2014年2月9日日曜日

STIと130ⅰと・・・。


我が家にやってきたスバルの愛車を500kmほど乗ったところですので、印象を記しておこうと思います。もちろん主観でしかないわけですが、主に以前乗っていた同じ車種の同タイプ(2002年製)と、現在愛車として乗っているBMW130ⅰとの比較を軸にすることになります。

あらためてやってきたスバルWRX_STIの諸元表を眺めてみると
全長・全幅・全高は4415・1795・1475
で、もっとも気になるのは全幅の1795です。もう1800mmに届こうかというこの全幅は、正直狭い路地や市街地のパーキングで少々神経質になってしまう大きさです。以前乗っていた2002年のスバル・インプレッサWRX_STIは
全長・全幅・全高は4405・1730・1425
で、幅方向へのサイズアップが顕著です。ちなみにBMW130ⅰは
全長・全幅・全高は4240・1750・1415
と、比較的似たサイズながらやっぱり幅が気になる所です。
どうしてサイズのことをこと細かく書き始めてしまったかと言いますと、このクルマ、運転中(特に少し速度をあげて「飛ばしている時」)には幅を含めてサイズの大きさをあまり感じさせません。それでも実際には1795mmの幅があるわけで、不用意にインを詰め過ぎてしまうとあらぬことになちゃうわけでして、ここは要注意点のひとつかなと・・・。

ほかにも思うところをあれこれと備忘録的に残しておきます。

【パッケージ】
5ドアハッチバックとして、十分な居住空間と荷室を有していると思います。これはより長いホィールベースを持つBMW130と比較しても随分秀逸で、特に荷台の広さは重宝しそうです。BMWはロングノーズが影響して、クルマのサイズの割には荷室は大きくありません。

【パワートレーン】
4WD:素晴らしいスタビリティで雪道も安心。
エンジン:スムーズでパワフル。低回転で少し非力かな。
サスペンション:固い。もっとしなやかな設定希望。
6速ミッション:軽くカチカチっと決まります。
4駆の絶大な安定感は、素晴らしいロード・ホールディングを供し、テカテカのブラック・アイスバーンのような路面でも、それほど緊張感を伴わずに走破できます。これは今までの愛車プジョー206(FF)でも絶対ありえなかった領域で、北国ではありがたい限りですね。クラッチを切った時以外は、4駆の絶大な安心感が得られます。
次にエンジンですが、大馬力(308PS)は雪道で持て余すかな・・・と思っていましたが、むしろ程よいパワー感。気になるのは低回転域でのトルクの細さです。うっかり2速発進したら、あっという間にエンストしました。これはBMWの3Lエンジンの余裕に比べると遥かに頼りない感じ。ただし、2L4気筒ながら回転上昇は滑らかで軽快です。BMWの6気筒は、もう少し緻密で重厚感伴いながらの回転上昇。滑らかさ、トルクの付き、精緻なフィールはBMWに軍配。一方で軽快感、回転上昇に伴うトルクの厚み、端的なレスポンスはSTIに分があります。好きかどうかで言うと、これは甲乙つけがたい個性。スバルの方がメカで持ってっちゃう感じで、BMWはあくまで自然な手触り(エンジンを触るってのもヘンですが)を大切にしているように思えます。2Lでここまでチューニングしているスバルは、大したものだなぁと感心してしまいます。
スバル308PSに対してBMWは265PS、どちらも余りあるパワーの持ち主です。で、車重もほとんど一緒。であればスバルの動力性能が1枚上手かと言うとこれまたほとんど似たようなレベルです。数字には表れない3Lの実力って侮れませんね。
最後にサスペンションについて。これはBMWが優勢です。固い印象が強いスバルに対して、固いながらもしなやかな懐深さのあるBMWの乗り心地はとても上質です。加えてFRレイアウトの醸す、後ろから押し出す力加減が、さらに高級感を演出しています。限界域でより踏ん張るのはスバルかもしれませんが、限界に近づくリニア感もBMWの方が掴みやすそうです。スバルのセッティングはメカニカルな工夫で、絶対的な限界領域を高めていますが、BMWは限界に至るプロセスをより的確にフィードバックする方に重点を置いているように思いました。サスペンションに関してはBMWの方が好みです。

【ハンドリング】
BMW、スバルともに少々アンダーにしつけられているようです。スバルはフェイントかけた雪道で、どうにかリアを振ることができますが、基本的にリアが滑り出すことはありませんね。たぶんいざって時にはフロントが先に逃げて行く(膨らんで行く)設定だと思います。慣れていないせいもあって、リアを無理やり滑らせると、一発でカウンターが決まりません。何というのか、いつ・どのタイミングで当てたカウンターを戻すのか、今ひとつわかんない。これはお尻でつかめる部分と、ハンドルを通して手首で感じる部分とがあると思いますが、ハンドルのフィードバックがあんまり情報量豊富じゃないのです。
BMWはリアの滑り出しがすごくスムーズ。ほんの少しスバルより長めのホィールベースも貢献しているのでしょう、カウンターも当て・戻しともにいつ操作したらいいのか把握しやすいです。これはスタビリティで軍配の上がるスバルが、BMWに敵わない点だと思います。僕自身の慣れも、まだまだってこともありますかね・・・。
ちなみに両車とも、シンメトリーで重量配分にも気を使っていて(BMWはフロント:リアを50:50にするのが社是)、さらには低重心に造られていて(特にスバルは)、とても安心感のあるハンドリングだと感じます。

【外観とインテリア】
・外観は、BMWがスマート。
・内装はどっちもどっちかな。
・細かい「使いやすさ」はスバルやや有利。
ボディシルエットは、BMWが秀逸だと思います。ちょっと存在感あり過ぎのフロント・マスクはさておき、ラインの流れが自然で綺麗です。キドニーグリルが好きだとも思いませんが、うまくデザインしていると感じます。リア・ウィンドウに雪が付着するのはスバルもBMWも似た感じでいまひとつですが、プジョー206はこの点秀逸でした。プジョーもシルエットの美しさは13年たっても全然古さを感じさせませんでした。そこへ行くとスバルは今一歩ではないでしょうか。あくまでも居住性や荷室の確保等が先にあって、それにデザインを合わせたとでも言えばいいのかな。欧州車はデザインが先にありきだと思えるほどに、ボディーラインが綺麗で美しいと思います。今回スバルの対抗馬として気にしていたアウディ(A3)も、やはり洗練されたデザインが印象的でした。
室内の雰囲気は、BMWがシックにまとめられているのに対して、スバルは無骨です。機能性優先で、デザインをあまり重視しているとは思えません(もちろんインパネ周りもデザイナーが苦心して成り立っているのでしょうけれども)。国産車ではホンダのインパネが比較的カッコいいと感じます。スバルはもう少し欧州車の粋なインパネ周辺のデザインを参考にしたらいいのになぁ・・・。スバルのインパネで致命的なのは、薄暮の時にスモール点灯後、インパネが暗くなって全然見えないことです。夜間照度が高いと疲れますが、いくらなんでも暗過ぎです。おまけに赤の透過色もせめてオレンヂとかブルーとかグリーンとかだったらいいのに!もの入れやカップホルダーは満足度高いのですが(日本人ってこっちの優先順位が高いのでしょうか?)、車内で飲んだり食べたりしない僕にとって、カップホルダーはあまり高得点をあげられそうにありません。あと、ハッチゲートの開閉のやりやすさもスバルはいいですね。軽くタッチするだけで、すんなりと開きます。
ちなみにBMWの落ち着いたインパネの雰囲気は好きですが、純正のナビはどうにもいただけません。インパネは使い勝手も悪くありませんが、渾身の(?)ナビについては画面も小さくて操作もしづらく感じます。なんだか、ケチつけまくりですね、両車とも。

【結論的に】
実はドイツにおけるBMW130ⅰとスバルWRX_STIはほぼ同価。ドイツに住んでいたらどっちを選ぶかなぁと考えると、BMWが一歩秀でているように感じています。ここ、日本では新車価格にけっこうな差額があるので(でもスバルも高額車になりましたけどねー)、チョイスは迷うところではないでしょうか。実はスバルはWRX_STIのベンチマークにBMWの特別チューン車M3を持っています。さすがBMW!と思うと同時に、いつかBMWのベンチマークがスバルになったらいいなぁとも思いますね。
僕にとって、スバルは国産唯一のプレミアム・ブランド。僕を含めた多くの人から、ちょっと(あくまでもちょっと)憧れのカー・メーカーであって欲しい気持ちです。この点BMWはすでにブランドを確立していると言えるのではないでしょうか。実際にそれは、乗り味(乗り心地ではなくて、あくまで「味」)にも表れているような気がしました。がんばれ、スバル。もうちょっとだぞ!
でもそのもうちょっとが大きな差ですよね。リーマン・ショックの時点で、スバルの株式をGMから全面的に受け持ったトヨタ(1995年当時)が、その後スバルの軽自動車生産にストップをかけました(現在ダイハツからスバルにOEM供給中)。トヨタ86(スバルはBRZ)の共同開発&生産やトヨタ車ラクティスのスバルへのOEM供給(スバルブランドでは、トレジア)など、トヨタの影響が少しずつ進むスバルですが、トヨタはスバルらしさについてけっこう容認(ひょっとしたら支持)しているように思えます。
スバルはサーブ社とのSUV共同開発を模索したり、初期型のスィフトをジャスティ名でスズキからOEM供給受けたり、さらに古くは日産、いすずともお付き合いがあったりと、はた目からは苦労の多い企業でした。そのスバルも現時点でトヨタに株式を保持してもらいつつ、過去最高収益を更新中。レオーネが看板車種だった時代は遠く過去のものとなり、現在はレガシー、インプレッサ、BRZ、そして間もなくリリースなるレヴォーグなど日本のメーカーとしてはグンと車種を絞って、文字通りプレミアム。ブランドに向けてかじ取りを行っているように見えます。あんまり手の届かないような高級ブランドになって欲しくないとは思うものの、クルマ好きの愛する、憧れのクルマを作り続けるプレミアム・ブランドとして成功して欲しいと願います。

2 件のコメント:

  1. いや~本当にクルマが好きで知識も豊富ですね。だからこれだけ詳細に沢山の記述が出来るんですね。カウンターなど専門用語について行けない自分がいます。昔スバル車に乗ってる友人がいてよく乗せて貰いました。運転はしなかったから良くは分かりませんが、重量が重いのではとの印象でした。どうなんでしょう?重ければ四駆と合わせて雪道には威力満点でしょうが、燃費は?なんて心配しちゃいます。素人の疑問です。

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  2. Youngさん、コメントありがとうございます。こんなに長い分を読んでくださって感謝です。今回の愛車は、ご指摘の通り4駆の分だけちょっぴり重たいのかもしれませんね(1,480kg)。でも、それを補って余りあるエンジンのパワーがあるので、重々しさは感じさせません。むしろ軽々と走ります。
    で、燃費は良くなさそうですね。3LのBMWよりも少し悪いくらいです。僕自身、燃費に心がけた運転をほとんどしないのも影響あると思いますけど・・・(笑)。

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