2014年4月15日火曜日

Heal the world.

どうでもいいこと、と言うよりも考えても仕方のないこと・・・でしょうか。もっともそんなことばっかり考えてしまうことってあると思います。今回はそんなお話しです(付き合い切れませんな、と言う方は無理なさらないで・・・)。

中学生の頃はチューリップを聞き(当時は揚水より好きでした、ちなみに今はどちらも好きです)、高校ではビートルズとR・ストーンズを聞き、その後D・ボウイを聞き、山下達郎を聞き、GONTITIを聞き、ヨーヨー・マを聞いているうちに、年末の紅白歌合戦に出場している歌手のほとんどがわからなくなっていました。美瑛に来てからビル・エバンスやパット・メセニーを聞いている僕ですが、突然見つけたYoutubeのコニー・タルボ(タルボット)が気になって、あれこれ聞いているうちにいいなと思った曲が“Heal the world”。なーんか聞いたことあるぞと探したら、マイケル・ジャクソンの名曲だったんですね。しかも何枚か購入した彼のCDのひとつ、デンジャラスにしっかり入っていて、以前にもお気に入りの曲でした。

この曲がリリースされたのは1992年(録音は1991年)ですから、もう20年以上も前になります。うっかりこの曲のことを忘れてしまっていました。マイケル・ジャクソンは2009年に50歳で夭折。まぁ何と言うか、ただ年を老いてく自分を改めて感じてしまいますね。さて、ここからあれこれと感じることがあるわけですが、まず昨年末か今年のはじめに評論家の桜井よし子氏が、今度の東京オリンピック(2020年開催予定)の頃、世界はどうなっているかという質問に対して自身の考えを語っていました。けっこうな分量だったのですが、記憶に残ったことの一つとして、アメリカがどんどん内政の方に軸足を移し、世界の警察役から距離を置くようになるだろうこと、でした。その分は、大国として頭角を現して来ている中国が担う(つもりでもある)と予想されると・・・。ここで中国がどう出て来るか、その時(あるいはそれ以前に)日本はどうかじ取りしているべきか、ということが本来は重要なのですが、そこは詳しい方にお任せして、アメリカの方に目を移します。桜井氏の説明の中にオバマ大統領の出自に関する部分もあり、これは良家の出身だとかどうとかということではなくて、今まで弱者だった層からの出身者である、ということ。弱者に基盤のあるオバマ大統領は、当然の流れとしてシリアやクリミアではなくて内政(例えばオバマ・ケアみたいな政策)にリソースを重点的に注ぎ込んで行くだろうと言うわけです。
今まではアメリカと仲よくし過ぎると、厄介な戦争にもつき合わされるからほどほどに・・・なんて言っていたのも過去の話で、今は逆にアメリカの方が僕をあんまりアテにしないでくれ、自分のことに時間もお金も使いたいんだ、と言うことになって来ています。

そんなオバマ大統領の政治スタンスは、ポップ界では20年以上も前からマイケル・ジャクソンが歌い上げていたことに、あらためてびっくりしてしまったのです。そんなの1963年にギター1本でボブ・ディランがやってたじゃないか(風に吹かれて、で)と、言うことなかれ。ディランとマイケルでは、出自が違うのです。
大成功を収めた音楽界のアーティストたちは、例えばジョン・レノンでもそうですが、イマジンみたいな作品の中で今も凶弾に苦しむ人がいる世の中に警鐘を鳴らしていますが、マイケル・ジャクソンのようなもともと弱者(貧困層とも言えるかもしれないですね)出身のスーパー・スターもやっぱり同じ世界感で曲を書いている。お金も名声も手に入れて、結局ここに行きつくのは、ある意味とても真っ当なステップなのかもしれません。ただ、マイケル・ジャクソンのこの曲とここ1年くらいの内にどんどんアメリカが市民の基本的な生活の質の向上に向かっていることとが、どうしても無関係ではないような気がするのです。

それは翻って見れば、いずれ中国にもやってくる場面(成熟の過程)なのかもしれません。国民生活やインフラ、周辺地域への緊張をある面犠牲に軍や宇宙開発に莫大な国家予算を使う今の中国ですが、案外遠くない時期に、そんなことやっている場合じゃないぞ、もっと市民の現実的な生活を直視しようじゃないか、ということになる(かもしれません)。もっとも中国はアメリカほどの多民族国家ではないでしょうから、いずれにしても最初はディランの登場となるわけですが、チベット自治区出身者がHeal the worldのような世界感で発信し始める時が来たら、大きな潮流の変化の兆しになると思うのです。

で、それがどうした、と言われると、冒頭に書いた通りどうもこうも何もないんですけどね・・・。あ、ひとつ付け加えておこうと思いますのは、当館「四季」は小さな宿で、自身のホームページ以外にPR媒体がありません。それでも、そんな当館におよそ2割の方が香港や台湾からいらっしゃいます。こう大雑把にしたら叱られるかもしれませんが、アジアのお客様が20%くらい。少しずつですがいわゆる本土の上海や青島や深センの方も増えて来ています。皆さん大の日本好き。そしてたぶん日本人好きです(ですから日本に旅行で来てくれるわけですよね)。海外の方と接する機会って、普段では考えられないくらいに、自分が日本人だと意識する瞬間です。
自分が日本人だと言うことは、これはどうにもこうにも曲げられない事実で、その自分のお国である日本のことを気に入っていただくのは、気持ちのいいことです。せめて当館のおもてなしで「あんまり日本もよろしくないな」と思われるのではなくて、ますます日本好きになってもらえるように接することが自分に課されている、と考えます。

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