2026年4月4日土曜日

地場産の、そして最北のワイナリー、多田農園。

 もう1年以上も前の事、すずらんさん(びえい最古のカフェ、今も盛業中でいらっしゃいます)のオーナーの佐々木さんと、”ワイン会やりたいね”と、合言葉のようにお話が弾んでいました。

ワイン会、と言うのかワインの試飲会と言ったらいいのかわかりませんが、ワイン業者さんがウチに来てくださって、おススメのワイン(10種類弱かな)をワインの説明&紹介と共に試飲させてくださる機会が年に1度か2度あります。ただ、どうしてもウチだけを相手に、一通りの試飲が終わると、また次のお客のところへと業者さんは向かわれてしまう。

移動の問題があるので、どこか一か所にお集まりいただいて、試飲してもらって・・・、で勝手にお帰り下さいとなると、業者さんも二の足を踏むようなのです。

ですが、ワイン好きでお酒の語らいも大歓迎な自分としては、せっかくなら何人かで寄り合って、ワインを楽しみながら試飲したい。自分たちでワイン持ち寄ってやるのも一興だけれども、ワインに詳しいインポーターさんだったり、あるいはワインを作っていらっしゃる生産者さんがワインのお話をしてくれたら、これ以上ない楽しみではあります。

さて、ここで突如上富良野町の多田ワイナリーさんの紹介をします。多田さんが本格的にワイン生産に舵を切ったのは2010年頃の事らしい。もともとは農家さんでしたが、農産物を単に農協さんにお納めしているだけではと、無農薬のニンジンジュースをリリースするなど試行錯誤の末、ワインにたどり着かれます。

2026年3月現在、北海道のワイナリーは75軒。その中で、フルラインナップでワインを生産される最北端のワイナリーが多田農園さんです。ほかにも東川や名寄にもワイナリーはありますが、いずれも厳しい北国の気候に合わせた数品種の葡萄からワインを作っていらっしゃる。一方多田農園さんはシャルドネやピノ・ノワールに留まらず、バッカス、ミュラー・トゥルガー、さらにはメルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、なんとシラーまで手掛ける本格的なワイナリーなのです。

で、当館では道産ワインは滝澤ワイナリーさんを最初にご提供するようになり(もう10年以上前の事)、7,8年前から多田さんのワインもお客様にお出しするようになりました。この2ワイナリーさん、除草剤を使わない、天然酵母使用、滓引きなしなど、共通点も多く美味しいワインをリリースしていらっしゃる。


多田農園さんはお隣上富良野町のワイナリーですので、僕としては”地元の”という意味合いもあって、お客様にご紹介しやすいワインです。昨秋ワインを仕入れに多田さんを訪れると、オーナーから「今度ウチでワイン会やるのでぜひ」とお誘いを受けるも、多田農園はクルマで行く以外には無い場所。うーん、お邪魔したいのはやまやまなんだけど・・・。

そこで冒頭のワイン好きの佐々木さんのことが頭に浮かび、美瑛に来てもらったらいいじゃないかと短絡して、多田さんに「数軒集まるので、美瑛に来てくださいよ」とお伝えしたら「いいですね、出向きますよ」と!


そこからはあれやこれやは全部省略しますが、とにかく4月2日にワイン好きの飲食店、カフェ、バー、宿泊施設のオーナー10軒がすずらんさんに集まって多田ワイナリーさんの試飲会が開催されたのでした。すずらんさん、街中にあってアクセスも良いのです♬

持ち込まれたのは、シードルを含む5品種。野菜(例えばアスパラガスとか)との相性がいいんじゃないかとミュラー・トゥルガーの微発砲ワインや、まだ瓶詰前のバッカス。そして王道シャルドネと、ボルドーブレンド(メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン)のルージュ。1本ずつワインの紹介をしながらグラスに注ぐ多田さんはワイン愛にあふれ、ご自身が丹精込めて醸されたワインを慈しんでいらっしゃるさまが印象的でした。



一方ワインをいただく10軒からは多岐にわたる質問が・・・。ワインのセパージュ(品種のブレンド比率)はどうやって決めるのか、生産量は増やせないのか(&安定供給のお願い)、シラーを手掛けたのはどうして、ワインのほかに扱われているりんごと洋ナシのジュースについて、などなど・・・?試飲会あるあるのパターンですが、あっという間に2時間は過ぎてしまいましたが、年に1度か2度、こうやって集まれたらいいねとお開きになったのでありました。


どうしてもグラスを使いまわしたくない、とすずらんの佐々木さんのご希望で、でも、確かにワインへの敬意をこめて、グラス洗うの面倒だったけど、味わいに集中できて良かった!