またしても似たような書き出しで恐縮ですが、まったくもって時間が流れて行くスピードについて行けていません。もう11月・・・どころか、それも終わりそうな季節です。はぁー。
途中経過書き記して置きたいことはたくさんあるのだけれども、全部を(苦手な整理立てて)やってるうちに日が過ぎて、あれれ12月に突入という憂き目に合いそうな予感がしますので、てきとーに(いつもテキトーなのでわざわざ注記するまでもないのですが)書きたい気分のことを先に書いてみます・・・。
当館「四季」は思い切った新しい展開をしたいと決めて(その新しい展開が何かは、また詳しくご説明いたしますが、増設のようなものとご理解ください)、あれこれ準備に追われています。まずもって、設備・備品と言うことで、6月下旬に他界した親父に線香上げながら(いちおうこれが主目的のつもりですが)この11月12日より1週間ほど帰省しました。
で、線香上げたあとに、家具やら板やら食器やら・・・。ついでに美味しいパン屋さんものぞきました。6月からずーっとほとんど休みなく走って来て、10月下旬まで。で、やっと11月に時間が出来たので、美瑛を離れて故郷の愛知県、お隣の岐阜県他をまわりました。アイテム選びについてはじっくり時間をかけて報告(備忘録)書くつもりですが、今書きたいのは、故郷愛知のこと、そして私が25年間お世話になった会社のこと、あらためて故郷から思う北海道美瑛町のことなどなどです。
半年ぶりに戻った愛知県は、予想以上に暖かくて(暑くて?)、自分が北海道人になったことをちょっぴり実感。そして美瑛から比べたら目もくらむような都会の交通量を縫ってレンタカーを走らせ、何度も信号待ちしてやっとの思いで目的地へ、という展開に、最初はほとほと疲れました。でも、数時間もすると慣れて来て(なにしろ40年以上も住んだふるさとですからねー)、愛知県で流れる時間にフィットして行く自分がいた。ホッとする、って感じではないけれども、このタイト感もいいなぁと思わないではない・・・。美瑛にいる時はとことんのんびりしまくりか?と言うと実はそうでもなくて、寝る間を削ってあれこれやったり、冬の到来に追われて雪対策をしたりしていて、また違った慌ただしさはあります。でも、まぁ全然別の時の流れではあるよね(って、全然わからないと思うけど)。
通うのが楽しみだったパン教室で、師匠が待っていてくださったり、高山まで出かけて、古くからお付き合いのある製材業者の工場で、まばゆいばかりの大きな1枚板を確認したり、金沢(のお隣の白山市)で食器をあれこれと選んだり、合間に高校と大学時代の旧友に相手をしてもらいながら1週間で1,200kmを走り回って帰って来ました。
北海道の1,200kmって案外ラクに行けちゃうものなんですけど、愛知→静岡→高山→白山→また愛知の1,200kmは、けっこう手強い(疲れます、ホントに)。白山は初めてだったのですが、愛知のあちこちはもちろん、静岡も高山も良く知った場所。懐かしいを通り越して、今でもここが自分が住んでいる場所くらいに馴染んでしまう。やっぱり故郷っていいなぁ!北海道とはまた違った美味しいものがいっぱいある。味噌煮込みうどんを食べ、ウナギを食べ、そうそう、こんな美味しさがあったんだよなぁーと♪
懐かしさと美味しさと、そしてなんとも居心地のいい1週間のピークは、高山のパン屋さん、トランブルーへ行った時のこと。心が大きく揺さぶられて、さぁ、また北海道でやりたいことを思いっきりやるんだ!と襟を正せた。どうしてトランブルーと、私の北海道への思いが関係あるのかと言うと、説明すればちょいと長いです。えーと、トランブルーのパンは、そのデキから言ったらどう見ても破格なんだけど、高山と言う地方都市、いや正直言えば田舎町(規模的にね)で歓迎されるだけのマーケットは無い(と思うんだよなぁ)。でも、オーナー(成瀬氏)は、この地高山で美味しいパンを食べてもらいたいと、強い信念でこのお店を少しずつ軌道に乗せて行ったらしいのです。彼の得意なパンは、パイ生地で、クロワッサンとかデニッシュなんかは、僕程度のぼんくらからしたら芸術品に思えてしまう。いつも高山に行く時と同じように、僕とカミさんは食べられる限りのパンを買って、成瀬氏の2冊目になる本も買ってしまった。言っていいのかどうかビミョーなんだけど、正直パンは安いと思う。名前出して問題あるかもしれないけどドンクなんかよりも安いくらい。僕はドンクのパンは美味しいから好きで、機会があれば買っちゃうんだけど、トランブルーのパンは値段同等(いや少し安いですよね)で、格段に美味しい。
パンの世界大会で銅賞とったり、NHKのプロフェッショナルに出たりと忙しい成瀬氏だけれども、頭が下がるのはたくさんのお弟子さんを抱えて、彼らを1人立ちさせるために必死に頑張っていらっしゃること。彼のパンに対する飽くなき厳しい接し方は、時に弟子たちを震え上がらせることだってあるんだろうけど、このパンを見たら、そして食べたら、パンを志す若者が虜になってしまうのも無理はない・・・。
長い時間をかけて少しずつ少しずつお店に人気が出て来るのを辛抱強く耐えて、今では毎日のように開店前からお客さんが並ぶ(その1人が僕だ)。地元の人も、遠方から来た人も、みんな成瀬さん(とお弟子さん)が焼いたパンが欲しくて、大人しく順番を待つ。
彼の本には「東京で開業していたらどうだっただろう・・・?と思うことがる」そうだ。都会には、彼の焼くパンを求めるであろう大きなマーケットがある。それでも成瀬氏は高山を出ることなく、小さなマーケットを相手についには大人気店にまで育て上げた。そして彼の目線は、彼の技を伝授した若者たちが、それぞれの小さな街でそれぞれに継承し開花させてくれることの手助けにフォーカスされている。
きっとビジネスとしたら、早々に都会に出て、数店舗の展開を仕掛けることが得策だったような気がする(し、たぶんコンサルティングではそう方針決定されるんじゃないかな)。でも、成瀬氏のハートはビジネスの成功だけではないことは明らかだ。彼には信念がある。きっとその強い信念だって、長い時間の流れの中で、揺らいだり、薄れたりすることもあったはず。でも、僕が知るトランブルーは10年も前から今もなお人気店だ。都会に打って出なくても、彼は高山で見事に(ビジネスとしても)成功して見せた。
信念ってなんだろう。クレバーさや交渉力や、そんなあれこれと同じような土俵にあるのかもしれないけれども、時にものすごい実現のためのパワーを与えてくれる。そう言えば、僕にも小さな信念があったんだ(ってすぐに忘れてしまうようなものって信念と言えるのかなぁ?)。そう、僕は北海道が好き。きっと世界中には僕のように北海道好きがいっぱいいると思う。北海道の素敵を知ってもらう一助になれたらとても嬉しい・・・。
そんなことを思い出したら、北海道に無性に帰りたくなった。でもって笑っちゃうんだけど、帰ってすぐに自分で焼いたライ麦パンとくるみレーズンパンのデキの良かったこと!成瀬氏が乗り移っていた、なーんて浅はかな気分にもなろうと言うくらいに、4個焼いたパンは見た目も味わいも素晴らしかったんだな(とこれ以上ない手前味噌。ここまで言うか?)。ご来館のお客様にも大好評で、ちょっぴり残ったパンを欲しいと言うので持って行ってもらっちゃった。
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