2022年1月14日金曜日

忘れがたき人(故人)。

 ちょっと暗い書き出しになるが、年の瀬と言うことで少し前まで2021年に亡くなった人がニュースになっていた。中にはあまりよく知らない人もいるけれども、とてもよく知っている人もいる。神田沙也加さんの自殺は衝撃だったけれども、瀬戸内寂静さんは天寿を全うしたようにも思えた。 

極めて個人的になるが、僕にとって忘れられない故人のひとりはチャーリー・ワッツだ。この人の名を知る人は、それほどは多くないと思う。ブリティッシュ・ロック・バンドのローリング・ストーンズのドラマーだと言えば、あっと思い出す人はいるだろう。チャーリー・ワッツが忘れがたいのは、僕が高校生だった45年ほど前、結構熱烈なストーンズのファンだったからだ。

多くのストーンズファンと同様、まずミック・ジャガーのボーカルにしびれ、キース・リチャードのギター・ワークにほれ込んだ。すでにストーンズはロックの世界ではトップ・ランクに位置し、“メインストリートのならず者”、“山羊の頭のスープ(Goats head soup)”に続いて、高校1年生の僕が手にしたのは、ピカピカのニューアルバム“イッツ・オンリー・ロックン・ロール”だった。このアルバム(LPレコードですよ!)、何度聞いてもロックと言うよりはジャズっぽくもあり、艶っぽいバラードの曲が印象に残った。このアルバムで、チャーリー・ワッツのドラミングにハッとしたのは、今でも新鮮に覚えている。ロックと言えばパンチの利いたボーカルと、それをあおるかのような派手なギター・ソロがお決まりだと思い込んでいた僕にとって、チャーリーの叩くドラムは、不自然なほどに冷徹でそのくせ抜群にイカしていた。


ストーンズは、ドラッグあり素行不良も多々あり(麻薬関連で、日本に入国できなかった年が長きにわたって続いた)の札付きバンドでもあったが(それもバンドの個性で、ウリだったのだとも思う)、チャーリー・ワッツだけはいつだって短い髪で、スーツの似合う優等生然としたいでたちなのだ。派手なパフォーマンスでバンドをけん引するミック・ジャガーとキース・リチャードの反対側で、時計仕掛けのような正確なドラミングを黙々と続けるチャーリーに、僕はいつしか魅了されていた。

あれから時間はどんどん流れて、“アンダーカヴァー”までの9枚のアルバムを全部買い集め、その後も“ヴードゥー・ラウンジ“までのアルバムを時折購入した。結局僕がストーンズに熱を上げていたのは20年間ほどだが(1972年頃から1994年頃)、バンドとしては今年結成60周年だ。2021年にチャーリーが他界して、ホントの意味でのオリジナルメンバーは2人になってしまったけれども、60年間もロック界の先頭を走り続けるストーンズを、久しぶりに聞いてみようと思う。

もうひとり、2021年に亡くなった忘れがたい人は、フランク・ウィリアムズだ。こちらもすぐにピンとくる方はそんなにいないかもしれない。よく耳にする、イングランド系の名前だ(日本ならすずきたかしさんみたいな感じ?)。フランクは、F1に参戦する名門チームの1つ、ウィリアムズの創設者兼長年にわたってCEOだった人だ。環境問題が声高に語られる今日では、F1のようなガソリンを大量に消費するスポーツは、少しずつ居場所がなくなるかもしれないし、変化(特に回生エネルギーを利用して、ガソリンの使用量を抑えている点は、典型的な例)も進みつつある。

フランクに話を戻すと、F1参戦のチームはフェラーリなどのスポーツ・カー・メーカーが大資本と共に参戦するケースと(ワークス)、マクラーレンのようなプライベーターが参戦するケースがある。メーカーは当然のことながら「利害」に縛られるので、いくらスポーツ・カーを手掛けていると言ったって参戦に莫大な資金がかかるF1にはおいそれとは出て行けない。おまけに勝つ可能性が低いとなれば、メーカーは利害が一致しないので、かのポルシェと言えどもF1に参戦した経験はない(エンジンだけとかはあったけど)。一方のプライベーターは、個人が資金を集めて、エンジンとマシンを自作またはメーカーから買って使用するケース。フランク率いるフランク・ウィリアムズは、プライベーターのそしてF1参戦チームの名門で、年間チャンピオン7回、コンストラクターのチャンピオン9回、レースの優勝回数114回を記録している。


僕がウィリアムズをよく記憶しているのは、1984年に本田のターボエンジンを搭載し、1985年に加入したナイジェル・マンセルと1986年に加入したネルソン・ピケが火花を散らしてタイトルを争っていたのを興味深く見ていたからだ。この頃(1987年)日本人初のF1ドライバーとして、中嶋悟がロータスを駆ったのもF1過熱を刺激する出来事だった。結局この年はピケが年間チャンピオン獲得。その後にはエンジンをルノー製にチェンジして、マンセル⇒プロスト⇒デーモン・ヒル⇒ジャック・ヴィルヌーヴが年間チャンピオンを獲得。フェラーリやBMW、トヨタ、ホンダなどの大メーカーを相手に、果敢にタイトルに挑み続けたウィリアムズの黄金期は忘れられない。

 

どうやら僕は、大本命と言うよりは判官びいきってことなんだろう。ミック・ジャガーやキース・リチャードよりも、寡黙でプロに徹したチャーリー・ワッツが好きだし、フェラーリやメルセデスよりもウィリアムズを応援したくなってしまう。

もしかしたらそれは、僕が会社勤めを辞めて、個人経営の道に急き立てられた何かに結びついているのかもしれない・・・。まぁ至って個人的なお話ではあるんですけどね。

2022年1月10日月曜日

新年早々。

その1、吉田カバンに関する件。

吉田カバンの広告を、Facebookで見つけて、つい衝動買いしてしまった!今使っているショルダーバッグが、かなりくたびれてきたことは普段から気になっていたし、そこに直球勝負の吉田カバンの広告が目に入った。

吉田カバンと言えば、革製品の良質バッグ専門店としてファッションにからっきし疎い僕でも知っているブランドだ。その吉田カバンという名前に加えて、Facebookの広告では「創立記念でもう1つおまけで付けます」とある。価格も11,800円を8,800円にプライスダウンして!と、かなり太っ腹な記念商品だ。サイトは下記↓。

人気アイテム – POPTREND MALL (poptrendonline.com)

いつまでサイトがあるかわからないので、コピペもしておきます。

 


さっそく1つ目のカラーを選び、おまけで付けてくれるという2つ目のカラーも決めて、お買い物決定ボタンを押した。支払いは、宅配による代金引換のみとある。8,800円でバッグが2つ。まぁ2個目がどうしても欲しいわけじゃないけど、気分を替えて使ってみるのもいいやと思い、換算すれば1個4,400円のバッグ到着を楽しみに待つことにした。 

ところが、疑心暗鬼というほどでもなかったのだが、どうもしっくり来ないので、このかばんって、ちゃんとした正規品なんだろうかと調べてみることにした。購入したサイトのページ構成も、どうにも不完全で薄っぺらい。

でもって、websiteの会社概要ページの「商品について」、では、“当店の取扱商品は、すべて本物です”とある。こんなこと、会社概要のページに記載するだろうか・・・?これはいよいよ怪しいぞ、と思い、検索をかけたら出ること、出ること・・・。

要はこの商品は、まったくの詐欺商品であること。返品&返金の苦闘記↓。 
マキオカのネイチャーな日々


吉田カバン公式websiteの注意喚起の記事↓。
偽造品販売についてのお知らせ

果ては、吉田カバンは「安売りしない」というネット情報も多数。

 

幸い注文はしたけれども、受け取ってはいないし、代金の支払いもしていない。発送したらメールが来るとのことだが、それもまだだから今のうちにキャンセルだ、と詐欺サイトから手順に準じた方法で連絡すると、あっさりキャンセルが受理された・・・。吉田カバンのショルダーバッグが、1個の価格で2個買えるのはいい話だな、とセコい気持ちを見透かされてしまったけれども、同じ失敗をしないようにしよう。

それにしても、ネットに拡散されているのは多数の詐欺に注意するように、との喚起情報だ。きっとこの詐欺サイトでは、多くのキャンセル処理を日常業務としてやっているのだろう(奮戦記によれば片言の日本語で話す女性が出て・・・云々とあったが)。詐欺商品にしたって、吉田カバンの半額で、似たような(似ていないとも言われているけど)商品を供給するだけの力(製造、輸送、広告、受注、発送する力)はあるのだし、多くのクレーム対応やキャンセル処理にまみれるくらいなら、いっそオリジナル商品を堂々と売ったらいいと思うんだけどなぁ。吉田かばんのブランドは、かくもご利益があるってことなのか・・・?恐るべし、ブランド力よ!

 

その2、千代田ファームさんの件。

2021年12月、年の瀬も迫る27日に、いつも牛肉を購入している千代田ファームさんで急ぎの発注をしたお肉を1kg受け取りに行った。便利なBeコイン(美瑛町の地域通貨です)でお支払いして、レシートを受け取った。

いわゆる電子マネーでモノを購入すると、あるあるになりがちだが、買ったもの、買った数量、買った価格をしっかり確認しないでその場を去ってしまうことが多い。この日もちゃんと説明をしてもらったにもかかわらず、Beコインのカードとレシートをポケットに押し込んで帰ってきてしまった。

 

千代田ファームさんは、牛肉を専門で扱っている。部位が指定できるし、何より肉質がいいしその割には価格もリーズナブルで、ウチのような小さな取引先でも、1kg以上限定ながらちょっぴり価格を抑えた“業者価格”で取引いただけている。

家に帰ってポケットの中身を整理しつつ、ふとレシートを見ると、購入した金額がいつもより少し高いことに気が付いた。あれ?っと思ったけど、もともと抑え気味の価格もここのところのいろいろな値上げ攻勢に負けて、千代田さんも値上げかぁーと半分納得した。でも、半分は、千代田さん価格変更の時には丁寧に説明してくれるのになぁーと納得できなかったので、今度聞いてみることにしようと・・・。

そんな折、1週間ほどたった今日、千代田さんから電話連絡があって、レジを打ち間違えたと説明があった。やっぱりそうなんだぁーと納得するとともに、千代田ファームさんの誠実な対応が嬉しくなった。差額は次回購入時に相殺してくれるそうだ。さすが千代田ファームさん&戸塚店長さんだ!

 

詐欺のかばんを購入しそうになったけれども回避できたし、ちょっと値上げ幅大きかったなと思った牛肉も、杞憂に終わった。別に、めちゃめちゃ得したわけじゃなくて、損しなくて済んだだけなんだけど、新年早々案外気分はいいのだ♪