裏庭の雪を、片付け始めた昨日。さすがに腕・肩・腰共にけっこうな筋肉痛が襲い(たぶん明日にはもっとひどくなる予感)、この季節特有のちょっと不思議なあわただしさに包まれています。北海道では春の訪れは4月下旬(あたりではないでしょうか?)。とは言うものの、3月に入ると日は長くなり、雪が融けはじめ、春の予感はあちこちに見つけることができます。そうなると春恋しい気持ちの強い北海道の人たちは、せっせと準備を始めるんです。その一番典型的なものは、敷地内の除雪ではないでしょうか・・・。あと2~3週間も待っていれば自然に無くなってしまうのですが、それさえ待ちきれない。別に邪魔と言うわけでもない場所でさえも、傍目からしてみたら「敵(かたき)」のように除雪に余念がない・・・。大きな声じゃ言えませんが(って力いっぱい書いちゃっていますが)、僕自身は雪景色の美しさは大好きなので、正直雪融けはちょっぴり名残惜しい気分。まぁここはよそ者の僕と、北海道育ちの方との感じ方のギャップは埋められませんし、ましてや生業として農業をやっていらっしゃる方からしてみれば、農作物の出来栄えに大きく左右するわけですから「雪景色が好きです」なんて、のん気なことは言っていられない・・・。
さて、そんな雪解けの進む美瑛は、現在積雪67cm(気象庁データ。3月26日午前3時現在)。ピーク時101cmありまたから、おおむね3分の2まで無くなって来ました。僕が当館「四季」の周囲の雪を片付けているのは、雪がイヤってことは全然なくて、敷地内の春の準備を少しずつ始めたいからです。花壇に花を植えたり、物置小屋に除雪用の道具を仕舞い、自転車を引っ張り出したり、そうそう、今度の冬のために少し薪割りもやっておこうかな。何かとぼんやり暮らしている僕も、この時期ちょっぴり気ぜわしくなるのです。
気ぜわしさにもうひとつ加担して、ちょっぴりお菓子のお勉強を始めたい、と思い立ったこの春。もっともその気持ちは昨年の秋から抱いていました。いつしか当館でお出しするお料理の最後のデザートが、何となく定番化してきたこの頃。季節感を取り入れながら、その時々にこの地で獲れたフルーツを使いながら作る焼き菓子に、自分としては納得できていたつもりでした。
きっかけは1本の映画、晩秋に札幌のシアター・キノで見た「大統領の料理人」でした。次々にスクリーンを彩るお料理とケーキの数々は、もちろん食すことはできないのですが、見るからに!美味しそう。そこには料理(やケーキ)で、出来うる限りの感動を提供しようと言う強い意志が込められていました。僕にとって料理って、感動を得るための何かだろうか・・・?そう考えてみても、明快な解は無いような気がしますが、目の前にあんなに美味しそうな料理やケーキが出て来たら、難しいこと抜きにとっても嬉しいに違いありません。当館「四季」の料理やケーキは、オーナーの自分たちからしてみたら一番の「個性」にしたい部分(いわゆる当館をお選びいただく、大きなファクターのひとつ)ですが、ホンネを言ってしまうと、押し付けでもあります。美味しさの押し付け、いいでしょ(と、自画自賛)。美瑛(はじめ、この道央地区)で獲れる野菜や果物を、ぜひ美味しく召し上がっていただきたい。そのためにこんなお料理とお菓子をご用意しました、さぁお召し上がりください!と、言葉にしたらそんな感じ。ご予約下さった方にお送りするご案内の末尾に、いつも“お腹を空かせてお出で下さい”と書いてしまう私たちは、やっぱり食いしん坊なんでしょうね。
えーとちょっと脱線した気がしないでもありませんが、この1年、お菓子作りの基本に向き合ってみようと考えています。実は美瑛や旭川にいくつかお菓子作りの教室がありまして、ちょっと行ってみたいな、と思う気持ちもあります。でも、その前に基本的なことをもう一度・・・。たとえばホィップやメレンゲの泡立てだって、どこがベストなのかわかっていない気がするんです。この場合はちょっとしっかり目に泡立てて・・・と意識してはいますが、しっかり目ってどこまでだろう?
そんなあれこれがいくつか納得できるようになったら、バリエーションを増やしてみたい。食事の最後にお出しする焼き菓子や冷菓が、そんなにたくさん食べていただけるはずもありませんが、できれば種類が多い方が嬉しいですよね。あれこれちょっぴりづつ。季節感を大事にしながら美味しく、綺麗に。美味しいものって理屈抜きで嬉しいんだ♪これを押し付けないなんて、当館「四季」じゃないですよね!
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