2026年10月31日土曜日

試乗記・・・トヨタGRヤリス RZハイパフォーマンス6MTに乗る。

 ヤバい、ヤバい、ヤバいのだ。
トヨタGRヤリスが販売開始になったのは、2020年9月のことだった。思い返せばコロナ禍真っ最中のタイミングだ。僕自身、コロナに苛まれる毎日で(幸い感染はしませんでしたが)、疲弊しきっていた記憶しかないが、そこにささやかながら小さな夢のように降ってわいたのが、このGRヤリスのリリースのニュースだった。この手のクルマにとことん弱いのです♬

GRヤリスと言うクルマは、当初はトヨタがWRCに打って出るためのホモロゲ取得車だったはずだ。インプレッサやランエボなき後、長く欧州車がWRCのトップに君臨していたが、トヨタはそれに打って出た。成り行き上ホモロゲ―ションの線引き緩和で必要なくなってしまったようだけれども、この小さなロケットマシンをトヨタは市場投入してくれた。
3995mmの全長に1.6Lで272PSのエンジンを押し込み、内製の4WDシステムで走らせるこの車は、少々暴れ馬を予感させもした。
でも、そんなことは全くの杞憂に終わったようで、トヨタのWRCにおける快進撃は続く(と言っても、先行して2018年からGRヤリスはWRCで大活躍していた)。

まぁ、そんなラリー界におけるトヨタ旋風の激しさにも増して、市販車としてのGRヤリスも年々磨きがかかって行く。一気にレベルアップが図られたのは、2024年4月の新型発売からだ。それまでにも間断なく改良が施されてきたGRヤリスは、大幅な出力アップを果たす。304PS(400nmのトルク)を引っ提げて、しかもATも選択肢に加えた新型車がリリースなった。
これは見逃せないでしょう・・・?コンパクトなスポーツカー好きにして、マニュアル車フェチの自分は、もうスペックだけで虜になってしまった!

一方僕自身は2025年2月に愛車をチェンジ、やっとの思いでFRのBMWから、4WDの同型BMW(135i)に乗り換えていたのですが、こちらはBMW最小モデルと言うものの、全長は4335mm。3995mmに収まるGRヤリスは車重も300kgほど軽い1280kgだから、その韋駄天ぶりは想像に難くない(ウチのBMWも相当早いけどネ)。
こんなスペックを見せられて、もう乗ってみるしかない!と勢いづくものの、旭川(富良野・美瑛)界隈のディラーには、展示車も試乗車もなし。どうしたものかと悶々とした日を数えるも、友人と小樽に行く機会に恵まれ、さっそくちょっと寄り道して、札幌稲穂のディラーに試乗車を発見(ネットで見つけた)。試乗予約を入れることにしました。

ディラーに着くと、もとはメカニックだったという営業担当さんが相手をしてくれて、ほどなく(エンジンの十分な暖気を終えて)試乗へ。GRヤリスの中では3種あるうちの一番豪華(快適)バージョンのRZに乗り込んだ。運転を始める前にきっちりシートの位置合わせ。最豪華バージョンと言えども電動スライド機構なんかは着かない。レバー押さえて同時にお尻でシートの位置を決めるタイプだ。ちなみに廉価バージョン(すぐさまモータースポーツやるバージョン)のRCグレードだと、エンジン始動はボタンスイッチさえなく、昔からのキーをひねるセル・スイッチタイプになっちゃう。
シンプルでそっけないインパネを確認し(同時にシートヒーターとステアリングヒーターの恩恵に感謝しながら)ミッションをローに入れて走り出した。ピョコっとボディが揺れる。クラッチのあまりの浅さに、うまく始動できなかった(汗、汗)。まぁ仕方がない。後部座席に座った営業さんの指示のもと、一般道に出て走り出した。

ローでスタートした時は不慣れで自信は無かったものの、2速以降のシフトチェンジは快適で、スパッ、スパッとチェンジできる。回頭性が良く、エンジンのパワフルさ加減は期待通り。明らかに車体の軽さから来る軽快で力強い加速は、本当に気持ちがいい。直列3気筒と言うちょっと珍しいエンジンだけれども違和感は皆無。さらに、我が愛車のスバルWRX-STIやBMWよりも、サスペンションが少しだけしなやかだったことにも驚いた。それから結構なスピードが出てしまうので、それを抑え込むブレーキが気になるところだけれども、こちらも非の打ちどころのない効き具合。また、ボディー剛性もがっちりしていて、曲がっても止まっても、段差に揺られても不安なし。素晴らしいの一言に尽きる。
で、難点もはっきりしていて、1つ目はエンジン音がうるさいこと。これは全然こういうクルマの経験のない人が乗ったら、整備不良かなと思うレベルだ。なのでウチで言うとお客様の送迎には向いていない。もう1つは、ボディが2ドアしかないこと。リアシートは普段は倒しておいて、ハッチゲートから荷物を出し入れする方が現実的かなとゲートを空けてみたものの、荷室はかなり狭い。カミさんと2人で1泊か2泊までの旅行に行くくらいは許容範囲でしょう、とは思うけど、それ以上の荷物は無理かもしれない。

長所も、わずかばかりの欠点もすごくはっきりしているGRヤリス。どちらかと言えば電気で走るクルマにシフトし始めているご時世、こんなガソリンだけでガンガン走る小さなスーパーカーみたいな車が購入できるというのは、すごいことなのだと改めて感じる。でもってこういうクルマが好きな僕にとって、終のクルマにいつか迎えられたらいいな・・・と淡い思いもよぎった。やれ自動運転だとか、車庫入れ自動機能だとか、そういう便利機能に全く興味がない(できれば願い下げの)僕にとって、GRヤリスは願ったり叶ったりのクルマだ!もうちょっとだけ静かな立ち振る舞いをしてくれるなら(2ドアのボディーには目をつむって)、迷いなくオーダーしてしまうことだろう・・・!!

こんな僕の好みを具現化した車を世に出してくるなんて、トヨタさんスゴい!

GRヤリス RZ

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