アメリカなりの矜持があり、その正義はこの映画の中にも貫かれている。

2022年5月9日月曜日

宿屋を始める彼らへ

 4年ほど前、この美瑛に和食でおいしい料理を提供するお店が、千代田の丘のさらに奥のほうに新規オープンした。もともとカフェ系の多い美瑛・富良野にあって、和食のしかもなかなかに美味しくて価格もリーズナブルなお店は重宝したので、何度か通った。いつも温かく迎えてくださるご夫妻のもてなしも心地よかった・・・。

その彼らが、このコロナ禍の影響もあって飲食店では立ちいかず、閉店して宿泊施設に転換するという意思表示をお伺いしたのは2021年の秋も深まるころ。正直なところ飲食店の経営に関して詳しいとは言えない僕にとっては、比較検討の難しい判断に違いないのだけれども、”相談に乗ってほしい”と言われて、とりあえずお話だけ伺うことにした。なんでも、飲食店の客単価の低さをどうにもできないご様子で、場所も確かに辺鄙なところでもあり、レストラン経営には不向きと思われているようだった。立地だけで考えれば、確かに飲食より宿泊向きだと言えなくもないが、コロナ禍でどちらが強いかと言ったら似たり寄ったりじゃないかというのが私個人の印象だ。むしろ幾ばくかの補償体制が手厚い飲食のほうが、今のご時世いいんじゃないだろうかとさえ思えたのに加えて、宿泊業の初期投資の高さを思うと(増してやウッドショックで木材が暴騰してもいるし)、しばらく(2~3年くらいは)見送ったほうがいいんじゃないかとお伝えした。

時は流れて年が明けて間もない頃、やはり宿泊施設への転換を決断し、資金繰りと業者さんへの手配をおおむね完了したと言う。おっと、もうやっちゃったんかい?と少々慌てるも、他人様のことではあるし、余計な口出しが許される範囲は限られると口をつぐんだ。とは言うものの、気になることは山ほどあり、リニューアルのための工務店さんはどこにしたのだろう、お部屋のレイアウトはどうか、調度品は何をどうそろえるんだろうなどなど果て無く思い浮かぶことはあった。

さらに時は流れてこの5月の連休の最中に、出来上がったので見に来て欲しいと再々要請が入る。無下に断る理由もないので、GW明けの今日スタッフ一人も連れて、カミさんと3人でお邪魔した。工務店さんは旭川の芦野組さんとのことで、手堅いところに依頼したなぁと感心する(実際に客室の出来栄えは、素晴らしいと感じた)。がしかし、いざ宿泊施設で経営となると、けして熟練者とは言えない僕でも、先達として気になることがたくさん思いついてしまう。価格のこと、食事のこと、おもてなしのこと・・・。どうやら彼らがモデルにしている宿泊施設があって、そこに準じたスタイルで始めようとしていらっしゃるようなのだが、そう上手く運ぶといいのだが簡単ではないだろう。ダブルブッキングのことなどを気にしていらっしゃったけれども、オープンしたばかりの宿屋さんにとって、ダブルブッキングなんて嬉しい悩みで、まずは何よりも集客を優先させなければならない。少々告知が遅れたとのことだけれども、先々まで入っているご予約は、ごく僅か。しかもそのうち1件は、数日前にキャンセルされたと言う。

とにもかくにも、もう設備投資はしてしまったので、後戻りはできない。もし戻れたとしたら、せめてここだけはと言いたい点は数あれど、それはタラレバになっちゃうので言葉を飲み込んだ・・・。今彼らに一番足りないのは、”お客様目線”ではないかと思う。自分たちはこの価格でないと困る(あそこもこのくらいだし)。あるいはこういう使い方をしてほしい、等々すべては自分目線で始まってしまっている。そこに滞在するお客様の目線になって、もう一度再検討してもらえたらなぁと強く感じた。

かく言う僕自身も、コロナ禍で大苦戦していた経営状態から、少しでも早く脱出できるようにと設備投資を重ねてきた。一番力を入れたのは、せっかくある広い庭の使い勝手の工夫だ。見晴らしもいいので、お客様に朝食を召し上がってもらうのに、オープンテラスで、なんてどうだろうとパーゴラ建てたり、パラソル立てたりあれこれやってみた。さらにはラズベリーやサクランボの木を植えて、お客様自身がそれらを摘んで召し上がっていただこうとも画策中だ(実が採れるようになるには、3年くらいかかりそうだけど)。曲がりなりにも”お客様の気持ちになって”考えたつもりだ。このGW中にご利用いただいたお客さまからもご好評をいただいたので、これからご滞在くださる皆さまにも、ぜひお使いいただけたらと願っている。

それにしても、新しく宿泊業をはじめる彼らのことを思うにつけ、自分は運がいいなぁと感じないではいられない。それは、スタッフはじめ、的確なアドバイスや価値ある情報を提供してくれる取引先さんに恵まれていたことだ。たとえ僕が今よりはるかに優秀なオーナーだったとしても、一人で思いつくことやできることなんて限界がある。いろいろな人から多面的な話・情報を得ることができれば、判断はどんどん進化する。僕が今やっていることすべてが概ね正解とは言えないと思うけれども、それでもリピーターさんの多い宿屋のオーナーになることができたのは、偏に「人」に恵まれていたからんだと、今回改めて気づかされた。

さしておすそ分けは出来ないけれども、新たに宿屋業にシフトする彼らにも、どうか成功して欲しいと祈りつつ・・・。


2022年1月14日金曜日

忘れがたき人(故人)。

 ちょっと暗い書き出しになるが、年の瀬と言うことで少し前まで2021年に亡くなった人がニュースになっていた。中にはあまりよく知らない人もいるけれども、とてもよく知っている人もいる。神田沙也加さんの自殺は衝撃だったけれども、瀬戸内寂静さんは天寿を全うしたようにも思えた。 

極めて個人的になるが、僕にとって忘れられない故人のひとりはチャーリー・ワッツだ。この人の名を知る人は、それほどは多くないと思う。ブリティッシュ・ロック・バンドのローリング・ストーンズのドラマーだと言えば、あっと思い出す人はいるだろう。チャーリー・ワッツが忘れがたいのは、僕が高校生だった45年ほど前、結構熱烈なストーンズのファンだったからだ。

多くのストーンズファンと同様、まずミック・ジャガーのボーカルにしびれ、キース・リチャードのギター・ワークにほれ込んだ。すでにストーンズはロックの世界ではトップ・ランクに位置し、“メインストリートのならず者”、“山羊の頭のスープ(Goats head soup)”に続いて、高校1年生の僕が手にしたのは、ピカピカのニューアルバム“イッツ・オンリー・ロックン・ロール”だった。このアルバム(LPレコードですよ!)、何度聞いてもロックと言うよりはジャズっぽくもあり、艶っぽいバラードの曲が印象に残った。このアルバムで、チャーリー・ワッツのドラミングにハッとしたのは、今でも新鮮に覚えている。ロックと言えばパンチの利いたボーカルと、それをあおるかのような派手なギター・ソロがお決まりだと思い込んでいた僕にとって、チャーリーの叩くドラムは、不自然なほどに冷徹でそのくせ抜群にイカしていた。


ストーンズは、ドラッグあり素行不良も多々あり(麻薬関連で、日本に入国できなかった年が長きにわたって続いた)の札付きバンドでもあったが(それもバンドの個性で、ウリだったのだとも思う)、チャーリー・ワッツだけはいつだって短い髪で、スーツの似合う優等生然としたいでたちなのだ。派手なパフォーマンスでバンドをけん引するミック・ジャガーとキース・リチャードの反対側で、時計仕掛けのような正確なドラミングを黙々と続けるチャーリーに、僕はいつしか魅了されていた。

あれから時間はどんどん流れて、“アンダーカヴァー”までの9枚のアルバムを全部買い集め、その後も“ヴードゥー・ラウンジ“までのアルバムを時折購入した。結局僕がストーンズに熱を上げていたのは20年間ほどだが(1972年頃から1994年頃)、バンドとしては今年結成60周年だ。2021年にチャーリーが他界して、ホントの意味でのオリジナルメンバーは2人になってしまったけれども、60年間もロック界の先頭を走り続けるストーンズを、久しぶりに聞いてみようと思う。

もうひとり、2021年に亡くなった忘れがたい人は、フランク・ウィリアムズだ。こちらもすぐにピンとくる方はそんなにいないかもしれない。よく耳にする、イングランド系の名前だ(日本ならすずきたかしさんみたいな感じ?)。フランクは、F1に参戦する名門チームの1つ、ウィリアムズの創設者兼長年にわたってCEOだった人だ。環境問題が声高に語られる今日では、F1のようなガソリンを大量に消費するスポーツは、少しずつ居場所がなくなるかもしれないし、変化(特に回生エネルギーを利用して、ガソリンの使用量を抑えている点は、典型的な例)も進みつつある。

フランクに話を戻すと、F1参戦のチームはフェラーリなどのスポーツ・カー・メーカーが大資本と共に参戦するケースと(ワークス)、マクラーレンのようなプライベーターが参戦するケースがある。メーカーは当然のことながら「利害」に縛られるので、いくらスポーツ・カーを手掛けていると言ったって参戦に莫大な資金がかかるF1にはおいそれとは出て行けない。おまけに勝つ可能性が低いとなれば、メーカーは利害が一致しないので、かのポルシェと言えどもF1に参戦した経験はない(エンジンだけとかはあったけど)。一方のプライベーターは、個人が資金を集めて、エンジンとマシンを自作またはメーカーから買って使用するケース。フランク率いるフランク・ウィリアムズは、プライベーターのそしてF1参戦チームの名門で、年間チャンピオン7回、コンストラクターのチャンピオン9回、レースの優勝回数114回を記録している。


僕がウィリアムズをよく記憶しているのは、1984年に本田のターボエンジンを搭載し、1985年に加入したナイジェル・マンセルと1986年に加入したネルソン・ピケが火花を散らしてタイトルを争っていたのを興味深く見ていたからだ。この頃(1987年)日本人初のF1ドライバーとして、中嶋悟がロータスを駆ったのもF1過熱を刺激する出来事だった。結局この年はピケが年間チャンピオン獲得。その後にはエンジンをルノー製にチェンジして、マンセル⇒プロスト⇒デーモン・ヒル⇒ジャック・ヴィルヌーヴが年間チャンピオンを獲得。フェラーリやBMW、トヨタ、ホンダなどの大メーカーを相手に、果敢にタイトルに挑み続けたウィリアムズの黄金期は忘れられない。

 

どうやら僕は、大本命と言うよりは判官びいきってことなんだろう。ミック・ジャガーやキース・リチャードよりも、寡黙でプロに徹したチャーリー・ワッツが好きだし、フェラーリやメルセデスよりもウィリアムズを応援したくなってしまう。

もしかしたらそれは、僕が会社勤めを辞めて、個人経営の道に急き立てられた何かに結びついているのかもしれない・・・。まぁ至って個人的なお話ではあるんですけどね。

2022年1月10日月曜日

新年早々。

その1、吉田カバンに関する件。

吉田カバンの広告を、Facebookで見つけて、つい衝動買いしてしまった!今使っているショルダーバッグが、かなりくたびれてきたことは普段から気になっていたし、そこに直球勝負の吉田カバンの広告が目に入った。

吉田カバンと言えば、革製品の良質バッグ専門店としてファッションにからっきし疎い僕でも知っているブランドだ。その吉田カバンという名前に加えて、Facebookの広告では「創立記念でもう1つおまけで付けます」とある。価格も11,800円を8,800円にプライスダウンして!と、かなり太っ腹な記念商品だ。サイトは下記↓。

人気アイテム – POPTREND MALL (poptrendonline.com)

いつまでサイトがあるかわからないので、コピペもしておきます。

 


さっそく1つ目のカラーを選び、おまけで付けてくれるという2つ目のカラーも決めて、お買い物決定ボタンを押した。支払いは、宅配による代金引換のみとある。8,800円でバッグが2つ。まぁ2個目がどうしても欲しいわけじゃないけど、気分を替えて使ってみるのもいいやと思い、換算すれば1個4,400円のバッグ到着を楽しみに待つことにした。 

ところが、疑心暗鬼というほどでもなかったのだが、どうもしっくり来ないので、このかばんって、ちゃんとした正規品なんだろうかと調べてみることにした。購入したサイトのページ構成も、どうにも不完全で薄っぺらい。

でもって、websiteの会社概要ページの「商品について」、では、“当店の取扱商品は、すべて本物です”とある。こんなこと、会社概要のページに記載するだろうか・・・?これはいよいよ怪しいぞ、と思い、検索をかけたら出ること、出ること・・・。

要はこの商品は、まったくの詐欺商品であること。返品&返金の苦闘記↓。 
マキオカのネイチャーな日々


吉田カバン公式websiteの注意喚起の記事↓。
偽造品販売についてのお知らせ

果ては、吉田カバンは「安売りしない」というネット情報も多数。

 

幸い注文はしたけれども、受け取ってはいないし、代金の支払いもしていない。発送したらメールが来るとのことだが、それもまだだから今のうちにキャンセルだ、と詐欺サイトから手順に準じた方法で連絡すると、あっさりキャンセルが受理された・・・。吉田カバンのショルダーバッグが、1個の価格で2個買えるのはいい話だな、とセコい気持ちを見透かされてしまったけれども、同じ失敗をしないようにしよう。

それにしても、ネットに拡散されているのは多数の詐欺に注意するように、との喚起情報だ。きっとこの詐欺サイトでは、多くのキャンセル処理を日常業務としてやっているのだろう(奮戦記によれば片言の日本語で話す女性が出て・・・云々とあったが)。詐欺商品にしたって、吉田カバンの半額で、似たような(似ていないとも言われているけど)商品を供給するだけの力(製造、輸送、広告、受注、発送する力)はあるのだし、多くのクレーム対応やキャンセル処理にまみれるくらいなら、いっそオリジナル商品を堂々と売ったらいいと思うんだけどなぁ。吉田かばんのブランドは、かくもご利益があるってことなのか・・・?恐るべし、ブランド力よ!

 

その2、千代田ファームさんの件。

2021年12月、年の瀬も迫る27日に、いつも牛肉を購入している千代田ファームさんで急ぎの発注をしたお肉を1kg受け取りに行った。便利なBeコイン(美瑛町の地域通貨です)でお支払いして、レシートを受け取った。

いわゆる電子マネーでモノを購入すると、あるあるになりがちだが、買ったもの、買った数量、買った価格をしっかり確認しないでその場を去ってしまうことが多い。この日もちゃんと説明をしてもらったにもかかわらず、Beコインのカードとレシートをポケットに押し込んで帰ってきてしまった。

 

千代田ファームさんは、牛肉を専門で扱っている。部位が指定できるし、何より肉質がいいしその割には価格もリーズナブルで、ウチのような小さな取引先でも、1kg以上限定ながらちょっぴり価格を抑えた“業者価格”で取引いただけている。

家に帰ってポケットの中身を整理しつつ、ふとレシートを見ると、購入した金額がいつもより少し高いことに気が付いた。あれ?っと思ったけど、もともと抑え気味の価格もここのところのいろいろな値上げ攻勢に負けて、千代田さんも値上げかぁーと半分納得した。でも、半分は、千代田さん価格変更の時には丁寧に説明してくれるのになぁーと納得できなかったので、今度聞いてみることにしようと・・・。

そんな折、1週間ほどたった今日、千代田さんから電話連絡があって、レジを打ち間違えたと説明があった。やっぱりそうなんだぁーと納得するとともに、千代田ファームさんの誠実な対応が嬉しくなった。差額は次回購入時に相殺してくれるそうだ。さすが千代田ファームさん&戸塚店長さんだ!

 

詐欺のかばんを購入しそうになったけれども回避できたし、ちょっと値上げ幅大きかったなと思った牛肉も、杞憂に終わった。別に、めちゃめちゃ得したわけじゃなくて、損しなくて済んだだけなんだけど、新年早々案外気分はいいのだ♪