2020年6月1日月曜日

コロナ後の世界(コロナウィルス協奏曲を終わろう!)。



新型コロナウィルス(Covit19)感染拡大に伴い、日々の暮らしに変化が出始めたのが2月半ばからだ。アジア圏からの宿泊予約が次々キャンセルされて、ついに2月26日を区切りに3月、4月の予約は、すべてキャンセルになった。3月に入って次第に全国的に感染者数が増えていく。いち早く緊急事態を宣言した北海道も、いったん感染者数の拡大が沈静化したかのように見えたが、再度感染者数増大に転じてしまう。
4月6日、安倍首相が全国的な緊急事態宣言を発令して、不要不急の外出が制限されるようになる。この頃になると予約の問い合わせは全く皆無となり、僅かに残っていた5月、6月のご予約もキャンセルになってしまう。3月半ばまでは、多寡をくくっていた僕でも、さすがに今年のビジネスは、厳しいを通り越して創業以来の危機に直面すると肌身に感じないではいられなくなった。

政府の動きは、早かったと思う。いろいろな形で支援のための給付金や助成金の法制化を進めて、暮らしの維持のための金銭的な支援に動いた。もっとも法制化(市民にわかるようなルール化)には時間がかかるし、申請受付後の審査もやはり手間がかかると思われ、すぐに手元に支援金が入ることにはならない。2か月以上に及ぶ仕事の無い(当館「四季」と「丘のほとり」にお泊りになるお客様のいない)状況下、自分は自分で資金ショートで起こりうる厄介ごと(建物のローン返済の滞りとか)は、皆無にしておく必要がある。とりあえず無利子&無担保で借りられる貸し出し、最大枠の500万円を申請した。ありがたいことに申請後2週間ほどの4月24日に借入できたことは、本当に助かった。
その後、すぐに申請が可能になった持続化給付金の申請をし、定額給付金(1人一律10万円)の申請をし、美瑛町の支援金(事業主用)の申請も済ませた。いろいろな形で事業継続のための支援金の用意はされ、まったく仕事の無い自分たちの置かれた境遇にあっても、少し将来に希望が持てたのは事実だ。悪評高い雇用調整助成金の全必要書類がそろえられたのは5月30日。土曜日にもかかわらず2度目の隠密ボランティア活動で足を運んでくれた会計事務所の担当氏には、本当に頭が下がった。

GWいっぱいまで両宿泊施設とも休館とし(まぁ世間の流れから言っても、営業継続はしにくい状況だったし)、5月7日から営業再開したカタチを取るも、やっと1組のお客様がいらしたのは5月14日だ。4泊滞在いただいたので、2か月半ぶりに4種類の夕食のバリエーションをご用意、いいリハビリじゃないけれども、4日分違った食事をご用意したので、忘れかけていたメニューもおさらい出来たのは良かった。
その後お客様はさっぱりいらっしゃらない。少しずつ、東京と北海道(ほとんど札幌)を除いて感染者の拡大は沈静化してきている。緊急事態宣言の解除に向けて、状況的にはなんとか準備が整いつつあった。
この間定額給付金(10万円が2人)、持続化給付金(丘のほとりのみ法人格が認められて200万円)の振り込みがあり、大いに勇気づけられることとなる。諸般の申請手続きの煩雑さから、必要以上に批判的な世論がクローズアップされたけれども、政府の各種支援メニューは充実していると感じる。申請のための必要書類が多岐にわたるのも、ニセ申請者が後を絶たない現実がある以上、仕方がない。申請を簡略化して、給付後に不正があった場合は取り返せばいいと言う意見も散見するが、一度渡してしまったお金(しかも税金だ)を取り返すことなど、至難だと思う。何しろ不正をしてまで受給しようという輩だから、簡単に「お返しします」とはなるまい。ここは少々面倒な資料作成や証明書類の用意を、辛抱強くしよう。
この支援策、一次と二次補正予算の合算でトータル230兆円になるらしい。
国債発行で賄うようだけれども半端なツケではない。国としても、様々な企業(事業者)が経営継続ができなくなるような事態(倒産)は避けたい。それは結局のところ国にとって高くつくし(生活保護はじめ、結局税金が必要だ)、政府与党にしてみたら、政権維持上も市場が混乱するのは最悪だろう。



翻って、このコロナウィルス感染症が日本を覆った出来事は何だったんだろう・・・?最初に感染者が確認されたのは、1月15日だ(神奈川県)。そこから少しずつ増えていき、4月上旬に感染ピークを迎える(4/11、新規感染者720人)。現在(5/31)で、累計感染者は16,864人。死者は897人に達した。思いもよらない大きな被害が出てしまった。

一方で毎年のように感染拡大が懸念されるインフルエンザは、年にもよるけれども1千万人前後はいると推計されている。もちろん死者も多い(2018年で3,300人)。
https://consumernet.jp/?p=6623
私たちは、このインフルエンザのことはあまり気にしない(個人差はあるけれども)し、マスメディアも大して取り上げたりしない。ざっと新型コロナウィルスによる死者の、3倍の犠牲者がインフルエンザで出てしまっているとして、コロナの3倍くらいインフルエンザに注視しているだろうか?まだ、ワクチンも特効薬もない新型コロナウィルスのもたらす「怖さ」のイメージは確かに大きい。けれどもそのほかの数えきれないほどの感染症と比較して、私たちの社会は明らかに過剰反応していないだろうか・・・?それに加えて明けても暮れてもメディアでは恐怖をあおるような報道が繰り返され、果ては春はまだしも夏の甲子園大会(高校野球)までもが中止に追い込まれてしまった。
そしてついに230兆円にも上る補正予算案を通して、このコロナウィルス対策に税金を使う。もう、日本の世の中は、あっという間に行き過ぎとしか思えないコロナシフトへと陣形を変えてしまった。5月25日に緊急事態宣言は解除されたけれども、当分は普通の暮らしを簡単に取り戻せそうにない。ウチも、閉店状態が続くので、当面各種の支援金に頼って経営延命を図らざるを得ない。

でも、もういい加減に視野を広げてみてはどうだろう?ちょっと厄介な風邪が流行ったのだ。インフルエンザほどの感染力はない。欧米の様相は少しアジアとは別物と考える必要があると思わざるを得ないけれども、そろそろコロナウィルス協奏曲に耳を貸すのも終わりにしたほうがいいだろう。コロナにかまっているほど、僕らは余分な時間を持っているとはいいがたい。若い人たちにツケをまわして、stay at homeで呑気にくだらないテレビニュースにしがみついている暇はないぜ。

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