2013年12月21日土曜日

Adobeソフトの販売スタイルに悩まされそうです。

いつの間にかアドビ社のPhotoshop Lightroomの最新版「5」がリリースされていました。ここのところアドビ社は、稼ぎ頭で同社の顔とも言うべきいくつかのソフトをクラウド販売して来ています。つまり、ソフトをユーザーのパソコンへ提供するわけではなくて、インターネットを介して利用できるようにして、利用料を年間契約(支払いは月額)という単位で販売している現状です。
例えば同社のフォトショップ製品群(フォトショップ、イラストレーター、ドリーム・ウェーヴァー、アクロバット等)のトータルパッケージ版はおよそ30万円。個人で手の届く額ではありませんが(個人で使うレベルのソフトでもないでと思います)、これをクラウドで契約すると月額5,000円。つまり60か月(5年間)分で同等のコストになる計算です。
たぶんこの間に間違いなく2回ほどのバージョンアップがあるはずですから、常に最新版を使えるクラウド契約は、間違いなくお得と言えるでしょう・・・。

でも、どうしても僕としてはパッケージ版が欲しいと思ってしまいます。まず、アドビ社がクラウドにこだわる理由は何だろうと勝手に想像すると
1)バグ等の修正を随時反映させたい。
2)ユーザーの利用状況をリアルかつタイムリーに知りたい。
3)違法コピーの蔓延を排除したい。
等が考えられます。中でも(3)についてはソフト会社の生命線とも言うべき課題で、同社のような高額製品をソフトとして販売する上で、何としてもコピーをされないような工夫は必要だと思います。

一方でユーザーからしてみると、このクラウド版と言うのはパソコンが自らの大きな自由を投げ出してしまう一因になると感じてしまいます。例えばⅰPadに代表される一連のタブレット機と、同じ土俵にパソコンが上がってしまうことにつながります。
パソコンがいいのは、その圧倒的なレスポンスの早さと万一ネットに繋がっていなくても、インストール済みのソフトがあればいつでもどこでも自由に使うことができることにあると思います。そういったあれこれをネットの制約下に置かれ(レスポンスの条件にネットのスピードが加わります)、旅先のどこかで開いたノート・パソコンではソフトそのものが使えないと言うことになりかねません。

もちろんアドビ社の方向について、理解できないわけではありません。前述の1~3のテーマは、どれもソフト会社の抱えるとても根源的で存続にかかわる内容であろうとは察しています。それでも自作パソコン派の僕のような立場からすれば、マザーボードで認識している同社のクラウド製品を使うに際しては、マザーボードの交換さえ煩わしい認証の壁が待ち構えています。

現在アドビ社は個人ユースの多いLightroom5(最新版)を3形態で販売しています。
・クラウド版。
・ダウンロード版。
・パッケージ版。
せめてダウンロード版だけでも助かると思うんですが、ゆくゆく無くなってしまいかねない状況なんだろうなぁと思うこの頃・・・。ノートパソコンを外出先で頻繁に使ったり、デスクトップ機を自作する人は、かなり少数派だとアドビ社は踏んでいるのだと思います(事実そうですよね)。いまどき自作パソコンに興じている様なタイプに限って、違法コピーもやらかす傾向にあるのかもしれません(僕はしません(しできません))。

2013年12月5日木曜日

大統領の料理人_シアター・キノ

この秋、2本目の映画を札幌まで見に出かけました。フランスのミッテラン大統領のシェフを務めた女性シェフのストーリー。この映画はいわゆるロードショー のような全国的な上映をされず、数少ない本数が都会を中心に15ほどの映画館で上映されたにすぎません。北海道では唯一札幌で、シアター・キノと言う映画 館で上映されました。フェリーで帰省することになった先日11日に、札幌に寄ってこの映画を見ていくことにしました。
ストーリーは、南極観測隊の フランスの基地とパリのエリゼ宮の厨房とで交互に展開されていきます。エリゼ宮に関する部分は、ミッテラン大統領の個人的な希望で公務の晩餐会などのレセ プション以外の食事を供してくれるシェフを募ったところ、ジョエル・ロブションの推薦を受けた片田舎の女性シェフ、オルタンスが黒塗りの車で招聘されると ころからスタートです。

http://daitouryo-chef.gaga.ne.jp/

エリゼ宮の主厨房と、個人用の小ぶりな厨房で繰り広げられる政治的な綱引きの中、次々に繰り出される美味しそうな料理の数々。もっとも「晴れ」ではないときに供される食事だけに派手さや華やかさはやや抑え気味ではありますが、郷土色豊かな滋味あふれるお皿のあれこれは、映像から温かさや香りがほとばしるかのような臨場感いっぱいに展開していきます。
シェフの気がかりは、自身の作る料理が果たしてミッテラン大統領に美味しく食べてもらえているかということ。多忙極める大統領に直接聞くことも叶わぬまま、それでも戻って来るお皿を見ながら少しずつ自信をつけていくシェフ。そして最初は疑問視していたフロア責任者たちが、次第に協力をしてくれるような変化。さらには突然訪れる大統領との遭遇。田舎からやってきた女性シェフがあれこれと制約を受けながら大統領お気に入りの専属シェフになって行く過程を、その素晴らしい料理群を前面に淡々と語られて行きます。

一方場面が変わって南極におけるシェフは、肩の力が抜け、自分を前面に出したのびやかな日々が描かれています。
2年少しをエリゼ宮で必死に働いたシェフは、結局主厨房との争いや大統領の健康的な理由から課されるたくさんの制約、大統領以外の多くの官邸スタッフの要望などに疲れて辞表を出してしまうのです。そして選んだ次なる行先が南極でした。どうしてエリゼ宮から南極なのか・・・。まぁそれは映画を見てのお楽しみということにしますが、シェフの飽くなき「美味しい食事・美味しい食材」へと繋がる思いが滲むような理由だったのです。

この映画はあくまでもタイトル通りに大統領の個人的な料理人を務めた女性シェフの物語ですが、その一方で美味しいものの持つ「力」は素晴らしいものだということも強く訴えてきます。それはもちろん南極の基地でも同じこと。大統領も南極の基地の面々も彼女の作る美味しいお皿に魅了され、そして彼女を大好きになって行きます。
なお、このストーリーのモデルとなったのはダニエル・デルプシュという女性で、まさに大統領の料理人、南極観測基地のシェフ、そしてニュージーランドでトリュフの栽培などを手掛けた、食に情熱あふれる人です。

ひるがえって僕自身のことを書きますと、少し料理の幅を広げたいと思っていたところです。できれば正式な料理学校の指導を受けて、一から作りたいものに向かい合ってみたいと感じていた矢先だったのです。もっとも料理を習うには、それなりの費用もかかるわけで躊躇する自分もいないわけではありません・・・。でも、この映画を見て、やっぱり思い切ってやってみよう!と言う気持ちになりました。美味しいもの、美味しい料理の持つ力を、もっと引き出してみたい・・・。そんな思いが具体的な目標になったきっかけを作ってくれる映画になりました。

追記:
写真1枚目、札幌狸小路の「シアター・キノ」
写真2枚目、欧風料理を食べたら抜群の味わいのオーベルジュ「白馬ユキモク」
写真3枚目、パリのパン世界選手権でトップ3常連の成瀬氏のパン屋「トランブルー」

2013年11月29日金曜日

船旅と飛行機の旅。

2週間ほど宿を離れて、ミニ旅行と帰省をしておりました。不在期間中は何かとご不自由・ご迷惑をおかけいたしましたこと、お詫びいたします。ごめんなさい。

今回旅立つにあたっては、期間も2週間になりましたので移動先でクルマがあった方がいいってことで、マイカーを連れて船旅となりました。圧倒的に飛行機での移動の多い僕ですが、船(フェリーです)も時折使うことがあります。概して船と飛行機の移動は全然目的が違うケースの利用となりますから、どちらにしよう・・・?なんて迷うことはあり得ないとお思いかもしれませんが、そうでもない場合について書いてみたいと思います(意味ないって・・・?まぁ、そうおっしゃらずに)。
似ていないような船と飛行機ですが、時間の制約があまりなくて移動先でクルマがあった方がいい場合を想定してみてください。マイカーと共にフェリーで行くか、飛行機で移動してレンタカーを借りるか。案外費用は近いのかもしれません。飛行機は便を選び、早期に予約するとかなりコストを抑えられます。最近は船もあれこれ割引を実施していて、4週間前などが基本になっていますが、乗り手の気持ちをちょっぴりくすぐるような割引プランが目に入るようになりました。飛行機の料金設定の影響を受け始めているのかもしれません。で、先にも述べましたが、あれこれ条件が合うと多少コストを下げることができて、どちらも似たような価格になるような気がしています。コストが近くなった場合に、船と飛行機でどうかとなると(船を主体に書いてみると)
・船旅は、船でのんびり過ごす時間をどうとらえるかが鍵。
・移動先でマイカーのありがたみは多い。乗りなれた車は安心です。
・船旅は、自宅からマイカーの旅が始まり、終わりも自宅にマイカーで戻る。
・荷物の量を気にしなくてもいいのがマイカープラス船旅。
・旅先ではマイカーの方がレンタカーより多少自由度が高い(予定変更など)。
ってなところが違ってきます。海外ですとマイカーのヒエラルキーでホテルの応対に差が出たりするそうですから、非日常を満喫する旅ではどうかな、なーんて考えちゃうかもしれませんが、日本ではそんなことはないですよね。
ところで飛行機による移動については3段階あるとかで
・最初は空港に行くだけでドキドキ、わくわくする。
・次第に飛行機に乗ることが面倒になり飽きてくる。
・さらに乗り続けると、飛行機に乗ることが怖くなる。
のだそうです。僕は真ん中あたりのステータスかなぁ、と自己分析していますが、まだ第一段階に近い方かもしれません。

とまぁあれこれ思いつくままに書いてきましたが、船旅の場合の船での過ごし方に関してちょっと記しておこうと思います。たいていは飲食および入浴のサービスはもちろん、自販機あり映画の上映あり、ちょっとしたコンサートありと1~2泊を過ごすのに不自由はありません。食事も種々の選択肢(自販機でカップ麺、カフェコーナーでスナック程度に軽く、ダイニングで普通に食事(多くはバイキング))がある上に、持ち込みと言う選択肢も残されていますから不自由はないように思います。
まぁ強いて言うと船上のことですから割高感は否めないことと味わいも期待以上って事にはなりません(僕が苦手な太平洋フェリーの食事も、かなり美味しくはなってきました。今回の利用で意外とよくなっているなぁと実感した次第!)。もちろん飛行機で行きレンタカーを借りてお気に入りのあるいはお目当ての料理店を訪ねた方が、満足感は高いと思います。

それで結論めいたことを書くわけですが、断然飛行機派だった僕ではありますが、今回は船旅も悪くないなぁと思いました。行きは日本海フェリーで苫小牧港から秋田を経由して新潟に着き(およそ30時間)、帰りは太平洋フェリーで名古屋から乗船して苫小牧に戻った次第(およそ40時間)。
どうして船旅を悪くないなと思ったかと言えば、たとえばピアノの小さなライヴを聞き、その時の曲にまつわるあれこれを思いながらデッキに出て夜空の星を見るのはこれはこれでいいなぁと思ったり、数本の映画を堪能し、ため込んでおいた本をまとめ読みする時間もあるし、こうしてどうでもいいようなことを少し整理しながら(整理しているとは言えないかも)書くこともできるわけで、近い将来ネット環境でも整おうものならかなり上手に時間使えそうな気がしてなりません。
加えて、パッキングが上手いとは言えない僕にとって、2つにまとめるべき荷物を大きなカバン4個に無造作に入れて旅先で迷いながら「結局いらなかったね」とか言いながらでも行けてしまう許容範囲の広さも背中を押します。あれこれいろいろな車を運転してみたい僕ですが、レンタカーで選ぶことのできる(価格も含めて)車種にはかなり限りがあることを思うと、やっぱりマイカーの旅って魅力。

タイム・イズ・マネーの状況では迷う余地もありませんが、そうではない(そうではなくできる)場合には、船旅も大いに利用すべき部分があるなぁと感じた今回の2週間のできごとでした。

長々とお付き合いくださってありがとうございました。

2013年11月8日金曜日

食材の誤表記に、考えさせられること。

超一流のホテルで供される食事の、材料誤表記・誤表示で、またぞろ謝罪会見のラッシュになっています。そもそも芝エビなんてたくさん獲れるものでもないので、あまりにありふれた材料になっていたように思いますが、この誤表記の問題はかなり根が深いと思うんですよね。
自分自身いろいろな食材を調達して、それを料理としてお出ししていますから、本当に考えさせられる問題です。例えば美瑛の多くの小型宿泊施設(ウチも含めたペンションやコテージ)では、自家製のソーセージをお出ししています。ですから中には何が入っているのか、すべてわかっています。まぁ実際には豚肉と塩と香辛料を混ぜて詰めているだけですから、いわゆる添加物や着色剤や化学何とかは皆無。でも、北海道産の豚肉は、表記を信じて使っています。
あるいはお味噌でしたら実際に農家さんから仕入れるわけですから、これは間違いなく出所は掴めていると言えます。でも、正直魚介類はじめいろいろな食材を仕入れるにあたって、表示を信じて使うことは避けられません。

謝罪会見で説明される内容は、不作為(だます意図は無かった)とどこでも話されていますが、僕自身は作為であったのだろうと疑っています。と、同時に材料の海老を芝海老と表記することについては、もともと無理があるはずだと考えます。
食材は、安定入手が容易でないことは、仕入れをしている方皆さんが直面していることだと思います。主婦の方から大型のレストラン・チェーン店、そして高級料亭やくだんのホテルのレストランの仕入だって例外ではないでしょう。もともとは「今日手に入る、いいと思われる食材」で成り立つ部分は少なからずあるはずですから、芝海老と1度記載したメニューがいつしか独り歩きし、車海老(さいまき)はブラックタイガーに、越前ガニは紅ズワイガニへと変遷して行く可能性は大いにあります。さらにそこにはコストダウンの圧力も後押ししていることは、紛れもない事実なのではないでしょうか?

一方で、食べる側の味覚音痴も事実としてあると思うんです。僕自身、天婦羅になった車海老とブラックタイガーを見分けられるほど海老に深くかかわっているとは言えませんし、味覚が繊細で優れているとも言えません。お恥ずかしいお話しですが、お寿司でたまたまあったカレイとヒラメをお願いしたことがありますが、ほとんど味の差はわかりませんでした。増してや神戸牛なのか米沢牛なのか、たまたま素晴らしい霜降りの輸入の牛なのかとなると、食べてもわからない、と言うのが一般的なような気がします。

総じて食を(料理を)供する側としては、○○の海老等の表現は控えて行く方がいいように感じています。食材にもっともらしい形容を付けてみたところで、美味しくないと本末転倒なように思えてしまいます。天然酵母で国産の小麦で・・・、でもあんまり美味しくないパン(でもってちょっぴり高い)を、ありがたく買うようなことは止めた方がいいですよね。美味しい「食」のために許されるコストの中でそろえた結果、こういう食材を使っています、と美味しい優先で(もちろん安全は絶対優先で)行けばいいんじゃないでしょうか。
お客さん:うーん、今日の海老天、うまいねぇ!
店主:ええ、実は活きのいい車海老がお値ごろで手に入ったもんですからね・・・。
でいいと思うんですけど?

食べる側としては、自分自身の“美味しい”のモノサシがあったらいいと思います。そういう僕自身、これがなかなか怪しくていけませんが、でも、食べることは生きて行く上でとても優先順位の高い「満足」の一部だと考えています。せっかく食事をするんですから、ぜひ美味しく食べたいなぁと。そのためには、食と食材に、少しでも興味を持ったらいいんじゃないでしょうか。メイクイーンと男爵の違いを、料理をする人は誰でも知っていると思います。あまり値段は変わらないと思いますが、何を作るから男爵だ、ということは当然あるわけです。そこからどんどん派生して行って少し食材に知識が加わると、このシシャモは北海道産なのか輸入品なのかはわかるように思います。そうした食べる側(買う側)の目がレベルアップしていくことで、少しでも誤表記の居場所がなくなるように思います。

今日の画像は、美瑛のカフェ「北工房」さんで購入したコーヒー豆。いつも買っているタンザニア(いわゆるキリマンジャロ)が欠品中で、じゃあモカは、と聞くとこれまた欠品。本当に材料の入手って思い通りにいかないでしょ・・・!それならオススメは何かと問うと、これかなぁと言うことでグアテマラの豆を買いました。さっそく家に戻って淹れてみたらこれが美味しいんですよね。うーん、あんまり違いの分からない僕の味覚って、やっぱり問題ありでしょうか?

2013年11月6日水曜日

日本シリーズは、楽天が勝ちましたね!

少し「旬」が過ぎたネタですが、今年のプロ野球日本シリーズは見応えがありました。スポーツで何が好きかと言うと、サッカーも相撲もテニスも好きですが、何と言っても野球は別格です。幼少のころから何は無くてもグローヴだけは僕はじめ運動音痴のあいつも、ひ弱なあいつも持っていたんじゃないでしょうか・・・?これが県別になると不思議で、静岡出身のカミさんの小学生時代は猫も杓子もサッカーだったとか。ま、とにかく愛知県で成人するまで過ごした僕は、うまい下手はさておき野球少年だったわけでありました。

で、今年の日本シリーズです。まさか楽天が先行して勝ち星を挙げるなんて思いませんでした。楽天選手及びファンには聞き捨てならない物言いかもしれませんが、やっぱり投手中心に層の厚さはジャイアンツが圧倒していますから、勢いに乗る楽天でも崩せないだろうと思っていたんです。
ところが展開は違いました。でもって最終戦まで行くとも思えなかった。4勝1敗でジャイアンツ。こう読んでいました。しかし楽天の3勝2敗になった時点で田中を残している楽天が決めるだろうと予想変更。逆に言えば田中で敗れると勢いづいたジャイアンツが連勝して楽天が日本一になれないのはイヤだな、と思う自分もいました。

判官びいきの僕としては、物言わず楽天に肩入れしてしまうのですが、監督の星野仙一はドラゴンズOBでもあり、ここ北海道からしたら仙台&東北はお隣でもあり、3・11の復興にがんばる東北ファンにいい気分になってもらいたい気持ちもあり、予想はジャイアンツ有利と見てましたが、気持ちは楽天でした。

さて、日本シリーズを楽しんだ結論から申し上げると、ちょいと出来過ぎだったようにも思いました。勝って欲しかった楽天が、最終戦までもつれた試合をモノにして日本一になったのですから大いに満足ですが、こんな展開ってまるで誰かの書いたシナリオみたいじゃないですか・・・?ま、書いたとすればそれは神様であろうと思うわけですが、田中投手の動向に注目してちょっと感じたことを書いてみます。
まず、6戦で不敗の彼が負けたということ。しかも2点差を付けられながら、田中は160球投げて完投しました。はっきり言って投げ過ぎですよね。勝っても負けてもこれは球数が多い。昨季から30連勝中の田中が(CS等も入れると32連勝中のはず)、ついにジャイアンツに打ち込まれました。途中から田中のストレートに的を絞り、150kmを越える球をどんどんヒットにして行きました。これで追いつかれて3勝3敗。やっとあたりの出て来た坂本、未だ不発で不気味な阿部が翌日打ち出せば、もうジャイアンツの猛攻を止められるピッチャーは楽天には残っていないような気がしました。岩隈が1ポイントで楽天に移籍してくれたらなぁーと真剣に思っちゃった。
果たして翌日、またしても楽天が先行で得点して行きます。おまけに6戦で当り出した坂本は不調に逆戻りし、阿部に至っては結局シリーズ中不振を極めました。で、出て来たのが前日160球投げた田中です。何でも「志願して」とか。そもそもベンチ入りしていることすら疑問ですが、最終回のマウンドに彼は立ちました。で、走者を二人置き、場合によっては同点の場面を抑えきって胴上げ投手になりました(胴上げされたのかなぁ・・・?)。田中のすさまじさは、誰もが感じたことでしょう。でも、判官びいきの僕は、田中には出て欲しくなかったなぁ。きっと田中がベンチに入らなければ、誰か別のピッチャーがベンチ入りできたはずですし、胴上げ投手の栄冠も誰かが経験できたはずです。もう田中は「これ以上ない」くらいのシーズンを過ごしてきたわけですから、少し他の選手に配慮があっても良かったように感じました。
もっとも田中がベンチ入りしていることで、ジャイアンツも意識し、楽天選手もアイツがいるから勝てる、という気分になったかもしれませんから軽率なものいいはいけませんけどね。

神様、仏様、稲尾様にも迫った田中投手。野村が成しえなかったリーグ優勝、に加えて日本一の栄冠。震災後の東北にたくさんの元気を振りまきながら、星野が何度も宙に舞いました。

後記(11/07):
ちなみにジャイアンツの原監督は、素晴らしい監督だと思います。ジャイアンツのいろいろな体質が原監督の代で変わるはずもありませんが、粒ぞろいの選手を集めて惨敗した年(2006年だったかな)に、彼は選手に言及せず、一身に責任を背負っていました・・・。あれから原ジャイアンツの快進撃ははじまったんじゃないでしょうか。



2013年11月5日火曜日

朝霧に包まれた美しい景色。



瞬く間に、季節が走り去って行くかのような美瑛です。もうしばらくすると、美瑛は銀世界。そうですね・・・、2~3週間後にはすっかり真っ白くなることでしょう。そして「今」の美瑛はその前の晩秋の輝きが見事で美しいです。



ついに落葉松が綺麗に黄葉しました。この輝くような黄色と、秋まき小麦の芽の緑が、美瑛の秋のイメージカラーではないでしょうか。おまけに10月から11月にかけて、朝、霧に包まれる日が多いのです。霧がゆっくりと晴れてくる頃に、少しずつ見えてくる落葉松林の黄色と小麦畑の緑色に出会えます。

霧の出る日はたいていお天気のいい・・・、そう快晴になる日の朝ですね。朝日が燦々と降り注いでいますが、気温は低い。まぁ氷点下まで行くか、行かないかくらいです。綺麗な景色に見とれていると、寒さで指先が冷たくなってしまいます。



薪割りや、自転車の片付け、タイヤ交換なんかに追われながらふと丘に目を向けると、びっくりするような美しさが待っています。

愛車について・・・。

10/27、インドでセバスチャン・ベッテルがF1ワールド・チャンピオン・シップ4連覇。今日(11/3)はポール・ポジションを僚友マーク・ウェーバーに奪われたもののレースでは堂々の優勝で7連勝。圧巻と言う以外に言葉が見つかりません。
一方同じく本日、東北楽天イーグルスが日本シリーズ最終戦にジャイアンツを3-0で下して日本1を勝ち取りました。エース田中は昨日160球を投げて完投するも、2-4で敗戦投手に。にもかかわらず、今日の最終回に志願してストッパー役を果たして見事にリベンジしました。今年のジャイアンツは投手層が極めて厚い上に、息の抜けない強力打線を擁しています。そのジャイアンツとフル試合(7戦)かけての4勝3敗、星野マジック、田中と言う逸材もありましたが、正直まさか楽天が勝つとは思っていなかったので、嬉しい気持ちです(僕は判官贔屓なので、楽天応援してました)。

そんなスポーツ・イベントたけなわの文化の日、朝から小雨の降る日に薪割り(もう来年の分ですけどね)もできず、思い立ってクルマの試乗に出かけました。
そもそも試乗に出かけるのは、気になる車があるとか愛車を購入(買い替え)したいとかの事情があるわけでありまして、当館「四季」の愛車事情を少し記しておこうと思います。当館にBMWの1を迎えたのは、気がつけば2年前。こちらのクルマはさすがに不具合もなく、直列6気筒エンジンはまるでモーターかなぁ?とでも言いたくなるくらいのスムーズな回転と共に、ドライヴァーを至福の領域に誘います。しかも、心配していたよりもトランクが大きいので、もともとお客様の送迎に考えていた役割にはぴったりです。それなら試乗に出かける必要もないじゃないか・・・となりますが、13年を迎えるもう1台の愛車プジョー206がさすがに不具合が多くなってきました。
僕としては、古いクルマに乗り続けることに対して何の抵抗もありませんし、むしろできるだけ長く乗り続けたいと考えています。エコカー減税やるよりも、乗り続け減税やった方が環境には断然いいと思いますが、それじゃ自動車メーカーが困ってしまいますよね。と、またいつもの脱線ですが、14万キロに迫る距離を乗ったプジョーは、リア・サスペンション(右は修理済み)、エンジンのインジェクション(4気筒の内のひとつ)、ラジエーター冷却用のファン(高速側が動いていない模様)、右リアのコンビネーション・ランプのユニットなどなど、手を入れないといけない部分が後を絶ちません。この1年もバッテリーはじめけっこうな修理代をかけて来て、その分愛着も増えて行きますが、いつまでも出費をし続けるわけにもいかないので悩ましいところです。

そんな事情でカミさんとふたりで次期愛車の候補について相談しましたが、
・プジョーの後釜として、コンパクトできびきびしたクルマ。
・できれば4ドアで、マニュアルのミッションがいいな。
・旭川に正規ディラーがあると、もしもの時に安心。
・長く乗りたいので、頑丈でデザインがすぐに古臭くならないクルマ。
・もちろんお財布にやさしい方がありがたいです。
とまぁこんなところが希望の条件ってことでまとまりました。冬季はお客様のご送迎にも出番が多くなるので、そのことも気にしつつあれこれ候補車を探ってみたところ、スズキのスイフト・スポーツ、プジョーの最新型車208GTi、スバルXV(ハイ・ブリッド)、アウディA1、ワーゲンのポロがリストアップされたのです。
現在のプジョーの車検はまだ1年ちょっとあります。来年には消費税も上がりますし、前述の不具合か所の修理などをトータルで見た場合、どういう選択がいいのか、よくよく考えてみないといけないですよね。さらには愛車をBMW1台だけにまとめてしまう判断もあり得ると考えています。

まずは実車を知ろうと出かけた旭川で、スズキのスイフト・スポーツを試乗してみました。
【良いところ】
エンジンはきびきびと威勢よく、元気。
6速マニュアル・ミッションが楽しい。
ちょっと固いけど、懐深いサスペンションで乗り心地良し。
小さいクルマですが、4ドアで使い勝手がいい。
全体的な「運転しやすさ」に親近感あり。
お財布にやさしい価格設定。
【良くないところ】
いくらなんでも・・・と言いたくなるトランクの狭さ。
後席に3人は現実的じゃない(2人プラスお子様まで)。
オーディオがまったく何もない、ラヂオもない。
  →3万円程度でラヂオ&CDを付けられるけど。
やや保守的なデザインで、5年後・8年後はどうかなぁ。
レギュラーだ、と思っていたのにハイオク仕様でした。

続いて鷹栖まで足を伸ばしてアウディへ。お目当てのA1は展示車のみなので、同じエンジンを積む1クラス上のA3に試乗してみました。試乗の感想はA3のものです。
【良いところ】
A1のボディ・シルエットは、とても洗練されていて、オシャレ。
インパネや計器類はシックで、視認性・操作性も申し分ない。
まずまずと感じたスイフト以上に後席は広い。
1400ccながら、ターボ付きのエンジンは十分力強い。
少し固めながら、ダンパーが効いた素晴らしい乗り心地。
ブレーキの効きがいい。
アウディが目指す、クルマ作りのレベルの高さが随所に感じられる。
思いのほか、AT(DSG6速)に違和感なし。
【良くないところ】
モノと不釣り合いとは思いませんが、やっぱり値段が・・・。
軽快というよりどっしり(A1は、もっと軽快なんじゃないかなぁ)。
スイフトよりは随分マシだけど、トランクが狭い。
やっぱりマニュアル・ミッションがいい。

とまぁこんな感じでした。クルマは乗ってみないと運転しやすさや、馴染みやすさなどがわかりません。今日短いながら試乗してみて、随分具体的に感じることが出来たのですが、かえって結論を出すのが難しくなってしまったような気がします。でも、楽しい悩みでもあるわけですから、今しばらく悶々と考えてみようと思っています。

2013年11月2日土曜日

薪ストーヴのやわらかい暖かさにうとうと・・・。




昨年は、10月21日から薪ストーヴのお世話になった。毎年いつ頃薪ストーヴを点けるのか美瑛に来たばかりの頃は意識していたけれども、冬も7回目ともなると「いつものように」って感じになる。今年は今日(11/02)から。少し遅い方でしょうか・・・。

毎年薪の調達及び薪割りは、冬支度の大きな仕事のひとつ。美瑛に来てしばらくの間、当館にやってきた昭和生まれの軽トラックを相棒に、忠別湖近くまで薪材を集めに行っていました。でも、その軽トラックも寿命が来て、今年から丸太を購入することに。
いずれにしてもその後チェーンソーで長さを切って、まさかりで薪を作る手順は変わりません。薪割りしていて思い出すのは美瑛に来た最初の秋。まさかりを振り回すもなかなか薪は出来ず(上手く割れなくて)、ただただ汗をかいて筋肉痛がひどかった・・・。それが年々薪割りに慣れて、けして筋力には恵まれていない僕でも1年分の薪割りが普通に出来るようになるものです!
ペースが出て来るとこれはこれで楽しい作業。3度の食事の方が断然好きではありますが、時の過ぎるのも気にせずに、1日中まさかりと戯れていることもあります。ひとりでやれば、疲れない範囲で自分のペースですから、そんなに辛い仕事ではないんですよね。お客様に暖まってもらう時の、あの嬉しそうな表情を思い出したり、毎日薪ストーヴに火を点ける時に「僕が割った薪で、今日も暖まるぞ」と思ったり・・・。主婦の方が食事の準備をしたり、洗濯物を片付けたりするのと同じように、薪割りで時間がいつしか過ぎている感じでしょうか・・・。

ちなみに薪ですが、木が乾燥していることが絶対条件です。時々2年以上放置して乾燥させた方がいい、のような記載にも触れますが、木の乾燥にはもっと大事なことがあります。
(1)薪用材は、晩秋から初冬に切ったものを使う。
(2)薪にしてからがよく乾く。
(3)風通しのいいところで保管。
とにかく(1)はとても乾燥に影響があります。樹は、秋になると水の吸い上げを極度に絞ります。これは真冬の北海道で樹が凍結してしまわないように、樹自身がコントロールしていると思われます。逆に春に切った木材は水分たっぷりで、2年干しても3年干しても薪材にはならない気がします。晩秋に伐採した木材であれば、少し細かく割って風通しのいいところに保管しておけば、半年もあれば十分薪になるようです。



北海道の冬は、厳しい寒さに覆われます。でも、家の中は薪ストーヴでぽっかぽか!ゆるゆると燃える火をぼんやり眺めていると、なぜか睡魔がやって来てうとうとと・・・。これはもしかすると太古の昔から、火を焚く時に人は獣たちの襲撃の危険から解放されて、緊張を解いた経験が深く刻まれているからだろうか・・・?なんて勝手なことを妄想しながら気が付くと15分ほど眠りに落ちていたようです。

薪ストーヴの暖かさは、何とも不思議なやわらかさ。石油ストーヴや、エアコンの暖かさとはどうしても同じとは思えない僕です。


2013年10月30日水曜日

丘の多くは農家の方の作業場、という現実があります。


今年こそは・・・、今年だけは・・・、今年くらいは真夏の繁忙期に入っても10日に1度くらい更新したかったこのブログ・・・。結局6月15日の記事を最後に、4か月以上も放置してしまった・・・。かろうじて(言い訳みたいだけど)、Facebookの更新は多少はやっていたので、この夏何がどうなったのかを思いだすのには都合がいいですね。ブログを蔑ろにしてFacebookに記事を(というかまぁアップするネタを)更新していると、そもそもブログで何をどう表現しようかと少々考え込んでしまう自分がいます。もともとは「美瑛の今」や「当館四季のあれこれ」をお伝えするのが主眼で、そこに僕個人の趣味や個性が重なって、このブログらしさが醸されて行けばいいのかな、と思っていましたが、主眼の方は概ねFacebookで事足りてしまう。お知合いの中にはFacebookに統一して、ブログは止めたという方もいます。

そんなことをもやもやと考えているうちに、こちらのブログの方はより「僕と言う個人」がもっと出ていてもいいかな、と思うようになって来ました。Facebookの交流度と比べたら断然狭いブログ。こんなものを見て(読んで)下さる方は、きっとFacebookの記事に飽き足らない人に違いないんじゃないかな、でもって僕自身の少々微細な覚書的な存在でいいように思えて来ています。
僕個人の感覚では、Facebookに長々と文章をつづるのは少々いただけない。サラッと書いて、後は写真やリンク先でどうぞって感じ。鮮度の良さみたいなものが大切。ツィッターまでは手を出せていない(今後も予定なし)ですが、単刀直入の意見があれこれと交流して情報交換が活発な感じ。となると、ブログはやっぱりだらだらと文章が長引いて、自己完結もいいよね(でも、その分大変だし、個人の中身が見えちゃうけど)と、どうにか自分を納得させています。

とまぁ前置きが長いのは相変わらずの僕らしさでご容赦いただきたいところですが、今回のお題は秋の美しい美瑛の風景に酔いながら、観光地としての美瑛への思いです。
と言うのは、昨年(2012年)から今年にかけて、美瑛の観光地としての根本的な問題が表面化して来ています。これは美瑛の美しい風景が、丘=畑=農作業の現場=職場=私有地ということに直結しています。僕自身が、そして観光や旅行で美瑛に足を運ぶ人が「うわぁー、綺麗だなぁ」と言って眺めているのは、紛れもない私有地=個人資産ということになります。
そんな丘の風景を、個人の旅の思い出として写真に収めるくらいのことは何も問題にはならないと思いますが、丘に足を踏み入れる、丘の風景や農作業の様子を写真にして販売する、さらには農作業者に「綺麗な景色が見たいから、トラクターを移動して欲しい」と要望する、畑にクルマで入ってぬかるみにはまり、農作業者に救助を請う・・・などなど。書けばきりがないくらいに個人資産としての丘の風景は、危機にさらされています。

これが国立公園、のような存在であれば、国が遊歩道と柵を設置し巡回する監視員兼ガイドを配備し、と手が打たれることでしょうけれども、私有地の畑を守るために税金投入はできません。

美瑛の丘が柵もなく立ち入り禁止看板もなく、という現状は、実は農家(丘と言う資産の所有者)と観光者・旅行者間の最低限の信頼関係があったと思うんです。旅行者が勝手に畑に入ったり作業の邪魔をしないかわりに、お金のかかる柵や看板はなくてもいいや、ということではなかったかと。
ところが2012年度の美瑛町の観光入込数は140万人。お恥ずかしいお話しですが、美瑛に来て間もないころ、僕は「そこは入らないで下さいよー」と農家の方から注意されたことがありました。え、あぜ道なのにダメなの?と思った僕ですが、未舗装部分は畑の一部と言うのが美瑛の丘の基本です。僕からしてその程度ですから140万人の旅行者の皆さんの中には「ここはいいよね?」と少しの悪意もなく畑に入ってしまう方も大勢いるはずです。さらには「ちょっとだけ麦畑の中で写真撮りたいな!」とさらに1歩を踏み入れてしまう人も・・・。

美瑛の丘が、柵だらけ・看板だらけにならないように、どうしたらいいのか知恵を出すことを迫られています。ここでサービス業をなりわいとして生活する僕たち自身が、一番気にしないといけない問題が、もう避けて通れないところまで来ています。
美瑛を訪れた人があたたかい農家の方とのちょっとしたふれあいの瞬間を持っていただけるように、どうしたらいいのか。ただ「あれダメ、そこダメ」と声高に叫んでみるばかりではなくて、それぞれの(農家&旅行者)という立場を、それぞれが信頼し合うことができるように、どうすればいいのでしょうか?いろいろな水際作戦が立案されていますが、それは即効性のある策として実施していただくとして、一方で農作業というものを知る機会があまりに無さ過ぎるように感じてもいます。農作業や農作物を連続的に続ける実情を知れば自ずと「畑に無断で侵入する」ような行為が減って(さらにはなくなって)行くような気がします。

2013年6月15日土曜日

丘を彩る美しい畝。


昨年も、ブログの更新が6月に入る頃から滞り出して、7月にはついに更新せずで終わってしまった・・・。そこへ行くとFacebookは気が楽で、あれこれ難しいことを考えることもなく写真とちょっとしたコメントだけで記事をアップしていくことができますね。できればFacebookにこまごまと(あるいはとりとめもなく)記載して、少し気になったことについてブログに書き記して行けたらいいなと思うものの、その気になったことに解を見出す間もないままに時間が流れ去って行く感じです。
何とか10日に1度くらいは記事をアップしたいなぁー。書きたいことはたくさんあるんだけど・・・。

さて、今回のお題は「畝の美」とでも言ったらいいのかな、とにかく丘を彩る耕作の軌跡が何とも美しくて、毎年この時期になると見とれてしまいますね。特にどこぞの畑がとびきり芸術的!ってわけではなくて、美瑛の畑はどこも美しい幾何学的ともいえるラインに覆われています。
それで思いつくのが、京都とかの庭園の玉砂利。あの白い玉砂利に描かれている、何とも言えない美しい紋様に、美瑛の丘の畝のラインも通じるものがあるんじゃないかと・・・?まったく関係ないことなんですけれども、こんなところに日本人の几帳面さと美意識が表れているように感じてしまいます。

もしもアメリカ人が耕作したら、もう少し遊び心のある畝を作ったかもしれないなぁー。フランス人なら美的センスを最優先にアートの世界を描き出したかもしれないし、中国人だったら何か目立ったマーキングを施したりしたのかもしれません。少なくとも、見ただけでどこのどちらさんかわかるような雰囲気は出ていたのじゃないだろうか?
そこへ行くと、北の果ての北海道だって、紛れもない日本。日本人のハートは、どうしても几帳面で強い個性を放とうとはしません。でも、トータルとしてみた時の美学は、しっかり息づいている。うーん、なんなんでしょう、この「日本人らしさ」みたいな気配って?

やがてジャガイモ畑(真ん中の写真です)に芽が出て花が咲きます。その花も、きちんと整列していて、お花畑でもないのに本当に綺麗になる事でしょう。
どこまでも続く美しい丘の畝のラインに見とれながら、あー、日本の絵だなぁ!と、ひとり心和む時間を噛みしめている僕です。


2013年5月28日火曜日

風薫る、光り輝く丘に囲まれて。

美しい風景に心も踊る美瑛です。

さて、前回の記事の最後に少し書いた北海道の“ゆるキャラ”キュンちゃんについて、少し書き足しておこうと思います。そもそもゆるチャラに詳しいはずもなく(はっきり言いますと、そんなに興味もなく)、キュンちゃんについて客観的に書けるかどうか怪しいんですけどね・・・。
で、さっそくキュンちゃんの概要ですが
※北海道のナキウサギがモデルになっています。
※角(つの)がありますが、エゾシカのかぶり物をかぶっているせいです。
※時々かぶり物を替えます(美瑛・富良野では、キタキツネのかぶり物)。
とまぁ、なかなかよく考えられたキャラです。でもって、僕のようないいおじさんが語るのも失礼ですが、かわいい・・・!身びいきあるいはご当地びいきを覚悟の上で書いてしまうと、全国の1000を超えるゆるキャラの中でも、トップクラスの完成度ではないでしょうか?
なんだかすごいキュンちゃん熱に罹ってしまったように書いていますが、そうでもありませんのでご安心を。キュンちゃんについては、下記サイトを見ていただきたいと思います。
http://www.visit-hokkaido.jp/t/kyuns_room/

振出しに戻って光り輝く美瑛の丘のご紹介です。ここでキュンちゃんがいたら「キュキュ、キューン、キュッキュッ、キュン」とか何とかの記載の後に(解説)という後に続いて「とっても綺麗な景色を見たよ」みたいに書かれています。
ま たまた脱線しちゃいました・・・。ゴールデン・ウィークから先週の週末あたりにかけて、僕にしてみると手強い(?)お客様がいらしていました。パン教室を主宰されていたり、写真の腕が素晴らしかったり、自分も宿屋さんをやろうと志していたりする方たちがお泊りになっていたんです。
写真好きの方を例に少しご説明しますと、ご要望のハードルが高い・・・。
・桜の花と白樺の新芽の美しさをバランスさせた構図は狙えないだろうか?
・水面に写る十勝岳が撮れたら嬉しいのにな。
・丘を流れる雲と、日の当たるコントラストを撮ってみたい。
・夕景に空と雲が映える最高の場所はないだろうか?
などなど。数泊される彼の要望を何とか実現しようと選んだのは、早朝スタートの絶景ツアーでした。確かあそこに行くと美しい十勝岳の全貌が水面に写っていたはず。朝早い方が、断然波が静かで鏡面のような水面に出会えることでしょう。
結果は完璧でした。誰もいない静かな水面に、美しい雪をまとった山々が写っています。丘の緑も申し分なく・・・。

こうしてお客様と一緒に行動することで、僕自身の「持ち駒」が間違いなく増えて行きます。少しハードルの高い難題もあったのですが、お客様とご一緒しているうちに少しずつ可能性が広がって行きました。
帰 り際、僕はお客様に「これですべてのカードを切りましたので・・・」とお伝えすると、彼は「あはは、まだまだですよ。しばらくたてばあなたのカードは必ず 増えているはずです。それにしても・・・、今回も大満足の美瑛でした。いつかまた来ます。次も今回以上に期待しちゃうな。」と言って美瑛を後にされまし た。
普段写真を撮りながら、まぁこんなところでどうだろう・・・といつしか妥協してしまう日々ですが、都会からいらっしゃるお客様にとっ てはその数日しかない貴重なお時間です。こうして課題をいただく中で、ほんの少しですが自分自身の糧になって行くことに気づく僕です。パンの先生には、新 しいトライをしてみたり・・・。

上手にお客様に育てていただいている、そう感じる毎日です。


2013年5月17日金曜日

気持ちの良い夕風に吹かれて。




美瑛はゴールデン・ウィーク明け以来あんまり日差しがありませんでした。7日と10日がまずまずのお天気だったのを除くと、ほとんど曇り時々雨。どうなっちゃったんだろう?と心配しましたが、昨日夕方久しぶりにさわやかな夕焼けが見られました。
庭仕事もできないままに(あ、晴れていても大してやらないんですけどね)、家でくすぶっているのにも飽き飽きして、すぐさま丘に出かけました。まだ肌寒い5月の風に吹かれていると、本当に気持ちがいいです。
いつの間にか秋まき小麦が成長して、15~20cm位に伸びていました。これからたっぷり日の光を浴びて、すくすくと育ってほしいです。

庭の桜はまだつぼみ硬し。それでも何となく蕾みの先がピンク色になって来たので、暖かい日差しの強い日が続けば2・3日で開花するでしょうか?待ちきれずに、ミヤマツツジの方が先に開花してしまいました!
よく見るとルピナスの芽が伸びていて、特徴的な手のひらみたいな葉っぱが随分見られるようになりました。雨上がりの庭の端でタンポポの芽を抜きながら(なぜかタンポポは敵なんです!)ルピナスには寛大な僕・・・。まだ福寿草も水仙もカタクリも咲いているので、紛れもなく花の季節は大波になってやって来そうです。その時期は早ければ今週末で遅くても来週の中旬にはってところでしょうか・・・?
それにしても、久しぶりに見る夕暮れの日差しに照らされた美瑛の丘は、ちょっとびっくりするくらいに綺麗です。実はまだところどころに雪が残っているので、日陰に行くとひんやり冷たい空気に包まれてしまいます。すっかり雪が無くなるのは、きっと美瑛の桜が満開になる頃ではないでしょうか。
待ちくたびれてしまった春が、いっきに押し寄せて来そうです。

お話変わりますが、全国で「ゆるキャラ」ブームが続いています。彦根のひこにゃんとか最近ではくまもんとか。美瑛でこういうのって無くてもいいなぁと思いつつ、恐る恐るネットで調べてみたらさすがに無さそうでホッとしました。
で、見つけたのが北海道のゆるキャラ「キュンちゃん」。大雑把に数えたところ、全国にゆるキャラは1000以上ありそうですが、北海道のキュンちゃんは、中でもスグレモノだなぁと感心してしまいました。シャイで好奇心旺盛なキュンちゃんのことを次回は書きたいと思います。うーん、年甲斐もなくキュンちゃんに心奪われつつある僕です。



http://www.visit-hokkaido.jp/t/kyuns_room/

2013年5月7日火曜日

花を追いかけて。

氷点下1.2℃まで下がった朝・・・、それでも久しぶりに目いっぱいの青空が広がりました。5℃までしか気温が上がらなかった午前11時、午後のミーティング前の短い時間を紡いで、美瑛の今を切り取りに行って来ました。

短い時間しかないので、今日はポイントを絞って。最初にクルマを停めたのは「三愛の丘」です。ここはなんて言うのかな、何気ない丘なんだけど、いつ行ってもホッとする場所です。気の利いた展望台があるわけでもないし、姿の美しい木があるわけでもないんだけど、東に屏風のように広がる十勝岳の山々と、南西に広大な畑が丘のうねりを映しています。そしてお気に入りのカフェ、茶屋カーヴさん。このカフェは、コーヒーを飲むというよりも、何と言っても美味しいソフトクリームがイチオシです。ふきのとうが競うように芽を出した道路わきに、遅い北国の春を感じる日になりました。

三愛の丘を後にして、次にクルマを停めたのは、千代田ファームの駐車場です。展望台は風が強くて寒いので、今日はパス。その代りに会いに行ったのは、道路わきのわずかな湿地に咲くミズバショウたちです。何となく、毎年株が増えている様な気がするんですよね。今日ざっと見た感じでは、30~40くらいの花があったんじゃないかなぁ。
日陰で少し見つけにくいかもしれませんが、こんなところにも野生の春の花が目覚めるようになりました。可憐でもありますが、厳しい寒さをやり過ごして来た逞しささえ感じてしまったなぁ。

最後は家族の木付近のアスパラ畑の様子を見に・・・。そう、もしかしたらアスパラの芽がほんの少し顔を出しているかも・・・?と期待したんだけど、それは無かったなぁ。せっかくなので哲学の木を撮らなくちゃね。
今年の哲学の木の畑では、小麦(秋まきですね)が育っている様子。小麦畑に浮かぶ哲学の木が、これまた絵になるんですよね♪。6月中旬には小麦の揺れる畑の中の哲学の木が撮れそうですよ。

明日8日からは、気温も15℃くらいになるみたいです。期待しましょう♪

2013年5月3日金曜日

花の季節を待ちわびて。


5月3日、午前3時・・・、しんしんと雪が降っています。昨年の4月1日は結構な雪が降って積もりました。これって絶対エイプリル・フールだ・・・!と思った僕ですが、今年はそんな冗談を言っていられるほどのん気な気分ではありません。だってもう5月なんですからね。風薫る5月。梅雨が始まる前の、爽やかですがすがしい季節、そう記憶している僕にとって、昨日2日の最低気温は氷点下1.5℃。今年の冬将軍は、ちょっと頑張り過ぎです。そう無理しないでくださいなってお伝えしたい。

ひたすら花の季節を待ちわびる僕は、旭川への買い物のついでにぐーんと足を伸ばして、男山自然園に行ってみました。旭川市街地から、クルマで20分くらいでしょうか。ここは旭川の老舗酒造メーカーの管理する、ワイルド・フラワー咲き乱れる丘陵地です。毎年行きたいと願いながら、絶景のこのタイミングに時間が作れなくて、GW終了と共に花たちも盛りを過ぎていたように記憶しています。ところが今年はピークはこれから・・・。絶対にもう1度連休明けに行きたいな。

で、肝心のお花たちですが、日当たりのいい南向きの斜面ではカタクリが2~3分咲きくらいでした。まだ雪解けしたばかりの丘陵地には、カタクリはじめ北の大地にひっそりとたたずむ野生の花たちの蕾がびっしり。ブルーが可憐なエゾエンゴサクが一番早くて、すでに満開だったような気がします。それから福寿草もしっかり咲いていたなぁ。
もうちょっと日が当たって暖かくなれば、一面のカタクリは一斉に咲き始めることでしょう。推定では、6日か7日あたりには見られそうな気がしました。エゾノリュウキンカやミズバショウもスタンバイしています。
こちらの自然園の開園は、確か12日まで。毎年3週間ほどの今の時期だけ公開して、また11か月ちょっとの間は人が行けないまさに「ワイルド・エリア」になるんですよね。行ける時にぜひ行かなくっちゃ。
http://www.otokoyama.com/otoko_b/otoko_b3/

2013年4月29日月曜日

すぐそこにある「花の季節」。

お祝い事やら、一周忌やら、あれやこれやの所要があって、8日間ほど帰省していました。半年ぶりに戻る愛知県は、もちろん桜も散ってつつじやハナミズキが満開。まさに旬のたけのこやアサリが美味しかったー!
あれ、いったいなにしに帰ってたんだっけ・・・?

美瑛に戻りGWのお客様をお迎えしましたが、なんと28日の朝は雪!!!こんな時期に薪ストーヴに火を入れるのは、移住して7年目になるのに初めてのこと。さすがにびっくりしています。パンをこね終えて火を起こしている最中に
「あのー、マウンテンバイクをお借りできませんか?」とお客様が・・・。
昨夜から、できれば自転車で丘の景色を満喫したいとおっしゃっていたので、僕ももう少しいい天気を期待していました。
「少し雪が積もっているようですので、ちょっと危ないかと・・・」
そうお断りすると、そうですよね、とちょっぴり残念そうな横顔で代わりにお散歩をしてきます、と小雪の中を出かけて行かれました。少なからず申し訳ない気持ちになりますね、こんな時って。

毎年ゴールデンウィークは花の季節の入り口で、ワイルド・フラワー好きにはたまらないタイミング。桜が咲くのは5月10日頃ですが、ふきのとうが芽を出して、最初に花を咲かせるのは福寿草やクロッカス。暖かい年だったらカタクリやエゾエンゴサクも見ごろを迎えているかもしれません。
残念ながら今年はカタクリとエゾエンゴサクはまだまだでしょうか。

冬も雪も大好きな僕。でも、さすがにそろそろ春の強い日差しが欲しいなぁ。畑にいろいろな緑が溢れて、すがすがしい明るい朝の美瑛が恋しくなって来ました。少しずつアスパラが出回り始めたこの頃。もちろんこれはハウスのものだけれども、季節がしっかり動いているのは間違いのないこと。花に溢れた美瑛も、もうすぐそこに来ているはずなんだけどなぁ。

2013年4月7日日曜日

美味しいお菓子はココ!

春まだ浅い~、と言うよりは春まだ遠い!と言えなくもないかな。雪に閉ざされた大地。幹線道路はおおむね路面が顔を出したけれども、北海道はまだ銀世界の中。それでも畑の雪は嵩を下げて、畦は地面が見えている斜面も。よーく見るとふきのとうを見つけることもできるこの頃です。
まぁ、やっぱり浅いけど春ですね。

今日はそんな春の日差しに誘われて、富良野まで足を伸ばしたのでした。今日目指したのは「六花亭富良野店」。お目当ては、六花亭の季節のお菓子たち・・・!北海道を代表するスィーツのお店です。
六花亭のお菓子は、どれも材料にこだわって極力北海道産を使い(一部、たとえば「栗」が信州や岐阜のものがありますね)、小さくて買いやすいお値段。たまたまお知り合いのお豆類の農産物販売をされている方が、納品していらっしゃいますが、品質管理にも厳しい基準を設定して受け入れているとか・・・。
製品は美味しくて買いやすい値段設定に心がけ、材料は吟味して使う姿勢は、六花亭の盛況ぶりの秘密かもしれませんね。たぶん会社のアイデンテティーみたいなものが社員に共有され、経営者も社員もさらに納入先や顧客までもが六花亭ブランドを大切に育んでいるように感じられます。

六花亭直営店で嬉しいのは、
・お菓子が1個単位で購入可能。
・コーヒーの無料サービス。
・眼前に広がる十勝岳連峰を望む、広々とした店内の雰囲気が抜群。
ってことでしょうか。お菓子は45円から200円くらいまで種類豊富。直営店でしか購入できない(しかもテイクアウトではなくて、お店で召し上がっていただく)お菓子もあれこれあります。目移りしていっぱい買っちゃうのは僕がいけないのか、六花亭の罪作りなお店がいけないのか・・・?
特段スィーツの熱心な信奉者ってわけではない僕も、時折このお店に足が向きます。

すぐ近くには富良野ワイナリーがあり、周囲の丘はほほとんど葡萄畑。葡萄畑の丘に囲まれたワイナリー&スィーツのお店は、美瑛・富良野にいらしたらお寄りいただきたい場所だと思います。

2013年4月5日金曜日

青い池が、少し融けて来ました。

およそ5か月ぶりに、白金街道を東に向かって「青い池」まで出かけて来ました。映像作家の山崎一さんからの情報で、少し融けて来たよ、と教えていただいたので早速出かけることにしたのです。

まだ駐車場は除雪がされていないので、途中の引込み道路でクルマを停めます。長靴に履き替えて、どんどん奥に入って行くと、やがて池が見えて来ました。立ち枯れの木々のある池の中央あたりに、直径5~6mってところでしょうか、水面が表れています。
さんさんと降り注ぐ春の日差しに、雪が融けて氷におおわれていた池が少しずつ大きくなる様子がわかるような錯覚をしてしまいます。
まだ青い池特有の深いブルーの色には程遠いのは確かですが、早春の北海道の国立公園内の池の様子は美しいと思いました。

木曜日と言うのに、けっこうな観光客の方が足を運んでいて、中にはなんちゃってブーツみたいな靴でいらっしゃるケースも。雪は所によって40~50cmも深く足が埋もれる場合がありますから、用心してくさだいねー。
池の周囲の木々は、えぞ鹿が食べたであろう痕跡で、ちょうど胸の高さくらいまで皮がはぎ取られていました。鹿も冬の間は食料が無くて、ひもじい思いをしていたんだろうなぁ・・・。まだ草花の緑が出て来るまでには2~3週間はかかりそうですが、やっと鹿たちも美味しい御馳走にめぐり合えることでしょう。

こうして青い池が融けはじめると、なかなか目が離せそうにありません。水面の様子は刻々と変わるので、少しずつ大きくなる池と深まるブルーの色を見に行かなくっちゃ。ゴールデン・ウィークの頃にはすっかり元の青い池になっているはずですが、そうなって行く途中経過が気になる僕です。

2013年4月2日火曜日

お客様に育てていただいて・・・。

春が一瞬押し寄せて、わっと明るくなって、雪が消えて美瑛にやわらかな日差し。でも、そう簡単に美瑛に春が来るわけではありません・・・。そろそろ春の欠片くらい実感したいなぁ。

そんなわけで春の気配をほんのちょっぴり感じながら、今回もまたお客様をお連れして美瑛の美しいスポットにご案内しました。よくあるやや押し付け気味な、この時期の僕・・・。
自分でも不思議なのが、風はどなたが何とおっしゃろうとも「春のぬくもり」なのに、目の前の風景はこれまた紛れもなく「冬景色」。風を受ける体と、目の前の景色を見つめる頭が、ちょっと混乱する今の季節です。

そんなごちゃごちゃを気にも留めずに、お客様のお子様たちが目の前の景色にかぶりついています。
「そこから先には入っちゃダメだよー」
「ハーイ!」
うん、聞き分けのいい子たちだ!そう言えばこの冬は、ここクリスマス・ツリーでも、哲学の木の付近でも、観光の人が畑に入ってしまうケースに遭遇しなかったなぁ。冬は足跡が残るので、余計に残念に感じてしまうんです。でも、ほとんど足跡見かけなかったんじゃないだろうか。ってことは、いい冬だったってことですよね。

月曜日、帰宅されたお客様からメッセージが届きました。
『私は、リタイヤまではこちらにおりますが、その後の選択肢が県外に出現するとはマジで想像していませんでした。ガボ~ン!昨年末、娘にこの話をしていたら「北海道?私もいかなイカン?TDRがいい~!」って言ったことでしょう。でも、旅が終わって「お父さんのいう事聞いといてよかっただろ」って言ったら「ハイ!」(満面笑顔)だそうです。』

お客様って、良いことしか言って下さらないものですが、こんなコメントに励まされる僕です。小さいながら宿屋の親父をやってて良かったなぁと、しみじみ嬉しくなる瞬間。ありがとうございました。

2013年3月29日金曜日

ワインのあれこれ。

美瑛の「四季」に、どうしてワインが割り込むんだ?というご指摘もありますが、今回は(も)、お付き合いください。

僕はよくある酒好きのひとりですが、同時にお酒に弱くもあります。でもってお酒好き且つ美味しいもの好き。どうもビールは美味しさにかまけて杯を重ねるとお腹いっぱいになってしまうし(ですから最初の乾杯にもっぱら限定かな)、日本酒でちょっと気取ったものは、食べる方が「つまみ」になっちゃう。ウィスキーは、食事の時にいただのには適さないし、となりますとワインと言うのは誠に具合のいいお酒です。ま、それでも僕はすぐに酩酊してしまうんですけどね。

それで美味しいものを作ろうってなると、あるいはカミさんと一緒に作るとか、作ってもらうとかすると、ワインのことが頭の片隅から離れません。あれ、なんかアル中(ワイン中)みたいな感じの書き出しですが、そんなことないですよ。毎晩飲んでませんし。
言い訳が出て来たところで戻りまして、ワインのお話しです。美味しいものもそうですが、ワインだって安いに越したことはありません。美味しくて、値段が張らない!いいですよね。パスタ生地を打ちながら(たいていはラビオリとかラザニア)、うーん、ワイン何にしよう・・・?パンこねてクルミを混ぜながら、あのワインと行けるかも?こういう連想は、会社勤めで資料に埋もれ、スケジュールを組んでいた頃には無かった悩み(であり、もちろん喜び)です。

美瑛は野菜が美味しいところ。野菜の甘みがワインとフィットしないこともありますが、ジャガイモやユリ根などの根菜類は、赤ワインとも白ワインとも仲良し。根菜でしたら今も(おおむね1年中)地元産が手に入りますしね。意外にワインと美味しいのがごぼう。ごぼうって赤ワインとうまくフィットするんですよ。細く長めに切って、素揚げにしてお肉とかお魚に乗っけたら、ばっちりなんだなぁー!それから・・・ラビオリ生地を自家製のミートソースと一緒に焼き上げて、えーとワインはちょっと凝縮感あるチリ産の赤ワイン。できたら白ワイン→赤ワインとスイッチしたいけれども、ワインもそんなには飲めないなぁー。
先日のスペイン産のワインも良かったけど、このチリ産「オヴェハ・ネグラ・ロスト・バレル」も美味しいじゃありませんか!ワインって物語を飲む部分がありまして、そこには作り手のこだわりや産地の特徴や、ひいては生産年だとか葡萄品種とか・・・。それもそうですが、ただ単に、料理とワインが美味しい!これ以上のウンチクなんて、僕には通用しないぞ(ワイン分かっていないひがみでしょうか?)。

2013年3月28日木曜日

丘の縞模様は、美瑛の春の風物詩。

2月末から3月中旬にかけて、美瑛の丘に不規則な縞模様が広がります。これは融雪剤散布の跡。短い春、駆け足で過ぎゆく初夏、まばゆい夏は気がつけば朝・夕の涼しさが寒さに変わり、やがてやって来る濃密な秋と初雪。
農業を営む人にとって、美瑛の作業時間はすごく限られているのでしょう。少しでも時間を稼ぎたい、早いうちに耕作に着手したい・・・。そんな願いが込められた、丘の縞模様たち。もう一度雪が降ったら一面真っ白になっちゃうから、場合によってはやりなおしです。皆さんスノーモービルの後ろに専用のカートをつけて、撒かれているのは融雪剤と言ったって中身は焼却灰。マスクをしてその上から手拭いで顔を覆った農家さんが、真っ白な畑の上に縞模様を描いて行きます。

そう言えば、街中の商店街の店主さんも鶴嘴みたいな道具をもって、店先に残った雪や氷を一生懸命砕いているのを見かけます。しばらく(1~2週間程度)放置しておけば、問題なく溶けてしまうのに、目の敵のように叩いている・・・。聞けば、もう雪は終わりにしたいんだって。そんなにイヤなのかな?きっとイヤってことより、春を待ちわびる気持ちの方が強いのかもしれないですね。

真っ白だった丘が少しずつ茶色に変わって地面がすっかり顔を出すのはたぶん4週間先くらいでしょうか。それまで丘は縞模様のアートが広がって、まるで春を呼ぶ魔法の暗号のよう。
今年はどんな作物がウチの近所には植えられるんだろう?昨年クリスマス・ツリーの周辺はジャガイモでした。三愛付近は何かな?毎年作付けの種類が変るので、実はとっても楽しみなんですよね。農家さんの真剣な選択からしたら、まったくもって興味本位でエゴなお話し・・・。でも、何だろう。

もうしばらくしたら福寿草に会えるはず。今年はぜひカタクリの群生を見に行きたいな!

2013年3月27日水曜日

冬の楽しみ。

日本全国(北陸&東北&北海道地域を除いて)桜の便りで染まるこの頃ですが、美瑛では今日もしんしんと雪が降りました。いったいいつまでこの雪が降り続くんだ?もしかしたら、このまま秋まで雪融けしないまま行っちゃうのか?なぁーんて不安な気持ちになるくらいに、今現在もしっかり積もった雪の中です。
それでも冬は冬で楽しみはいろいろ。この冬断然いいなぁと思ったのは、2年越しで手に入れたスノーシューです。美瑛は東京23区よりわずかに広い面積ながら、人口1万人。冬季は除雪されない道路があちこちにあるんです。スノーシューとは言っても、好き勝手に丘=畑を歩き回るのはダメ。でも、除雪されていない道路なら、いくら歩いても大丈夫です。
夏の間絶景で知られるパノラマロードも、冬はおよそ半分の三愛の丘までしか行けません。そこから千代田に向かう道は、積雪1mほど。そこをスノーシューで行けば、いつもより目線が1mほど高い位置から更なる絶景が見渡せます。

雪の中、ざくざくと自分の踏みしめる音と風の微かな音だけしか耳に聞こえない世界は、目に飛び込んでくる奇跡的な美しい光景にどきどき、わくわくの連続。少し向こうにいるキツネが、「あ、俺たちの遊び場に割り込んできたな」と面倒そうに林に隠れて行きます。
不思議にぜーんぜん寒くない・・・。気温は氷点下5℃だったりしますが、乾いた北の大地ではまとわりつくような冷たさとは無縁。いつまでも絶景に誘われながら、雪中散歩に興じてしまいそうです。

こんなことが楽しめるのも、たぶんあと2週間ほど。4月中旬は、雪解けが一気に進み、美瑛中(北海道中)が、なんとなく泥だらけになっちゃう季節。ゴールデン・ウィーク直前に丘のうねりが顔を出すまで、ちょっぴり美瑛の絶景は模様替えのお休みって感じですかね・・・?

2013年3月26日火曜日

引っ越して来ました♪


皆さん、はじめまして。そして今までも見ていてくださった方、今後ともご贔屓に!

今まで続けて来たPlalaのブログがサービスの提供をしなくなるとのアナウンスがありましたので、こちらに乗り換えることに致しました。どうぞよろしくお願いします。

当方は北海道の真ん中あたり、美瑛町と言う小さな街でこれまた小さな小さな宿を営んでおる親父です。早いもので、たいした進歩もないまま6年の歳月を数えました。
こちらのブログには宿屋の親父の綴る美瑛のあれこれをアップして行きたいと思っておりますが、何しろ気まぐれな性格ゆえ、内容は散漫且つ熱しやすく冷めやすさの滲むものとなりそうです。

本日3月25日は、美瑛は良いお天気に恵まれました。それでも早朝の気温は氷点下13℃。沖縄から関東地方にかけて、もう桜は満開とのことですが、美瑛の桜開花は1か月半ほど先ではないかなと。
6年前にやって来たよそ者ですので、実は今のところ雪は大好き。仲間内では「理解できない(=変り者)」ということになっておりますが、白銀の世界は幻想的で、何もかもが真っ白でこれはこれで素晴らしいなと感じています。いつまで続くやらですが・・・。

と、いつものように(ってこれが最初ですが)あちこちと話題の定まらぬ記事にお付き合いくださいましてありがとうございました。時折アップして参りますので、またいらして下さい。

ぺこ。