この1か月ほどあれこれお誘いがあって、これと言った取り柄もないままにあちこちの「場」に出かけています。そんな時、よく出て来るお話しが「今度、こんなことやろうと思うんだけど、何かいいキャッチ・フレーズみたいなの、ないかなぁー」というもの。
現実問題として、やることの中身にはある程度自信があるのだけれど、それをわかってもらうための工夫ができない、とまぁそんな展開です。ゴールデン・ウィークに差し掛かるまで、美瑛の農家も僕ら観光業に携わる人間も時間がありますから、1年間思いためたあれこれの中から、何か始めたいってのがあって、でもそれを広く世の中に知ってもらうための適切なPRコピーが思いつかないというわけです。
そう言えば、自分自身の宿のホームページにもあれこれと宣伝めいたことを書いているわけで、あらためてキャッチ・コピーと言うことに思いを馳せてみました。そもそも僕は語彙が充実しているとは言えませんし、増してや気の利いたキャッチ・コピーとなると腰が引けると言うのがホンネです。
ところで僕が最初にキャッチ・コピーとして認識した一文は西武百貨店の「おいしい生活」でした。ふーんと・・・。でも、なぜか記憶には強く残りました。それからもリゲインの「24時間戦えますか」やJR東海の「そうだ、京都行こう」とか、すごく短いフレーズで、モノやコトの本質を見事に切り取って見せる素晴らしいコピーって確かにたくさんありました。それで、そうだ、京都行こうじゃなくて、コピーの本読んでみようと、僕的にはありがちな展開に進みます。
え、どんな本読んだらいいんだ・・・?元来PRの世界に身を置いたことのない僕にとって、キャッチ・コピーを考える(またはそのよし悪しについて判断してみる)経験がありませんから、尺度(僕自身のモノサシ)がありません。モノサシがないから、仮にキャッチ・コピーを思いついたとしても、それが良いものなのか、ダメなのか、あるいはふつう程度なのかもわからない・・・。で、2冊本を買いました。
そのうちの1冊が谷山雅計氏の著による「広告コピーってこう書くんだ!読本」。この本読んだらもう何というか目からうろこが何枚も落ちた雰囲気。最初の「何となくいいね、禁止」あたりは、そうかそうか、わかるよーってな具合で行ったんですが、だんだん息が切れて来て、真ん中くらいから、その奥の深さに溺れっぱなしに・・・。いやぁー、コピーって深いです。駅からすごく遠いところの住宅地が売れるようなコピーを考えよう、というお題があって、例として
・よく来たな、実感・いい友。
・こんなに遠いんだから、駅が出来ないわけがない。
の2つがありました。どちらがいいかはわかる人にはわかるわけですが、僕はダメな方に行っちゃう。いわゆるコピー考える人の落ちやすい穴に落ちちゃうんですね。
それからさらに、コピーに触れた瞬間「そんなの知ってるよ」と「え、わかんない」と「そう言えばそうだね」の3つのリアクションで、最後の「そう言えばそうだね」と感じてもらえるものがコピーと言うこと・・・。普遍的に出回って新鮮味のないものではないし、ごく一部の天才にしかわからないものでもなくて、あーそうそう、そう言われてみればそうだそうだ!と代弁してあげちゃうフレーズが真のキャッチ・コピー。なるほど、と。
あー、なんだか自分のホームページの文章、ぜーんぶ洗いざらい直したくなってきました。もっともそう簡単に気の利いたコピーで彩ることが出来ないことも思い知った素晴らしい本!Amazonでレビュー見てびっくり。なんと40もレビューがあって、アヴェレージが4.8。いやはや、納得です・・・。
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