2015年1月22日木曜日

旅行エージェントの、宿泊予約サイト考・・・。

昨日(1月21日)、美瑛町観光協会主催のセミナーに出ました。ホントのことを言うと出たくなかったのですが(だったら出なければいいじゃないか!、そうですね、でもまぁ出たんです)、協会で多少の役割を担当している事情もあって、顔を出してまいりました。

ます、宿泊予約サイトということで思い浮かぶのは「じゃらん」に代表されるいくつかのエージェントです。「るるぶ.com」や「楽天トラベル」、世界的には「Booking.com」なんかがメジャーだと思います(あまり詳しくはないので自信はないのですが)。
で、この宿泊予約サイトの成り立ちは、誰でも知っている通りピンハネ業です(あんまりいい言葉じゃありませんが、これが的確かと・・・)。ピンハネというといかにも悪徳なイメージですが、もちろん旅行エージェントに関してはそうではありません。私たちのような個人経営の小さな宿泊施設の広報を担ってくれるわけですし、ここから集客に繋がるわけですから、その利用料としてピンハネする(宿泊にかかる一部を利用料として徴収する)という仕組みです。

さて、冒頭のセミナーに戻ります。今回のセミナー参画は「じゃらん」と「るるぶ.com」が臨席しておりました。題してデータから見る美瑛の宿泊の現状。
常々意識しないといけないと思っていることの一つは、美瑛とくくってものごとを展開することの危険です。もっともくくらないとお話しできないことも大いにあるわけですから、くくることを否定するつもりはありません。要は美瑛とくくられた話の展開を自身とどう当てはめ(あるいはあてはめずに)、冷静に判断材料にできるか、が求められます。
さて美瑛の現状分析・・・。まぁ、聞くまでもなく自明のというか、誰もが知っている様な内容が延々続き、あるいはわずかな違いを極端に誇張して「これほどの差が」などのお話を伺いました。ざっと記載すると
・女性に人気。
・北海道の中でも人気の高い訪問先。
・リピートしたい旅先。
・自然景観への期待が大きい(宿などに対する期待は大きくない)。
などなど。時間の都合もあるので、今後につなげるお話しがほんのちょっぴりで現状分析(これが何とも新鮮味のない内容だったのですが(あ、分析された方、ごめんね))にながーい時間がかかる展開です。

で、あらためて考えさせられるのは、こういう分析や今後の取り組み的なお話を聞いていると、日本の(もしかすると世界中の)旅行先はどんどん均質化して行く運命にあるなと。概ねここがこうだからこうしましょう、他地域の成功事例は・・・のような感じですよね。
しかし私のような、吹けば飛ぶような小さな宿のオーナーと言う視点からすると、まことにもって面白くない。ヒルトンや、グランドホテルのように徹底したマニュアルの習熟と、上質な空間提供が、王道であろうことは理解しているつもりです。でも、1旅行者として世界中どこへ行っても均質なサービスってあんまり嬉しくない、と思うのです。

では、どうしたらいいのでしょうか・・・?それに対する模範解答を提示できるほど、このテーマは安易ではないのですが(そして私が答えることのできるほど優れていないわけでもありますが)、いくつかヒントになる事はあると感じています。
まず第一は地域の特性を最優先にしてみること。それこそ旅行者の一番の訪問目的足り得るのではないでしょうか。どこに行っても同じなら、大切な休日を使って行く必要がないんじゃないでしょうか。そうなると、他地域の成功事例はまったく参考にできません。
それからもうひとつ、万人受けをやめる、という決心も必要だと感じます。これは、裏返せば均質化と対峙する位置にあります。あんまり断言めいたことを語ることのできる立場では全くないのですが、似たような価格帯の似たようなお部屋構成の、ホームページまでなんだか変わり映えのしない宿ばかりだとしたら、選ぶ楽しさが無いですよね・・・。

そう言えば昨秋のこと、昼下がりに電話を取ると「突然のお電話、失礼します。私ども、SEO対策をやらせていただいております某システムハウスですが・・・」と。感じの良い丁寧な説明でした。私がSEO対策をやるつもりはありません、というと「なぜ?」と来ました。そこで私が、検索に上位に来ることよりも実業にリソース使いたいんです。検索で来ていただけるほど規模もありませんから、とお答えしました。
すると「とは言っても閑散期というものがおありでしょう。別に検索上位に来て邪魔になるわけでもないし」と。確かにそうかもしれませんが、そこはあえて、いえいえ検索4ページ目か5ページ目かでまったくかまいません。むしろ、検索で目立たない方がいいくらいです、とお返事しました。受話器の向こうで「え、そんな話聞いたことないですね。そういうもんですか?」と。
そんなわけで、このご覧になる方も限られた当ブログに、SEO対策の方は電話していただいてもいいお返事いたしませんので、と記載しておこうと思います。
同様に、じゃらんさん、るるぶさんほか、均質化につながる宿泊予約サイトへの登録も予定がございません。

最後になりましたが、いくつかご報告です。
【3月上旬に、しばらくお休みをいただきます】
3月8日(日曜日)から3月15日(日曜日)まで8日間、休館いたします。料理(デザート類)のスクーリングと、北海道フードマイスター上級試験のため、不在となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

【フリー誌「Have a nice PHOTO」に、当館が掲載されました】
全国のカメラのキタムラさん店頭ほかで、入手いただけます。今回の特集は冬の美瑛を撮りに行く、です。16&17ページ見開きに、当館も乗せていただきました。

【美瑛の話題を少々、青い池と映画情報です】
昨年12月20日より、美瑛白金地区にあります青い池が、夜間ライトアップされました。ライトアップの時間は午後5時から9時。期間は2月末までです。ハデさはありませんが、青い池の雰囲気をうまく表現していると思います。写真を撮る方には格好の被写体になると思います。
もうひとつ、美瑛で昨年ロケの行われた映画「愛を積むひと(原題は石を積むひと)」がこの6月に公開予定です。主演は佐藤浩市と樋口可南子。

【冬の美瑛の風景が、あきれるほど綺麗です】
ここに住み、ここで暮らして、目にする風景は「日常」になってしまいましたが、冬の美瑛の景色が息をのむほどに美しいです。だんだん晴れ間の多い日が増えて来て、雲の狭間からさす日の光が、丘を照らす様子が時の流れとともに変化して行きます。まさに自然のライトアップ。このことだけで、また記事を書きたいと思います。

ご参考までに。

1 件のコメント:

  1. はじめまして。空の色が素晴らしいですね。感動してしまいました。なんでも均質化するとつまらないという話も同感です。

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