2020年6月11日木曜日

モノづくりの、大きな変化に見える、クルマの未来。


愛車の1台、スバル・クロスオーバー7が購入して3年たち、1回目の車検になった。なくてもいいかな、と思ったが代車を1泊借りることにした。なんでもいいから乗ったことのない車に乗る、そういうことが好きなのだ。

お借りできたのはスバルの(当然スバルの可能性高いわけで)ジャスティ。リッターカー(996.c)のスバルでは最もコンパクトなクルマだ(軽は除く)。「代車はこちらです」と引き渡されたその車、ぜーんぜんスバルの気配がしない。ありゃ?これっすか???まだ新しい(こちらも1回目の車検が終わった直後だった)、走行距離1万キロに満たない代車は、どう見てもトヨタに見えた。
これって、ダイハツですか、と尋ねると「よくご存じで」と返ってきた。聞けば4兄弟。トヨタのタンク/ルーミーとダイハツのトール、そしてこのスバル・ジャスティをまとめてダイハツが生産・供給している。予習はこれくらいにして、旭川の永山の営業所から32km離れた美瑛に戻ってきた。


最初に違和感がいっぱいあった。まずポジションが決まらない。ハンドルに程よく近づけると、足が窮屈。逆もしっくりこない。ハンドルにテレスコピック機構なんてないから、仕方なく中間で妥協。すぐに出したウィンカーのレバーも節度感がない(要はカチッとしていない)。アクセル踏んでもあんまり加速しないし、ブレーキも初期制動は緩い。コーナリング時の、ロールはまぁ自然だなぁと思うのでOKだけど、背が高い(173cmもある)から、少しスピード出てるとちょっと怖い(でも、問題なくコーナリングしていきますけどね)。ほんわか、と言えば言えなくもないが、全体としてもっさり感満載の代車君に、うーん、ちょっとストレスたまるかもなぁーってのが第一印象だった。
そうこうしながら美瑛に接近する頃には、そこそこジャスティ君の人となり、ならぬ車そのもの、に慣れてきた。ドライヴィング・ポジションだけはしっくりこないけれども、四角くて取り回しのいいコンパクトなボディは扱いやすい。ブレーキもクセを心得ておけば、無理なく制動可能だ。でもって、とにかく広い。後部座席に3人乗れる5人乗りなのだが、たぶん余裕で乗れちゃうと思う。それでもって荷室もまぁまぁある。シートヒーターやバックカメラに加えて、アラウンド・ビューモニターも付いていた。アイドリングストップもするし、調べたらACC(クルーズコントロール機能)もそれなりに稼働するらしい。


今日20日、愛車の車検が終わって引取りに、つまりジャスティ君を返しに行く。ドラポジ以外にはほとんど違和感なし、不満もあんまりない(加速が悪いのはちょっと・・・)。むしろ、これで十分満足だな、とおおいに高評価している自分がいて、ちょっと不思議な気分でもあった。ついでに調べてみたら、価格はおよそ170万円(新車価格)。大人気のホンダNBOXとか、スズキハスラーのマイルドハイブリッド車とほとんど同額だ。これら軽にはない、抜群に広い室内を見せつけられると、さらに高評価したくなってしまう。

今やホンダを除いて、日本車はOEMが入り乱れて、どこがどの車を作っているのか判然としない。スズキはあちこちに軽自動車を供給しているし、スバルとトヨタとダイハツは、もうはや1つのグループ会社のようだ。もしスバルが単独でジャスティを作っていたら、たぶん全然違うクルマに仕上げていたと思う。それはもちろん興味があるし、きっと少しは僕好みだった可能性が高いが、50万円くらい価格アップになっていたのも間違いないと予想する。
そんなこんなで、クルマを例にしてみたら、モノづくりの共通化、大連合化というものが進んでいると思う。個性がなくなって悲しいと思わないでもないが、ちゃんと個性派の車は残されている。例えばトヨタは今年になってヤリス(旧ヴィッツ)GRの予約受付を開始した。ヤリスGRは、ラリーに徹した車づくりで、カタログ商品のヤリスとの共通部品は少ない。顔こそヤリスだけれども、ヤリスにはない2ドアクーペのボディで、ルーフラインからして全く別物に仕上がっている。当然ドア1枚からオリジナルだ。残念なのは、ヤリスGR398万円(ジャスティの倍以上)することだ。専用にモノを作ると当然のことながら高くつく。

車検の終わったクロスオーバー7を運転して美瑛に戻る。ブレーキの効きが良すぎて(ジャスティと比べてそう感じただけなんだけど)、前につんのめってしまう。今度は発進時に加速させ過ぎて、自分でびっくり・・・。もっとも帰るまでにはすっかり慣れたから良かった。
たぶんこれからクルマも大半の車は白物家電化が進んで、個性はなくなる。と同時に今より少し安くなる(と思う)。その一方で個性派のクルマたちは生息数を減らして輝きを放つと思う。個性を主張するのが高くつくのは今も昔も変わらないから、個性派の車を選びたければ、少々ストイックな人生を歩まなくちゃいけないかもね・・・。当方現在は個性派の車ぞろい故、これからどうするか方針決めなくちゃいけない。幸いどの車もまだ比較的新しいので、あと2,3回車検受けても健在のはずだ。

クロスオーバー7の車検、思いのほか安く済んだ。およそ12万円。新車時にらくらく点検パックなるものに入っていたので(入れさせられちゃったかなと思わないでもなかった)、57,800円が引かれて、およそ6万円の出費。ちょっと嬉しい♬

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