2020年2月15日土曜日

北国が故郷だったら・・・。


愛知県名古屋市に生まれて、幼少の頃三河へ引っ越してかれこれ40年近くも暮らした。正直名古屋で暮らしたことは、ほとんど記憶に残っていないので、僕にとって故郷は三河(岡崎市)だ。
美瑛に来て、はや14年目になる。すっかり慣れたと言えばそうだけれども、子どもの頃から長年暮らした岡崎のことは忘れることはない。例えば夏の夜、美瑛で上がる花火を見ながら故郷の夜空を照らす大花火大会のことを思い出す。懐かしくて、かけがえのない故郷の記憶だ。


昨日旭川市の「冬まつり」に出かけた。いつしか少し過疎の始まった北海道の小さな町に暮らしていると、旭川は大都会だ(人口35万人)。駅から買物公園通りに展示される美しい氷の彫刻を眺めながら、旭橋のたもとの冬まつり広場に向かう。広場に近づくといよいよ人が多くなって、小さい子供たちがお祭りのお店であれこれ買ってもらった戦利品を抱えているのを見るのも楽しい。
時折3、4歳くらいのちびっこが、そりに乗せられて親御さんに引かれていく。たいていはもう一人乳飲み子がいたりして、親御さんも大変だからそりは助かるだろう。そりに乗った子ども(お兄ちゃんだったりお姉ちゃんだったり)は、手に自分と同じくらいの大きな綿あめの袋を抱いている。小さな子供はみんな着ぐるみみたいな冬服を着せられて、どの子も可愛い。そんな子がそりに乗って、必死に綿あめの袋にしがみついていて、ますます可愛く見えてしまう。


北国の子供たちは、当たり前だけれどもやがて大きくなって東京や大阪の学校に進学したり、就職することになる場合もあるだろう。僕が初めて美瑛で迎えた冬、厳しい寒さのイメージが頭にこびりついて、無用な心配ばかりしていた。でもって、失敗して家の配管凍らせたこともあったな・・・。
で、北国北海道で育った子たちが、東京や大阪で迎える冬ってどんなんだろう?雪がないのはいいなぁと思うんだろうか?雪はねしたり、ブーツや長靴のお世話にならなくて済むことが、楽だなぁと感じるのかもしれない。でもきっと、2年目か3年目の冬に、物足りないと思うような気がする。あるべき雪がない、来るべき凛とした寒さがない。北海道は季節感と言う点ではすごくダイナミックなのだから!
いや、むしろ彼らが強く思い知るのは夏の蒸し暑さだろうか。美瑛(や旭川)だって、年に何度か30℃を超える日がある。愛知県の夏を思い出す、逃げ場のない暑さ。でも、湿気は全然ない。美瑛の夏は、夕方になるともう暑さはお終いで、深夜から早朝にかけて20℃前後まで気温が下がる。本州の熱帯夜は、こんな生やさしい夜じゃない。しかも来る日も来る日も暑い。もしかしたら東南アジアより暑くて寝苦しいかもしれない。

と、また着ぐるみを着た可愛い子供たちを眺めている。彼らは雪で寒いなんてぐずつかない。氷点下20℃でも、元気に遊んでいる。暮らしてみると、温度だけはものすごく低い冬も、そして爽やかでからっとした夏も暮らしやすいと思う。旭川市でも、近年は少しずつ人口減少が始まっているらしい。もちろん子供たちがたくさんいてくれたらいいんだけど、都会から移り住んで来てくれてもいいと思う。
ちょっぴり雪道の運転は大変だけれども、それでもそれにおつりが十分来るくらいにいいことがいっぱいある。

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