2016年10月2日日曜日

慌ただしく過ぎた夏と、美しい秋に。

前回記事を書いたのが5月だったので、もう丸5か月間更新しませんでした。大変申し訳ない・・・。

この間、父が逝去し、新スタッフがやって来て、また当館「四季」に繁忙期がやって来て、なんと史上初の台風3連発プラス1がありました。5か月間・・・、あっという間に、もちろん当館のwebsiteを更新できないままに、時だけが過ぎて行きました。

父の葬儀に際しては多くの方のお世話になり、また今さら気づかされることも多々あり、故郷を去ってこの北の大地に飛び出してきた自分自身の人生をもう一度振り返る機会になりました。

そんなこんなで気がつけば10月です。早い。いつしか半袖を着るのは厳しくなって、長袖へチェンジ。朝・夕の冷え込みが、気持ちいいと肌寒いの中間くらい。
でもって、秋の丘は美しさをぶちまけたかのように、とにかく綺麗。たぶん繁忙期であんまり丘に景色を眺めに行く機会もなかったからって言うのもあると思う。それでもこの時期の丘は、見惚れる。
もうすぐカラマツが黄色く色づいてきます。そして黄金色から淡いきつね色へ。

また写真をアップしながら、あれこれ思うことについて少しずつ書き記して行きます。

2016年5月1日日曜日

ホームページ(WEBページ)を全面更新しようかなと・・・。

当館“美瑛の小さな宿_「四季」”のサイトを、全面的に刷新しようと思っています。さて、どうしたものか・・・。現ページは当館にとって2代目、2010年にリリースした代物です。まもなく丸5歳、6年目になりますので、けっこう引っ張りましたよね(って、他人事みたいですが、更新をサボりました)。

2010年に現サイトに更新して1年か2年過ぎた頃から、SEO専門業者さまからの営業電話が多く入るようになりました。検索上位に入れますので、ぜひ、と。
聞けばリンクを張る、というのを売り物にしているようで、50リンクでいくらとか検索2ページ目までに出そうとするなら100リンクは必要とか・・・。私からは、検索上位にならなくていいんです、とお応えするも「どうしてですか?見てもらうためのホームページでしょ?あんたおかしいよ。間違ってますよ」とまで言われました。
みなさん自分の知りたい情報をネットで見つける際に、キーワードで検索するのは日常的なことでしょう。でも、すごく広範な語彙で検索することってどのくらいあるのでしょう・・・?当館は小さな宿屋ですから、「宿」とか「宿泊」とかとプラスして地名の「美瑛」で検索されるんですかね?そういう時にSEO対策をして検索上位に来ることは絶対必要とSEO業者さんは力説されます。でも・・・?と、自分は考えてしまう。たぶんそんな広範なキーワードで検索して引っかかった結果だけを中心に考えたりしないなぁと。

そうこうしているうちに2013年9月頃にGoogleが検索のアルゴリズムを全面刷新する、とアナウンスしました。無意味なリンクは検索結果に反映させない(どころかマイナスイメージにさえなる)と言い出した。件のSEO業者さん、はとが豆喰らった状態だったような気もしますが、新しいビジネス・チャンスだと思ったかもしれませんね。
Googleとしてはネット空間を無意味なリンクでごちゃごちゃ張り巡らされても困る、と判断したのかもしれません(実際そうだしね)。で、コンテンツを大事にするんだそうです。サイトのヘッド部分に、いわゆる検索されやすいキーワードを記しておく等の小技も、次第に効かなくなった。
そもそも検索上位に興味のない当館は、Googleのアルゴリズムがどうなろうがお構いなしなのではありますが、コンテンツ重視という点は大いに歓迎したい。コンテンツ重視ってどういうことなの?とここでまた思考停止になりそうですが、わかりやすくは「豊富な情報、役立つ内容を優先する」らしい。ますますもって、いいことではありませんか!Googleを検索エンジンとして利用するユーザーとして、こんな刷新ならじゃんじゃんやっていただきたい、と願うばかりです。
ちなみに当館のサイトも、検索結果から遥か5~8ページ目あたりをうろついていたのに、2013年後半からは2ページとか3ページ目までには出てくるようになった。ホントだ、アルゴリズムは間違いなく変わっているんだね。

ところで私自身が旅に出かける場合、例えば京都に行く場合に「京都」・「宿」なんて言う大雑把なキーワードで検索して宿泊先を決める・・・なんて勇気はありません。もうちょっと「北白川」とかの細かい地名を入れたり、口コミサイトのコメントをいくつか見てみたり、さらには「静かな」とか「リーズナブル」とか「お料理自慢」とかも条件に入れるかもしれません。
そして最後にはいくつかの固有名詞を探し出して、実際にその宿のホームページに行きつくような気がします。ですからSEOで上位に来る宿とか、全然関係ない(SEO業者さん、ごめんなさい)。

その次に考えてしまうのは、現実の宿とホームページで公開されている内容とのギャップです。いわゆるプロっぽい(でもややドライで隙のない味気もない)ページだったら、外注さんへ仕事を(例えばお掃除とか料理の一部とか)出す宿かなぁとか。いまだにフレーム出てくるとちょっと時代に取り残されても気にしない宿かなぁとか。それは事実と異なる場合も多いとは思うけど、今やホームページはもうひとつの商店の入り口ですからねぇ。いちおう手作りで、丁寧に作ってあって、欲しい情報が探せばあって、写真もまぁまぁ綺麗なものがつかわれていてってな感じのページがいいんですよね。

これっていわゆるコンテンツ重視じゃないですか。つまりGoogleの検索条件と一緒ですよ。そうかぁ、やっぱりコンテンツが大切だよなぁとまた振り出しに戻って(あ、検索は関係ないんですけどね)、さて当館のブランニューのサイト。まだ端緒に着いたところです。たぶん、完成は1か月ちょっと先・・・。その先になったらもう、やっている時間が無くなっちゃいますからね。

2016年4月16日土曜日

9年前の自分へ(2)。

間もなく10年目に突入する節目(?)タイミングも手伝って、このシリーズの覚えをもう少し書いておこうと思う。前回同様自分の記憶を、それもまさに記憶だけが頼りの文面なので、何かの役に立つモノになるとは到底思えない(ので期待はさいませんようにって、誰もしてないか)。

「会社」組織の真っ只中で25年も揉まれていると、いつしか会社人生必需品が身の周りにたくさん溢れてしまう。手帳書類もそうだが、スーツとか制服(作業着ですね)とか、ビジネス用の靴とか・・・。ネクタイもたくさんありました。
幸い作業着とネクタイはもらってくださる同僚や後輩がいたので、比較的新しいものは譲ることに。さすがに靴やスーツはそうは行かなかった。ちなみに工場勤務だったので、原則作業着で出勤していた(辞める10年くらい前からスーツで、とお達しが来たが、作業着通勤は便利で止められませんでした)。なので比較的スーツ類は少なかったと思う。

それで、まぁ当然と言えば当然だが、会社を辞めた9年前の4月から、スーツとか作業着とかが必要ない暮らしが始まった。でも、それまで苦労してスーツや革靴を手に入れていたので、すごく不思議な気分・・・。ここ一番(どんな一番だ?)見た目くらいは人並みのビジネスマンになって出張しなくちゃいけない場面を想定して、恭しく(なんて笑っちゃうけど)仕舞ってあったものが、この日を境に「不用品」に転じた。
これこそ「頭じゃわかっていても、体が・・・」の典型で、そう簡単には処分する(つまり捨てる)ことなんて出来ない。あれから1年、また1年とたつたびに、もうさすがに着ないなぁと思いながら、もったいぶって2年に1着ずつ程度手放して行ったけれども、9年たってもまだ1着残っている。それは辞める前年に、初めてオーダーで作ったスーツだ。これと言って変哲もない紺のスーツだけど、生地も裏地も最高に気に入っていた。しかも「これなのか!」と思ったのは、やはりオーダー物は着心地が全然違和感なくて良かったと言うこと。確か百貨店の特別なセールで、吊るしとあんまり変わらないくらいの価格で、気に入った生地を選べるオーダーが出来たと思う。たぶん辞めてから1度だけ着る機会があったのだけれども、9年で1度だから紛れもないゴミだ。ほかにもネクタイもたくさん残った。ネクタイは気に入ったものを着ける傾向になっちゃうので、傷みの激しいものと、新品のようなものとに大別される。見た目の好き嫌いだけじゃなくて、結びやすさとかも大事なポイントだ。小柄な僕は、小さくきゅっと結べて、緩くなりにくい生地のネクタイが好きだったな。

靴もネクタイもスーツも、思い切って捨てるように努力した。また会社勤めしようとは微塵も思わなかったけれども(25年勤めた会社は好きな会社だったので、会社勤めするなら辞めること無かったしね)、惰性で捨てられない自分がいたのは間違いない。自分には困った時に相談できるトップも、力になってくれる同僚も、機転の利く部下ももういないのだ。作業着を着て、進捗状況を見に行く現場もない。そういう現実を早く身に付けようと思って、がんばって捨てたのだと思う。

この頃、もしも自分が定年まで勤めていたらどうだっただろうと思うことがある。ちょうどそんな年齢に差し掛かった。きっとネクタイもスーツも靴も作業着も、後生大事に仕舞いこんでおくような気がする・・・。それらのものと共に、自分の人生(の多く)が、停まってしまったかのように。そしてそのことに対して、自ら望んで思考も停止してしまうのかもしれない。
それはきっと、ある程度充足した毎日と言えなくもない。勤め切った、という達成感と共にあるのは間違いないだろうし、もうそれほどの時間もエネルギーもかけられる会社人生を送ることは(まぁ物理的に)さすがにできない。言ってみれば、ハイライト部分は通過した後になってしまったというわけだ。

ところが現実には僕はそういう人生を選択しなかった。どうしてだろう・・・と、不思議に思うけれども、とにかく僕は飛びだしてしまった。その結果、「ある程度充足した」気分でそれまでのビジネスマン人生を振り返る日々は手に入らなくなった。後悔・・・?しているのかもしれないけど、してないような気がする。正直なところ、人生はひとつしかないので比べようがない。で、振り返る日々を手放した代償に、明日を憂う(明日に夢をつなげる、と書くべきですね)日々を手に入れた。会社の制約を受けることはないけれども、何一つ会社が保証してくれることもない毎日は、自由でとっても不安だらけだ。
不安も9年たてば「日常」になるわけだけれども、ちっとも日常っぽく安定しない。自ら危険を冒す(ちょっと無理なことやってみる)ような毎日が続く。

とまぁ、思うがままに書いてみたけれども、もし勤めている会社を辞して何かを始めようと思っている方に、辞める雰囲気を感じていただけたでしょうか・・・?会社組織にいれば、リスクを取るのは難しいですよね。どうしたって、経験値が増えるほどに、安全地帯を求めてしまう。ところが個人になれば、ある程度リスクを取らないと、絶対にリターンへと繋げられないことを思い知る・・・。
実は少し逆で、会社に居ればリスク取ったって、会社がリスクを受けとめてくれる可能性が高いが、個人だと場合によってはリスク倒れしてしまうかもしれない。だから会社にいた方がリスクは取りやすいはずなんだけど、そうはしないですよね・・・。

とまぁそんなことも辞めてみて初めて気が付くわけで、辞めるということは、すごく決断力が必要ではあるけれども、発見と気づきの連続が待ってます。

2016年4月8日金曜日

9年前の自分へ。

2016年4月19日で、美瑛にやって来てからまる9年。ってことは10年目突入となります。なんと、は、早い。あっという間の9年とは、まさにこのことです。
で、いつになく、少々真面目なことを書き残しておこうと筆をとった(ってわけないですよね、キーボードに向かった)わけです。谷あり崖ありの9年だったと言えばそれまでなんですが、それでもまだやっている、続いている・・・。見方によっては(かなり無理した見方をしないといけないけど)、成功と言えなくもない・・・かもしれない。それで自分に対して、それから私のような人生の「チェンジ・ライフ」を考える人にとって、僅かでも役立つ(のは無理にしても、決断するための参考になるような)ことを書こうと思います。

【何が準備不足なのか、整理して把握しておこう】
9年前に戻って、自分に会ったら「どうしようもなく準備不足だぞ」と言わずにはおれません。ま、その感覚は、少なからずあった・・・。仮に9年前の自分にそう告げたとしても、さして変り映えのする準備には至らなかったと思う。会社に在籍時は、会社100%と決めていたので(自分に対する綺麗ごとみたいなものでした)、有給休暇も取らなかった。結局自分に何が一番不足していたのかは、開業して間もなく思い知ることになる。
自分の場合は、集客のための準備がまるで出来ていなかった。こと集客について言えば、今だって相変わらずの準備不足には違いない。それでも9年前の状態を思うと、正直背筋が寒くなる。

いろいろな準備へのエネルギーのかけ方は、限りがある中で優先順位をどうするか、よくよく考えないといけない。どんな仕事を始めるにしても、始める前からそんなことがわかるかい?と言うのがホントのところだろう。でも、集客(お仕事の確保)は、いくら準備したって足りている、ということはない。
会社に勤めていれば、自分はごく限られたポジションの中で勝負しているが、それ以外は他部署が担ってくれている。でも、開業したら自分が全部目配せしておかないといけない。中でも毎月決まって徴収されるランニング・コストをどうバランスさせるかについては真剣に詰めておかないとまずい。開業に際して、1・2か月は持ちこたえられるよう準備はするだろう。でも3か月目にはバランスさせるだけの「お仕事」が埋まりそうか・・・?もし怪しければ、最優先でここを何とかしなくちゃいけない。会社勤めのありがたさ、毎月決まった日に振り込まれる給与を「なんと有難い事だったんだ」と気づくのは、会社勤めを辞めてみないとわからない。


ちなみに北海道で宿泊業とか飲食業のようなサービス系で行くなら、冬の集客には要注意だ。夏は大きなパイを前に、駆け出しにだっておこぼれはある。これが秋風が吹く頃には、実力も経験も豊富な先輩たちが、それでもやっとの思いで少ないお客様をかき集めて行く。新参者におこぼれなんてない。「冬の営業どうするか、しっかり考えろー!」と9年前の自分に怒鳴りたい!!!

【経営者は、呆れるほどにカラダが資本】
替えがない。自分のような家族経営の業態でスタートしたら、もう家族には、何が何でも来る日も来る日も健康で馬車馬みたいに頑張ってもらうしかない。自分もしかり。有給休暇なんて夢のまた夢になっちゃう。
B to Bであればまだ話は別だけれども、そんな起業あるいは開業に至る向きにはそもそもこのブログ記事は無用だと思う。あくまで個人が個人にサービスを提供する場合、もう目の前に顧客がいる。多少の不手際は、場合によっては現場力(という危機回避能力、と言えば聞こえはいいが、ある面謝罪力だったりもする)で繋げることはできるが、今日はしんどいから1日、いや半日お休みしよう・・・ということにはならない。
私の場合は宿泊業なので、お客様は当日のためにスケジュールをやりくりし、北海道の少々不便な地に訪れるために、フライトチケットやレンタカーの手配まで準備万端でいらっしゃる。熟慮の末(?)当館にご予約下さったお客様がいらっしゃる当日に「あー、今日は無理。休もう」なんて、どう逆立ちしたってできっこない。

そうは言っても止むに止まれぬ事だって起きてしまう。最悪は同等以上の同業者にお願いする(差額はこちらで持つ)とか方法を考えるケースだってあるとは思うけれども、お客様に与えるダメージ(ひいては自身へのダメージになるわけですが)は、計り知れない。

幸運にも・・・、ホントに運だけだったとしか言いようがないけれども、カミさんともどもどうにか健康で、緊急の非常事態に陥ったことはない(薄氷を踏むようなことはありましたが)。このことはもう少し運に頼ることなく、健康で居続けるような習慣を身に付けないといけない。で、9年前に戻ったら「何でもいいから体を動かして規則正しく暮らしなさいな」くらいは自分に伝えたい。
さらには、早々に事業を軌道に乗せて、繁忙期にも最低限の休日を設定できたら言うことはないのだが・・・、それがそう簡単には行かないから体が資本なんです。

【なりふり構わず、当面は仲間を増やそう】
あの人はちょっと苦手だな、とかなんとなく気が合わないな、とか上手くやってるよなーとか、他人への感情は根拠もなく次々にわいてくる。増してやご近所の同業者様となれば、後発でライバル(には最初はなり得ないのですが)でもあるゆえに、お付き合いさせていただくには敷居が高い。もし上から目線でご指導でも受けようものなら、それでなくても不安でいっぱいなのに、泣き出してしまっても不思議はない・・・。
のではありますが、開業を前にこちらには経験値と言うものがない。どんなトラブルが待っているか、ほぼわかっていないわけだし、わかっていそうなことに対しても的確な対応が出来るだけの知識も技術もない。こんな時、ご近所の先輩ほど頼りになる存在は無い。気が合わない・・・なんて言ってる場合じゃない。白を黒と言ってでも(は、ちと言い過ぎかな)お付き合いさせていただいて、ピンチの時に相談に乗ってもらえるくらいの間柄にはなっておくべきだろう。私の失敗からは
・アレルギーへの対応。
・ダブルブッキングでお客様を受けてしまった。
・お客様に、けがや病気が・・・。
などなど、書き出せばきりなく出てくる。仮にこちらに落ち度がなくたって、お客様がお持ちいただくべきものをうっかり忘れて来る場合だっていくらでもある。今となっては微笑ましい想い出だけれども、現金(日本円)のみ、の当方に対して、カードと香港ドルしか持っていらっしゃらないお客様もいましたねー。
とにかく知らないことを始めてみれば、思いもよらない出来事はいくらでも重なる。そんな時、誰かに(それが複数あった方がいいのは言うまでもない)相談できる、というポジションは是が非でも確立しておきたい。仮に自分でどうにか収拾できたとしても、万一の時には相談できる立場にある、という気持ちは、絶対に持っているべきだ。9年前にここ美瑛にやって来た自分へ向けて伝えるとしたら「ごちゃごちゃ言わずに、さっさと挨拶に行って来い」かな。

【愚直な生真面目さは、報われるケースが多い】
自分自身はほとんどできていないことを書くのもおこがましいけれども、良かれと思って手間ひま惜しまずやったことは、思いのほかお客様には届いている(気づいていただいている)ケースが多い。それは案外ウケを狙ってやったことではなくて、自分のこだわりだったり、面倒だけどやらないと気が済まない何かだったりする。例えば清潔感あるたたずまい、みたいなものはある面限りがないし、手をかければ果てしない。でも、これだけは絶対やっておこう、と言ういくつかの積み重ねは、間違いなくお客様の好感度へとつながって行く。
ネット社会と言われて久しいし、お客様総てが評論家時代の今日、お客様がネットで発信するあれこれは、都合が悪いことだって食い止めようがない。むしろ逆に少しでもいいところを感じていただいて、「いい旅、いい想い出」づくりに少しでもお力になる・・・そんな姿勢でいいんだと思う。

会社にいる時、お客様がPR役を担ってくれるとは何度も聞いたセリフだが、身をもって知ることになるのは遥かに今の方が臨場感がある。「また来ました」はやっぱり嬉しいし「あの人に薦められてきました」もありがたい。誰それのブログで見て、友人のFacebookで知って、どこそこの口コミ読んで・・・。カタチは違うけれども、それは皆広告費を伴わないネット情報ばかりだ。広告費がくっついてないから、書き手は思いのたけを語る。つまりそれは信用に足る情報となって、ネットの中を駆け回る。もちろん悪い情報だって駆け回る。あそこはやめた方がいいよ、ひどいよ・・・。
いいにしろ悪いにしろ、お客様の発信する情報で、提供するサービスは丸裸にされてしまう。裸にされた時、ヤバいなんてことになるんじゃなくて、「良かった」、「また行きたい」が並ぶようなことに、きっと生真面目なこだわりは繋がって行く。

なので最後に9年前の自分へ、そしてこれから新しい「開業」という扉を開けようとしている方へ贈る言葉は「真面目にやりなさい」です。

なんだかかなり自信満々で上から目線で書いてしまったけれども(何しろ9年前の自分が読者と想定したので)、今だって足元がおぼつかないのは変わりない。また、お力があるのにも関わらず廃業された同業者さんを知る身として、まさに運だけはあったんだな、と思うこの頃だ。
もしその運を活かすことが出来た何かがあったとしたら、いろいろなことへの感謝の気持ちが芽生えたからだと思う。来てくださるお客様、一緒に労苦を惜しまず働いてくれるスタッフ、この広大な大地を相手に早朝から夜まで働いて美味しい野菜を供給下さる農家、途中下車した自分を心配して、9年たった今でもお付き合いのあるもと勤めていた会社の方々、そしてご近所さんや同業者さん、仕入先さん・・・。どうぞこれからも、変らずによろしくお付き合いください。

長文・駄文失礼いたしました!

2016年3月25日金曜日

老舗のカフェ、に妙に愛着を感じてしまうのはどうしてでしょう・・・?


先月札幌に出かけた際に立ち寄った「ロックフォール」というカフェ、実に居心地のいい空間に、ついついコーヒーとケーキで長居してしまいたくなりました。今月念願かなって(?)お邪魔した旭川の「チロル」もしかり。なんて言ったらいいのでしょうか「まだ帰りたくないなぁー」と知らず知らずのうちに思えてしまう魅力があるのでした。
さて、現在カフェと言うと非常に人気があるのが「スターバックス」。このアメリカ発のコーヒーチェーン店は侮りがたくて、会社方針もしっかりしている。それは「第三の場所」なんだそうな。自宅でも、会社でもない、もうひとつの居場所。これって私が好きな、老舗カフェそのものじゃないですか!スターバックス、実はあんまり行ったことが無いのですが、旭川医大の附属病院に入院中(もう6年前、1週間ちょっとのことでした)の退院が近づく3日ほどは、日に2回も行ってました(暇でしたしね)。スターバックス、何というのかいわゆるコーヒーチェーン店とは少々違っていて、全然安くない(ドトールとか、安いですよね。ファスト・フード系でなんかも)。でも、スターバックスは、行こうかなと思わせる何かを持っている(それが会社方針の「第三の場所」なんでしょうね)。すごいな。

さて、私がこよなく愛する老舗カフェはというと、スターバックスに劣らぬ居心地の良さがあって、コーヒーもいいお値段だったりします。が、お客さんは少ない。この差はなんなのでしょう・・・?さらに書きますと、こよなく愛しているわけですので、ぜひ老舗カフェには未来永劫(ってちょっと大げさですが)営業継続していただきたい。でも、スターバックスがお客様をどんどん吸収してしまう(ように見える)ので、外野ながらちょっと気になるわけです。
ざっくり思うに、女性客の存在は否定できないなと、はたと思い当たります。スターバックスは女性客多いですし、女性が入りやすい雰囲気作りできている(私見ですけど)。一方私の贔屓の老舗カフェは、おっさん(失敬!)中心の対応か?となると一面女性対おっさんの構図にも見えるので、スターバックスの圧勝も納得です。さて、老舗カフェは女性が行かれても全然問題ないし、たぶん居心地がいいと思いますし、美味しいコーヒーはスタバに劣りませんし、ケーキだってすごくレベル高い(少なくともロックフォールもチロルも)。のに、なぜおっさんぽいのでしょうか?まずお店が暗い感じ。華やか、とまでは行かなくても、白い珪藻土で明るめの「木」を多用したカフェだと随分イメージは違ってきます。あとは取り揃えてある雑誌(これ、たくさんある必要はないと思うんですよね)とか、壁に飾られている絵や写真とか、店内にあるグリーンやお花などにも違いはあるかもしれません。

「チロル」は、数年前に創業者系のオーナーから、現在のオーナーへと替わられたそうですが、在りし日の(ってまだしっかり在りますけど)チロルの雰囲気を大切に、がモットーとのこと。つまり大きくお店の雰囲気を変えたりはしませんよ、というメッセージが込められています。このカフェは、この地で著名な作家、三浦綾子が何度も通ったカフェで、ここで執筆もされたとか、されないとか(あやふやで済みません)。まだカフェなるものがそんなになかった頃(チロルは旭川にできた最初の喫茶店)、選択肢もないわけで三浦綾子もコーヒー片手にチロルで作品の構想を巡らしていたのかもしれません。

1939年創業のチロル。現オーナーは、そんなお店の雰囲気をいつまでも大切に、という心意気。でも、女性の方にも行ってもらえたらいいのになぁ。チロルは先ほども書きましたが、コーヒー好きの私にとってすごく美味しいコーヒーが飲めること、いつまでも居たい雰囲気、ケーキも美味、でもってフロア面積に比して少ない客席数で、ゆったりしている・・・などなどオススメ個所満載。おっさんに占拠させておくには惜しいカフェ(もちろん女性客もいましたけど)です。

2016年2月12日金曜日

会社って(職場って)、やっぱり従業員のモノなのだ!

NHKの「プロフェッショナル」という番組が好きです。毎回なんていうのか仕事バカみたいな人が出てくる。超一流の技術者、医師、スポーツ選手、料理人などなど、その道を極めた人たちの素顔に触れることができる。ある面すがすがしいほどに、愚直に几帳面に、そしてクソ真面目にその「道」に突き進む人を身近に感じることができます。

もうひとつ好きな番組が、テレビ東京の「カンブリア宮殿」。こちらは基本的に経営者が登場します。大企業のトップも取り上げられるけれども、知る人ぞ知る地方の優良企業の社長が紹介されると、目からうろこではないけれどもすごく感激してしまうことが多い。
先週が千葉県のパンのチェーン店「ピーターパン」で、今週(昨日)は静岡県の和洋菓子店「たこ満」だった。聞いたこともない会社だし、実はたいして期待もしないで見始めるのだけれども、番組の冒頭からぐいぐいと惹き込まれてしまう。パンとかお菓子は、ある面どこにでもある食べ物で、そこに個性や特別な価値を盛り込むことはそう簡単ではないと思う。仮に少々うまく行ったとしても、すぐにライバル店に真似られたり、消費者から飽きられてしまうことだって多い。
そんな言ってみればどこにでもある商材で、どこにも負けない経営を粛々と経営している社長さんの語りは、実に奥が深い。と同時にきわめて当たり前のことをちゃんとやっている、と感じる。当たり前のことって何だ?といつも思うわけだけれども、あらためて当たり前の難しいことにも気づかされる。

こういった一見ライバルひしめき合う商材でびくともしない経営を成し遂げている会社の経営者は、その当たり前がシンプルにバックボーンに息づいている。それは
・社員の幸せな暮らしがあって、はじめて会社が成り立つ。
・お客様が喜んでくれること、それだけでいい。
・できることを精一杯。
の3本柱のようなのだ。そこには利益追求や、先鋭的なコストダウンは影をひそめ、はたまたブランド形成さえ無縁と感じるような会社経営がある。もちろん徹底したコストダウンはやっているのだと思う。でも、それは最優先事項ではもちろんないし、目標設定された原価低減活動でもないのだろう。おそらくは丁寧に育てられた社員たちから自発的に(であるためにとても効果的に)なされる、当たり前のコストダウンなのだろう。
経営者の生い立ちとして、猛烈社員・若手やる気満々社長の躓きの後、はたと行きつく境地のようなものを感じる。昨日のたこ満の平松社長で言えば、社員6人のうち5人から退職届を出され、泣きながら家路について耳に入ったのは「おれがおれがの我を捨てて、おかげおかげの下で生きろ」というアドバイスだったと言う。

結局のところ利益は後からついてくるのだ。それは何とあのトヨタ大帝国の豊田社長でさえも言っていた。追及してむりやり出した利益など、長続きなんかしない。ブランドだって最初からブランドを築こうとやってみたってそんなものが簡単に手に入るわけでもない。ブランドなんてヘタすれば2世代、3世代かけて、気が付いたらできていた、というようなものなのかもしれない。やっぱりブランドも「後からついてくる」ものなのだろう。

あらためて優良経営者の説く「3本柱」に立ち返ってみると、そこには生き生きとしてポジティヴな思いが顔からあふれ出している社員の存在に気づかされる。社長は1人だけれども、数百人の社員が「やる気満々」になってくれた会社の総合力と「やる気なし」になってしまった会社の実力には、あまりにも桁違いの差が出てしまう。
そのことを社長自身が骨身にしみてわかっているから、社員の大切さ、ありがたさを片時も忘れることが無い。そんな会社の社員は、なんとか会社のために自分の出来る精一杯で貢献したい、そういう雰囲気が行きわたっている。

やっぱり会社は「社員のためのもの」なんだと思う。会社は社長かお客様か社員か、誰のためのもの?海外であればもうひとつ株主のため、と言うのもあるようだけど、社員が最初でそこから初めてサービスや製品がお客様に届き、その対価としての利益が会社に(社員とそして経営者に)帰ってくる。ましてや株主はその先じゃないか、と今では株を持っていない僕が言うのも説得力のない話です。

あ、そうそう、私も美瑛の小さな宿「四季」という吹けば飛ぶようなお宿の経営者なのでありました。この最後に書くのもお恥ずかしいお話しですが、おかげさまでこれ以上ない、という従業員に恵まれて、お泊り下さるお客様の笑顔に接することの喜びを、今日も享受しております。もうちょっと給料をあげてもバチはあたらないね。

2016年2月5日金曜日

試乗記です。

札幌の中島公園内にあるコンサートホール「Kitara」でライヴを満喫した翌日、せっかく札幌に来たからと言うのでかねてより興味のあったアウディのS1に試乗して来ました。アウディは旭川にもディラーがありますが、少数派の(?)S1は札幌にしかないので、この機会にぜひ!と思っていたんです。実は購入予定みたいなものは当面なくて(余裕もなくて)、純粋にアウディS1に興味がありました。
以前にも当館の愛車に関する記事を書いたことがありますが、クルマには思い入れ(偏ったこだわりでしょうか)がありまして、いいなぁと感じるクルマはたくさんあるわけじゃありませんが、けっこう興味が強い私。優先順位を整理してみると・・・
1_マニュアル・ミッション車希望(たぶんDSGあるいはDCTはOK)。
2_4ドア、または5ドアで(2ドアでもいいんだけど、やっぱり4ドアの方が!)。
3_運転していて楽しいクルマ。
4_北国(でもって雪国)北海道在住ですので、4輪駆動車がよろしいかと。
5_パワフルで、小ぶりなクルマ。
まぁこんな感じ。逆に比較的我慢できちゃうのは・・・
A_居住性と荷室の大きさ(お客様のトランクが載るかどうかは気になりますが)。
B_燃費(もちろんいいに越したことはありません)。
C_将来的な下取り価格(乗り切る主義ですので)。
D_オシャレ度(そんなにスタイルを気にしません。走り優先)。
まだまだ細かいところで列挙することもありますが、キリがないのでざっとこんなところです。こうして箇条書きにしてみると、S1はまさにストライク。超どうでもいいところでエンジン横置きってところが引っかかりますが、1~5にしっかり該当してくれていてしかもCとDもクリアと来てますから文句なし。あ、優先順位の最初に「安価な」ってのがもちろんありますが、それには該当しないですね、アウディ君。
最近のクルマと言えば、ほとんどAT車になってしまい、一番MT比率の高いスバルで9.6%(2015年)。一番低いニッサンだと0.3%(同)なんだって。全体で2%程度って言うから、もうMT車という時点で特殊(変わり者)ではありますが、アウディS1はMTの設定もある、ってんじゃなくてMTしかないってところが極めてレアなクルマだと思います。

さて、試乗記ですので乗って運転した際の感想を記しましょう・・・。あくまでも私個人の感想でありまして、仕事柄けっこういろんな車を運転する経験はありますが、もちろんクルマ評論家でも何でもありませんので、あくまで個人的な・・・試乗記です。

【エンジン】
2Lのターボ過給器付き。1650回転から最大トルクに達するとカタログにはありますが、2400回転くらいまではトルクは薄い感じ。でも、必要最小限のチカラは十分ある。2400回転から上は、とてもパワフル。アクセルのオン・オフ時のレスポンスも機敏で、印象良し。少し音が大きい。エンジン・ノートは意外と野太くて、この手の音を「サウンド」と思っている僕としては気になりませんが、早朝や深夜にアイドリングするには少しはばかられる音量ではありました。ちなみにアイドリング・ストップ機構付きです。
ロング・ストロークのトルクを意識した4気筒ですが、8,000までタコ・メーター切ってあって、その気にさせます。

【ミッション】
6速マニュアル・ミッションは、BMWと違ってカチッと節度あるシフトフィール。BMWより遥かに良くて、スバルさえ凌ぐかもしれない・・・。
あと、1速と2速が開き気味(なのでスタート後に1速使う機会がほとんどない)なのと、4速と5速も少し離れている感じがしました。トータルとしてはメカニカルにカチッと決まるミッションは気持ちよく、かなり長い区間を試乗したかぎりでも、ギアの守備範囲に不足を感じることはありませんでした。

【乗り心地&サスペンション】
一番サスセッティングが柔らか目になる「エコ」モードは試しませんでしたが、剛性感たっぷりのボディとサスペンションの伸び縮みがしっかりしていたので、いわゆる「乗り心地」は、クルマの性格上難しいだろうと懸念していましたが、全くの杞憂。若干固めながらもフランス車のようなじんわり路面を抑える感じは素晴らしかった!
試乗コースは、市街地からちょっとしたワインディング、さらには積雪路と多彩でしたが、どこへ行っても乗り心地がいいのと、雪道での安心感も白眉。めのホィール・ベースで雪の上のコーナリングは神経質かな?とちょっと気になっていましたが、すばらしいグリップで軽々と走り抜けて行きました。

【インパネ周り、運転席】
メーター類の視認性よし。ペダルレイアウト、シートのホールディングとも抜群です。しいていくつか気になったことを挙げれば、1つはシートとハンドル&ペダル類の位置(距離)。意外とクラッチが深くて、その分シートを前に持って来るとハンドルが近いこと。これはハンドルの位置決めができるそうなので、たぶん落ち着くポジションを決めることはできると思うけれども気にはなった。
そのほかには、ナビの画面が小さい。見にくい。あんまり見ないと思うけど、もうちょっと大きい方がいい。さらにはハンドル形状。6時の位置に潰しが入った変則楕円なんだけれども、据え切りに近いケースだと、そのつぶし部分がちょいと握り辛い。こんなの丸くていいのに、ヘンなところでデザイン入れてどうする?
とまぁ重箱の隅的な指摘が続きましたが、トータルで言ったら素晴らしいとしか言いようがない。インパネは実にシンプルで、華美さや派手さは皆無。ブラックの落ち着いたトーンでまとめられている。文句ありませんでした。

【総評です】
トランクがちっちゃい。これは以前(ちょうど2年前に)同型のアウディA1を見た時から知っていたことですが、やや大きめのスーツケース入れたら、もうほかには何も入らない。ふたりで旅行にでかけるなら、後部座席も荷物置き場として使うしかない。それでOKという割り切った使い方が前提になると思う。
で、順番から行ったらウチのBMW130ⅰの入れ替えと言うことになるけれども、当方のBMW、入れ替えたいと思うような決定的な不具合はほとんどない(と言うか、すっごく気に入っている!)。もし万一営業さんのラヴ・コールに負けて入れ替わっちゃうようなことがあるとすれば、冬場のBMWの走破性が理由(ほかには思いつかない!)。FRのBMWだと、冬は知らない道を走る勇気は起きない。とにかくスタックしてしまいやすいクルマなんです。それを補ってあまりある「駆け抜けるよろこび」があるんですけどね!
駆け抜けるよろこび的に、S1と比較してBMW130ⅰは?と言うと、ミッションの節度やノーズの若干の軽快さでS1に軍配。ただしエンジンフィールは、シルキー6のBMWには及びそうもない。BMWの3L6気筒のなまめかしさと言ったら、ちょっとほかには経験がない艶っぽさみたいな惹きがある。このエンジンに対抗できそうなフィールで思い出されるとしたら、かなり古いニッサンGTRの2.6Lかスバルの水平対向3Lの2本だけなんだけれども、どちらも過去のものになっちゃったし、燃費なんかはくらべものにならないくらい悪かった。BMWの3Lは、諸般のクルマ事情の荒波を乗り越えてなお生き続ける希少な優等生6気筒なのです。
無理やりウチのもう1台、スバル・インプレッサSTIと比べると、排気量や4WDでは同じ。走りの気持ち良さも似たようなものじゃないでしょうか。オシャレなアウディ対無骨なスバル。コンパクトできびきび走るアウディ対そこそこ荷物も入って300馬力オーバーの力持ちのスバル。少しだけ、アウディの方が物語があるけれども、スバルのクルマの成り立ちは、それはそれでスポーツカーのバック・グラウンドは十分。うーん、こうしてみると、むしろS1はインプレッサの好敵手なんだね・・・?