クルマと聞いて、最近とみに思わされることは、自動運転への技術革新だ。究極には、全く人の操作を介さずに目的地まで行きつくことができるようになる(はずだ)。そうなれば、行きたい場所をセットしたり、燃料(充電?)をちゃんと補充しておいたりさえすれば、多少目が悪くなったって行きたいところにクルマが連れて行ってくれる。もちろん疲れ知らずだし(乗ってるだけで疲れちゃう人間の方が問題だが)、年老いて判断力や反射神経の鈍った人だって、移動の可能性が格段に広がるに違いない。
これはどう考えたっていいことばかりだ。そもそもスケジューリングされた自動運転は、あおりなんてしないし、されても気にもしない(気が付かない)だろう。
ところがどっこい、目的地に行くことが目的でクルマを利用するのではなくて、ただ単にクルマの運転を楽しみたい向きにはどうだろう?いわゆる運転好き、の人にとっては・・・?せっかくの運転する楽しみをクルマに取り上げられてしまうから、あんまり嬉しく思わないんじゃないだろうか。
まさに僕もそうだ。もちろん目的地に行くことが目的の場合が多いけれども、そのために運転するクルマを、運転を楽しむための道具(とても高価だけれども)として捉えている面も大いにある。なんだかまどろっこしくなってきたけれども、要は運転が好きなので自動運転は賛成できない、ということがひとつ(これ、社会に対して非常に後ろ向きというか、場合によっては反社会的かもしれないですね)。そして運転が楽しい車が好きです、ということが2つ目。最後に、今後自動運転化は進むだろうけれども、運転して楽しい(自動運転ではない)クルマも、居場所があると思うよ、が3つめです。
今までお世話になったインプレッサWRX_STI |
で、1つ前の記事にも書いたけれども、スバルの作るEJ20型エンジンてのがありまして、これは運転を楽しくさせるクルマの要素として、非常に大きなファクターとなっていると感じる次第。さらに(これも書いた通り)この2019年受注分の限られた車種をもって、31年間作り続けてきたこのエンジンの生産終了が発表されました。
今、乗っているインプレッサというクルマにはEJ20型エンジンが搭載されていて、運転するのがとても楽しい車なのです(通称GRBと言います)。が、まもなく(2020年1月)11歳&車検。13~15年くらいクルマを乗り続ける僕にとって、もう1回車検通すのは既定路線・・・のはずだったんだけど、EJ20エンジンを積んだ車が2年後には選択肢にない、ってのはどうなのよ?
新しくやってきたWRX_STI |
とまぁそんなあれこれが相まって、よし、車検1回分早いけれども今のうちにEJ20積んだ新しい車に乗ろうか・・・ってことになった。車種は1車種しかないので迷うこともなくWRX STIに決定。しきりにその点を突いてきたスバルの営業柏原氏に寄り切られてしまった感は否めないが、試乗させて欲しいと頼んだら「今はない(たぶん試乗車は回ってこない)」と言われたのは悲しかった。よって今回も(ここ連続で3回目!)、試乗なしでクルマを選ぶ(決める)ことになっちゃった。もっとも今運転している車の最新型だし、自動車雑誌の書評では好印象で記事が掲載されていることも安心材料になった。
果たして、契約した日を忘れてしまうほどに待たされた挙句、ついにWRX STIを引き取りに行くことに。何度か経験した新しい車との出会いに、やはりココロ踊る自分がいた。取り扱いに関する説明はほぼほぼ皆無で(あとで取説読んでおいてね、でお終い。まぁスバルさんとは長いお付き合いですし)、さっそく車に乗り込んだ。シートのホールディングがすごく良くて、疲れ知らず。でもって、Aピラーが少し細くなり、補助Aピラーがさりげなく直立していて、その間にいわゆる三角窓みたいなはめ殺しのガラスがあるんだけど、これが抜群に視界をよくしている。気にしていたリアスポイラーも後方視界を邪魔しないからおおむね全方位よく視認できる車になっていた。
三角窓、視界よし! |
シフトをローに入れ(はい、またマニュアル車でございます)、お、この節度感も高品質を印象付けるかっちりしたもので気分よくスタートしました。そして・・・、僕は予想以上に新生なったEJ20エンジンにとろけたのです。苦手だった低回転域で、素晴らしいトルクの付きを感じさせ、少しだけれども重たくなったボディーを軽々と加速させてみせた。EJ20エンジンとの初めての出会いは、1996年の秋でした。えーと・・・23年前。この時手に入れたインプレッサは(GC8って言います)、1250kg。この時から低回転はちょっと苦手なエンジンでした。それが今や車重1500kg(2割増し)。馬力も2割増しになったとはいえ、さすがに1500kgの隆としたボディーを引っ張るのに、2000c.c最強とはいえEJ20には低回転は荷が重い・・・。と、覚悟していたのに、ぜーんぜんもたつかない。走り出しから抜群の加速。嬉しい誤算って、こういうことかぁーとひとりでにやけてしまう。すかさずギアを2速、3速に上げて行きエンジンが暖まったところで少し上まで回してみた。クォーンと乾いた高域のビートが、身も心も、そして鼓膜さえも魅了する。いつしか聞くことのなくなった「カムに乗る」エンジン音に、またしてもとろけたのでありました。
低回転で素晴らしい粘りを見せたエンジンは、いわゆる下をどうにかしたので上はゴメンよ、なんてことはなくまだ6000しか回していないけれども、ヨユー。超余裕!たぶんカタログにもある通り8000までよどみなく回る感じ。すごい、さっすがEJ20だ!
意外と端正なシルエットです |
乗り味は、気持ちのいい硬さで、文句なし。ちゃんとロールするけれども、巌のような剛性ボディーが揺れを受け付けない。お客様をお乗せするのには固すぎるかもなぁと思わないことはないが、ひとりで運転してたら抜群に快適なセッティング。GRBはハッチバック車だったけれども、今度はセダンになりまして、多少大きい荷物を積むのが苦手になったけれども十分許容範囲(そもそも僕が好きなドライバーズ・カーとしては少し大きくなっちゃったからなぁ(全長4595mm))。
細かいことだけど、ドアのロック(&ロック解除)がBMWと共通になって使い勝手が良くなったことと、同じくドアミラーの開閉もボタン位置が変更になって(ドアに移動した)、暗くても探すのに困らなくなった。
今のところ馴染めていないのは、ハンドル。6時方向につぶされていて、まん丸くない。こんなの真円でいいのにね。それとほとんどデジタル化されたインパネ。トリップ・メーターの操作方法さえわかんないのが現状(きっちり取説読まなくちゃ)。と、営業と相談した結果、ナビ付けなかったのでなんとなく物足りない感じ。これからナビはスマホにとってかわられる時代になりそうです。
スバル自慢の安全運転システム、アイサイトもつかない(ので、クルマがあれこれご忠告しない)少々昭和なクルマですが、大いに気に入ったのは間違いございません。蛇足ながら(と言ったらスバルに叱られますが)、今までのEJ20搭載車の中では、なかなかに美しいボディを与えられているように思います。
ということで、EJ20速報を終わります。
次回は(誰も待っていないのは承知しておりまする)、1か月後くらいに、燃費なんかも含めて感想書けたらと思います。
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