2014年2月13日木曜日

風が止んで、空が晴れて。

どんよりして、雪が舞う日の多かった冬の初め。そして季節は厳冬へと移り変わって行きます。冬の厳しさが増す2月、晴れた日も多くなる美瑛です。
2012年に新築した小さなコテージが、最新の設計&施工でできているのに、水道管が凍結してしまった8日の朝。この日の最低気温は、今季で一番下がって氷点下28.1℃。愛知県に暮らしていた頃には想像もつかない気温でしたが、ここに住んでいると毎年1、2回はめぐって来ます。
そして、こんな寒い日の朝は、決まってびっくりするほどの美しい景色が美瑛にはたくさん溢れています。

いつの間にか出かける場所が決まってしまうのも事実で、どうしても自分が好きな場所に足が向くのですが、持ち前の飽きっぽさも手伝ってうろうろと・・・。すると、とても運のいいことが起きることもあります(逆のこともないわけじゃないですけど)。
12日の朝、お客様をご案内して四季彩の丘から美馬牛へ抜ける小道。北側の景色があんまり綺麗なのでクルマを停めました。そこには先にクルマを停めて写真を撮っている人が何組かいて、皆さんこの絶景に足を止めたんだな・・・とファインダーを覗いていると、
「あのー、こっちも綺麗ですよ」
という見知らぬおじさんが声をかけてくれました。こっちって南側でさして素晴らしい景色も見えないよなぁーときょとんとしていると、
「足跡の付いているところまで行くんですよ」
と教えてくださいます。そこは畑じゃないの?と心配になって聞くと
「大丈夫、電信柱までは畑じゃありませんよ」
と、いかにも地元の人らしい説明で、わかりやすく教えてくれました。なるほど、5~6m先まで伸びた人の足跡は、電信柱の下で止まっています。ちょっぴり安心して足跡をたどって行くと、今まで写真でしか見たことのなかった綺麗な美馬牛小学校の姿が雪原の中に現れました。

塔のある小学校で有名なここは、あちこちに立て看板が目立ちます。そのほとんどは、ここは小学校なので生徒以外の方は入らないでほしい、小学生のプライベートを切り取るような写真は撮らないでこと!というものです。
美瑛は美しい景観が魅力の場所で、写真目当ての人もたくさん訪れます。そのほとんどの人が節度あるマナーで自分だけの写真を楽しんでいらっしゃるように思うのですが、ごく一部の方の心無い振る舞いが、写真家の肩身を狭くするようなことに繋がっています。自分だけの写真、自分だけの構図、自分だけの・・・がエスカレートするのでしょう。その気持ちは農家の個人所有であるはずの畑に無断で侵入したり、ここのような小学校にも踏み入ってしまう・・・。

ここ数年、美瑛の写真家のマナーの悪さがマスコミにも出て来るようになり、迷惑を被る農家の真意も紹介されるようになりました。小学校の素晴らしい光景を目の前にしながら、こうしてさりげなく写真を撮る場所を教えてくださる地元の人に感謝しながら、何枚かのシャッターを切りました。僕自身の数少ない印象ですが、美瑛の写真撮影マナーは、少しずつですが良くなっているように感じます。年間140万人もの観光客が訪れる美瑛です。これだけ多くの方がいらっしゃるのは、美瑛がそれだけの魅力を持っているからに違いありません。願わくば、美瑛好きの多くの方が、気持ちよく過ごしていただけるように、最低限のマナー、ルールを守っていただけたらと思います。

それにしても・・・、美瑛ってどこに行ってもカメラ持った人がいて、ちょっとびっくりしますね。写真撮らない人から見たら、鼻につくかもしれません。そういう僕もカメラ持ってうろうろしています・・・。

0 件のコメント:

コメントを投稿