2015年10月23日金曜日

富士フィルムのカメラ、X-T10



10月初旬、デジタルカメラ、X-T10を購入しました。今年初めにデジタル1眼レフカメラ、Kiss X7を購入していましたし、2013年の1月にフルサイズ機(6D)を購入したので、あまり間が開かないのに思い切って購入したものです。

機械モノ好きというか、もう少しあけすけに言ってしまうとその手の物欲みたいな感覚が抜けない僕でさえ、6D以降はややアクセル全開で飛ばしてしまった現実に、やはり少なからず反省しています(ホントです)。
で、最新のX-T10について購入後500ショットくらい撮影し終えたところですので感想を残しておきます。まず、購入動機なんですが、1眼はCanon機を愛用して来た僕が富士フィルムに魅かれた理由は、T-10のコンパクトにしてカタマリ感のあるデザインと、Jpeg画像における、濃厚で色乗りのいい絵作りです。コンパクトにおいては、先に購入したKiss X7で存分に実感済みで、小さくて軽い1眼レフって楽しいんだ・・・!と思い知らされていました。ではKiss X7で十分ではないか、しかもマウント追加までするなんて・・・、と自分も思ったわけですが、富士フィルムの狙いどころは非常に上手くて(って、それほど売れていないようですけど)、小さいくせに高級機然としているんですよね。カメラが高級かどうかを僕が見極められるかどうかは怪しいのですが、とにかく高級感を出すのに成功していると思うんです。言ってみればKissの高性能版みたいな雰囲気(あくまでも雰囲気です、スペック的にはまた別と言うことで)。実際に手元に届いてみると、とても作りの良さが感じられて、この点で不満は無し。単純に「カッコいいな」と思いました。
富士フィルムのX-T1からT10へのデザインは、ミラーレスにもかかわらず、ペンタプリズムを収めるような頭頂部の三角デザインがありますが、これが違和感なくてグッド。シルバーとブラックのツートンデザインとオールブラックの2タイプあって、迷わずツートンを選びました。

もうひとつの絵作り面では、いろいろな誌面やメディアにも多くの記事がありますから敢えて僕が書くこともないと思われますので割愛しまして、本題である使い心地(使い勝手)についてお話しします。

1.小さいながら持ちやすさ、撮りやすさは?
正直なところ、快適とは言えません。小さすぎて・・・ということはないんですが、長年1眼はCanon機のインターフェイスに慣れきった僕の問題もあります。で、メカニカルダイヤルがたくさんあって(見た目はコレがカッコいい)、デジタルで設定するのか、ダイヤルで操作するのかよくわかんない!慣れれば・・・と思うんだけれども、いい年して新しいカメラ(新しいメーカーの)使うったっておいそれとはなじまないんですよね。
次に、形状が手にフィットしない(全然しないってわけじゃないんだけど)。あらためてKiss X7のボディのカタチは、如何に手になじむかを痛感する次第。これは富士フィルムにもうひと頑張り欲しい点だけれども、Canonの素晴らしさを称賛したいです。富士もいくつか工夫の跡が見られるものの、小さいボディに例のボタン類やらダイヤル満載で、掴みやすいとは言えないボディを操作していると、いつの間にか関係ないダイヤルに触れて動かしちゃってることがたまにある。で、戻し方がすぐにはわからずに、電源切って再起動したりと忙しい。さらに(まだあるんかい?)ズームレンズの距離を変えるレンズのねじりが、Canonとは逆(つまりNikonと一緒)。長年Nikonとは協業関係にあった富士にとって、こういう部分は仕方ないところではあると思うけど、ファインダーのぞきながら、大きくしようとレンズいじって小さくなっていることが多い(汗)。

2.はじめてのEVFは見やすいか?
ずばり、見にくい・・・。フルサイズの6Dのファインダー見て、T-10に持ち替えてファインダーのぞくとガックリ来る。6Dのファインダーは見えすぎるくらい。
構図を変えようとカメラの向きを変えるたびに、ワンテンポ画像が遅れて見える。ペンタ・ダハミラーのKissにも大きく劣る。レフ機を使っていて買い替える(買い増す)場合には要注意と申し上げたい。
ただし、液晶画面よりははるかにマシ。日中の快晴時でももちろん見える。絶望的なGF2には圧勝。ありがたいのは撮った画像の再生を、EVFで見せてくれること。これは快晴時にはとても重宝する。
最後に背面液晶だが、ヒンジが付いていて角度は変えられる。3次元には動かないけれどもカメラを頭上に掲げたり、地面すれすれから撮ったりするのにはめちゃくちゃ便利です。

3.で、けっきょくよく使うのか、使いにくいから使わないのか?
使う。不思議なんだけど使う。レンズも含めたコンパクトさが大きな要因ではあるけれども、クルマで言ったらマニュアル車好きがマニュアルのクルマをあえて乗るような感じだろうか・・・?ボディの質感も手伝って、なぜか何をおいてもT-10を持っている自分がいる。これは新しいから、買ったばかりで使ってみたいから、を差し引いても断然使う頻度は高いと思う。絶対に言い訳しない(できない)シーンだったら6Dで決まりなんだけれども、普段は違う。
そしてT-10手に入れて、あらためてKiss X7もよく連れ出すことになっちゃった。小さくて軽いのはいいことです。Kissの場合、僕はEF_Sレンズ(APS-Cサイズの撮像素子に特化した小型レンズ)を持っていないので、レンズ込みだと少々T-10よりヘヴィーなわけで、そこもT-10持ち出す頻度アップにつながってるかもしれません。

4.おまけ・・・。
電池持ちが悪い。感触として、300枚も撮ったらぼちぼち危ない感じ。Canon機の3割程度しか持たないような印象。これはEVFが電気喰ってるんだと思う。あと、電池そのものにキャパがないのかもしれない。
聞くところでは、富士の撮像素子がけして他社(まぁCanonとSony)に比較して優秀とは言えないながら、レンズと現像エンジンの秀逸さで出て来るJpeg画像は僕の目には色乗りのいい素晴らしいもの。ボディ、レンズともにモノとしての精巧さに溢れ、コンパクトで軽く、出て来る絵は芳醇で濃密。少々使い勝手に優れない(あくまでも僕にとってです)部分も、なぜか「使いこなそう」と思わせる魅力を放つ不思議なカメラです。

最後に、小ささ、軽さにフォーカスして僕の印象を書くと、Kiss X7に軍配。実際にはほんの少しT-10が軽いんだけれども、持ちやすさ含めるとKissに敵わない。Kissは、欠点の少ないオールラウンダー。プラスチックのボディでも、質感はけして悪くない。もし購入相談を受ける機会があれば、6~7割の方にはKissをオススメすることになりそう。ただし強くT-10を押したいケースが3割程度はあるように感じるのも事実。選択肢があるって、とてもいいことだと思います。

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