2014年3月2日日曜日

素晴らしかった、ソチ・オリンピック・・・。



ソチ・オリンピックで総合4位でメダル獲得ならなかった、女子ジャンプの高梨沙羅選手が、ワールドカップ第14戦(ルーマニア)で優勝して今季11勝目を挙げ、昨年に続いて総合優勝に輝きました。
http://topics.jp.msn.com/sports/general/article.aspx?articleid=3507203
まだ5戦残して、ということらしいけれども、14戦中11戦で優勝し、3位までに入らなかったことが1度もない高梨選手が、オリンピックではメダルに届かなかった。数字的な確率からしたら、まず起こりえないくらいに不思議とでも言ったらいいかもしれない領域ではないでしょうか・・・?

4年に1度のオリンピックが、ソチで開幕したのは2月6日。熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられて、23日に閉幕しました。このオリンピックで色々と思わされたことがあるので、個人的なメモとして書き残しておきたいと思います。

【大会前の過熱報道に感じること
冒頭に書いた高梨選手と、女子フィギア・スケートの浅田真央選手は、メディアの大会前にすでにメダリスト扱いだったと言ってもいいくらいです。メディアの宿命は話題性のクローズ・アップですから、実績や人気や調子などなどから、半分は作り話をしてしまう。
一方でメディアから情報を得る読者(僕も含めて)は、その真偽を判断する材料もさしてないままに、程度の差こそあっても期待を膨らませてしまいます。そして実際に競技が始まり、残酷にも(?)現実としての結果が出ると、今度はまたメディアのメディアらしい分析が並びます。
あおるメディアとあおられる読者の狭間で、選手たちはどういった状況に置かれるのでしょう・・・?一面では、プレッシャーは糧になるとも。日の丸を背負わされた選手からしてみれば、個人差はもちろんあれど案外慣れっこなのかもしれないし、そうではないかもしれないし。こればっかりは選手にしかわかりませんよね。ところがメダルと言うわかりやすい結果から推察すると、意外にも注目をそれほど集めていなかった実力者たちが順当に、あるいはそれまでの実績以上の結果を残しています。竹内智香選手なんかは、そんな例かもしれないですよね。
そんなわけで、メディアの注目度はやっぱり行き過ぎていたんじゃないかと思えてなりません。選手の競技スタイルやライバル選手の紹介にとどまらず、選手のプライベートの奥深くにまで踏み込んだ報道が、けして選手にとっていいわけではないことは明らかです。そうまでして選手の私生活を引っ張り出してくる実情は、見る側にも自制が必要かもしれませんね。

【竹田恒泰氏のつぶやき
これはインサイドで出回れば良かったのになぁーと。確かに竹田氏のつぶやきは一理ある、と個人的には感じました。ここ数年の夏・冬のオリンピックメダリストたちが、メダルを噛んで写真に写ることに違和感がありましたし、惨敗後に「いい経験できました」も何か勘違いしているような気がしないでもない。ただ、それは広く世論に流れ出て来るものではなくて、選手(とその関係者)に届けばいい類の内容です。
たくさんのつぶやきの中には、少々上から目線過ぎて鼻に着く内容のものもありました。竹田氏にしてみれば、誰かが言わねば、という気持ちもあったのかもしれません。まぁ起きてしまったことにあれこれ言うのも、安易と言えば安易ですけれども・・・。

【オリンピックと言う祭典は、素晴らしかったけれども・・・
日本人として、日本の選手の活躍ぶりが手に取るように伝わって来て、とてもいいオリンピックでした。また、日本選手にとどまらず、各国のアスリートたちのそれぞれの競技も素晴らしく、技やスピードや美しさを堪能しました。この点について、メディアの果たしてくれたことを、率直に評価したい気持ちです。
一方でちょっとやり過ぎではないのか、と思えてならないのが、感動の押し売りのような展開です。選手はその競技にすべてを賭けて、オリンピックに臨んでいることでしょう。でも、それは他の選手もそうですし、選手じゃなくても人間皆同じです。誰しも人生を賭してそれぞれの暮らしに対峙していると思うのです。曲りなりにも、僕だってそうです。そして比較にならないほど小さな世界ではあるけれども、時に挫折感を味わい、あるいは感激し、嬉しくて涙することだってあるわけです。それを無視して、どうだオリンピック選手のこの人生、この生き様、この立ち居振る舞いに、感動・感激したくてしょうがないんじゃない?と執拗に迫られても、ちょっと引いてしまう。

18日間のオリンピックは終わり、祭りの後のような惜別感が残りました。また4年後、今度はどんな競技を見ることができるのでしょうか。大好きな選手のプライベートを密かに追う、ということが憧れ的にあってもいいのかもしれませんが、スポーツの祭典の見どころは、あくまでも競技そのものだと思いました。

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